アルバム「The Hearts」は、山下久美子が2000年にリリースした、デビュー20周年を記念する全曲新録音によるベスト盤。
実はこのCD、新録音だとは知らずに入手してしまい、手にした瞬間にはガッカリしたのだった。昔から山下久美子は結構好きで、売れた曲はファイルを持っているのだが、「リリス」が入っているアルバムがなかなか手に入れられなくて、この「The Heart」に「リリス」が入っていると知ってすぐに入手したという次第。
僕が高校生の頃に流行った「リリス」が聴きたいと思って借りたのに新録音と知って結構ガッカリしたのだが、でもせっかく手に入れたのだからと聴き始めたら、これが何だかとってもカッコいい。
「こっちをお向きよソフィア」も「Single」も「リリス」も「赤道小町ドキッ」も、オリジナルとは大幅にアレンジも違うし山下久美子自身の声質もずいぶん変わっていてるのだが、それが年輪を重ねたようで清々しいのだ。
アルバムを通して聴いて良い充実感があって、ライナーノーツを開いてみてまたビックリ。20周年アルバムということでゲストが多く参加しているのだが、これがまた時代を象徴するメンバーで豪華で素敵。
「So Young」には佐野元春が、「こっちをお向きよソフィア」には大沢誉志幸と吉川晃司が、「いっぱいキスしよう」には仲井戸麗市と山崎まさよしが、「赤道小町ドキッ」にはプロデュースとドラムで高橋幸宏が、と、山下久美子がビカビカに輝いていた時代を象徴するビッグネームがキラ星のように名を連ねている。
当時40歳となった山下久美子の大人の世界は凛としつつ余裕もあり美しく、そしてどこか切ない。思った以上に良い新録ベスト盤だった。お薦め。
あ、そうそう、山下久美子はブログも書いてます。最近見つけてリーダーに登録しました。
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