先週、1月24日はAppleがMacintoshを発売して25周年の記念日だったそうだ。
25年前というと1984年で、僕は当時14歳か。Michael Jacksonの"Thriller"とかVan Halenの"Jump"とかCulture Clubの"Karma Chameleon"とかが流行ってた頃か。それはずいぶん前だな(笑)。
CNETのこちらの記事で、25年間を振り返るフォト・レポートが見られます。最初の頃のMacはとにかく小さくて可愛いなー。
25年前の初代Mac発売当初、僕はもちろんMacのことなんて何も知らなかった。小学校時代に幼馴染みでマイミクのこきちが発売されたばかりのNEC PC8001を持っていて触らせてもらったが、その後中学、高校とまったくコンピュータには縁のない生活をしていて、大学に入ってからももっぱらワープロにしか触れずに過ごしてきた。
僕が最初にMacと出会ったのはいまの会社に入った初日だった。当時会社には6台のMacがあった。当時の会社は従業員が10人にも満たない規模で、それだけの台数のMacがあったというのは今考えれば驚きである。Macの他にJ-Starまであった。高かっただろうなあ(笑)。
当時会社にあったMacは、IIci、IIsi、Centris 650, Quadra 650, それに型番の分からないPowerBookだった。DOS/Vのマシンも一台あったのだが、全然魅力がなくて、とにかく毎日Macに触れるのが楽しくて仕方がなかったのをよーく憶えている。
で、どうしても自分でもMacが持ちたくて、入社二年目の冬にボーナス2回分の大枚を叩いてMacを買ったのだが、僕が憧れていたCentrisやQuadraの華々しい時代はもう終わっていて、Appleは混迷の時期に突入していた。
僕が買うことができたMacはあまり素敵とは言えない出来映えで、PowerMac 7500/120という機種で、OSには、あの悪名高き「漢字Talk 7.5.2」を搭載していた。それはもう、とにかくひどいOSだった。どれぐらいひどいOSだったかについて書くと長くなるので、いずれまたそのうちに書きたいと思う。
Mac暗黒の時代に終止符を打つ最初のきっかけは、もちろんSteve Jobs氏の復帰ということになるのだが、ユーザとして我々が直接触れた復活に向けての製品第一弾は、やはり初代iMacだろう。
モニタ一体型のボンダイブルー半透明筐体は、それまでのパーソナル・コンピュータの外観に関する概念を完全に払拭し、新たなパーソナルなコンピューティング・デバイスの礎となるデザインとして圧倒的に市場に受け入れられ、結果、夥しいコピー商品を生み出すことになった。
そしてiMacの登場に続いて二の矢、三の矢として放たれたのが、それまでのアーキテクチャとはまったく異なる、UNIXをベースとした新OS、Mac OS Xと、そしてiPodであった。Mac OS XとiPodは、どちらもSteve Jobs氏が当時提唱していた「デジタル・ハブ」構想を実現するためにどうしても必要な製品であるとともに、それからのApple快進撃を牽引する両輪の軸となる、中核製品であった。
iPodはAppleというブランドを、一部のMacマニアを遥かに凌駕する人数の人々に知らしめ、そしてAppleが作る製品のFancyさ、Cuteさを広く認知させることになり、そしてMac OS Xは、それまでひどく不安定で実用面ではストレスが多かったMacを、Windowsを遥かに凌ぐ安定性を持つデバイスへと変化させることに成功した。
Mac OS XはCheetah, Jaguar, Panther, Tiger, そしてLeopardと順調にバージョンアップを続けていき、完成度を高めた。そしてiLifeというデジタル・ハブ構想の中核を担うソフトウェア群も加わったMacにとって、Intelプロセッサを手に入れたことで、一気にデジタル・ハブ構想というビジョンの実現へのスピードが加速していった。
そしてAppleが迎えた最新のブレイク・スルーは、誰もが知っている、そして発売が社会現象にまでなったiPhoneである。
小さな筐体にぎっしりと詰め込まれた数々の機能と、サードパーティーにも解放された小さなアプリ達、そして短期間に繰り返し機能強化されアップデートされるOSなどなど、iPhoneは「多機能な電話」ではなく、「通話もできる多機能ハンディ・インターネット・デバイス」として、新たな時代の扉を開いてしまった。
だが、iPhoneは、その機能を最大限に発揮するためには、「母艦」であるMacに定期的に帰還し接続することが前提で作られているデバイスだ。iPhoneはあくまでもMacと同期し情報を共有することで、初めてその機能の全てを発揮することができる。そういう意味で、iPhoneはMacなしでは存在できないし、MacもiPhoneがあってこそ、これからもさらに進化を続けて行くことが可能になる。
オンラインストレージのMobileMeも加えたiPhone、MobileMe、Macの三位一体の布陣が今後のAppleにどのような製品やサービスをもたらすのだろうか。もちろん10年後、20年後の予想などは誰にも出来ないが、iPhoneとMac、Appleが、これからどのような新たな世界を僕に見せてくれるのか、考えるだけで今からとても楽しみだ。
CNETにはAppleの今後を占う記事も載っていたのでこちらもどうぞ。
余談だが、このCNETの記事の翻訳は、どちらの記事も、なんだかとても良いな。一体どこの会社が翻訳したんだろう(笑)。
コメントする