アマゾンで本書を検索すると、そこには「村上春樹の小説世界を堪能できる、2009年用の手帳である」と書かれている。まあ簡単にいえばその通り、書籍というより手帳である。
英語版のペーパーバックからの引用やそのペーパーバックの表紙画像、それに小説からの引用があちこちに散りばめられていて、確かに村上春樹的世界に埋没できそうな感じではある。
ちなみにこの手帳、出版元もイギリスのRandom House UKであり、扱いは洋書。手帳の日付欄の「夏至」とか「春分の日」など、日本の祝日や二十四節気については日本語で書かれてはいるが、あくまでも「おしゃれ」の一部として挿入されている感じで、ベースは全部英語である。
右の写真は手帳としては無意味な挿入ページ。こういうのがあちこちにある。ちなみにこのページは「ノルウェイの森」の英語版ペーパーバックの表紙と、小説からの引用がほんのちょっと。
ちなみに左の引用部分は、「ノルウェイの森」で、ハツミさんが亡くなったあとで、彼女の大切さをサンタ・フェで圧倒的な夕暮れを見ながらピザを食べていて思い出す、というくだりです。何故その箇所が引用されているのかはもちろん不明。イメージってことなんでしょうね。ちなみに、手帳の中でやたらと"The Elephant Vanishes"というタイトルが引用されていて、「こんなタイトルの小説知らないなー」と思って調べたら、北米において英語で刊行された短編集のタイトルなんですね。どうりで知らないはずだ。
日付の入ってるページはこんな感じ。各ページごとにちょっとずつデザインが違ったり、あと、やはりちょこちょこと小説の一部が挿入されていたり、写真が入っていたり、イラストが散りばめられていたりする。まあ凝っているといえば凝っている。
というわけで、ファンは持っていても悪くないアイテムだと思います。でも、これに実際文字をガシガシ書いて本格的に手帳として使うとしたら、あまり使い勝手の良い手帳とは思えないなあ。
なんといっても紙質がツルツルで、サインペンなんかだと書きにくそうだし、綴じ方も、がばっと開いて文字を書き込んだら背表紙が痛んでしまいそう。
やはりこれは、装飾用ということで、眺めて楽しむぐらいの使い方が宜しいんでしょうね。オシャレという意味ではとてもオシャレですし、持っててちょっと嬉しい手帳ではあるので良いでしょう。
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