奥野宣之氏の「情報は1冊のノートにまとめなさい」を読了。
春頃からノート術に関する本をずいぶん読んで来て、かなり経験値も上がって来たと自負していたが、本書は従来の本にない新たな切り口が幾つもあり、とても勉強になったし、すぐに実践したい部分も多かった。
まず、本のタイトルにもなっている、情報は1冊のノートにまとめなさい、という部分は、既に僕自身は導入済みだったので、新たな発見はあまりなかった。ノート自体をどのサイズで作るか、どのようにカスタマイズするかについては、自分自身の好みでやれば良いと思う。
だが、全ての情報を時系列順でノートにインプットした場合に最も問題になる、ノートの「検索」について本書はかなり突っ込んで解説していて、その部分がとても役に立った。
当然のことながら情報の検索にはコンピュータが必須となるのだが、本書では索引ファイルをテキスト形式で作成し、「日付」、「タグ(分類)」、「タイトル」を一行で入力し、それを時系列に並べ、必要なときに検索することで、必要なノートを開いて情報を得る、という方法を紹介している。
著者はスタンドアロンのPCのデスクトップにテキストファイルを置いて、それを職場のPCにもメールしたり、という方法を紹介している。もちろん「誰でも」できる方法としてはその形で良いだろう。僕の場合はEvernoteに索引ファイルを作成し、iPhoneでもMacでもWindowsでも見られるようにすると良いだろうし、Evernoteのサーバがダウンした時のことを考えると、MobileMeにもバックアップを置いておくと良いかもしれない。
いずれにしても、書き殴った情報を後から検索できるという部分が紙のノートの弱点補強としては必須なので、この部分だけでも本書を読む価値は十分すぎるほどあったと思うのだが、他にも何点か目からウロコな部分があった。
本書ではノート術の中でも、特にアイディアやネタをノートすることに重きを置いている。なかでも「ネタの芽」を「ネタ」に育てるコツを説明している部分は具体的でとても分かりやすかった。これも、索引ファイルあればこその方法で、すぐに実践してみたいと感じさせられた。
あと、入浴中にアイディアを思い付くことが多く困っていたのだが、こちらについても防水性のペンとノートが商品名で紹介されていてとても助かった。やはり皆さんお風呂はアイディアが浮かぶ宝庫なのかねえ。
さらに、アイディアが出やすい暮らし方についての記述も勉強になって良かった。この辺りは勝間和代氏の著書にも出てくるのだが、やはりインプットの量を増やし刺激の数を多くするということに尽きるようだ。多くの趣味を少しずつ齧ったり居酒屋では毎回違うメニューを頼んだり、歯医者の待ち時間では普段自分では絶対買わないような婦人雑誌を手に取るなど、多面的に刺激を受ける方法が細かく書かれていて面白い。
ノート術を初めて約4ヶ月ほど経ったが、僕の現状のノートはまだまだアイディアの宝庫にはなっていない部分が多々あることが分かった。自分自身の情報活用術を見直すのに、とても良い本だったと思う。
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