Bogalusaの"Talking aboud Dime"を購入して聴き終えた。
"Bogalusa"というバンドは僕は一昨日まで名前すら知らなかったのだが、このバンドのヴォーカリスト、写真右の男は10年前から知っている。その名は藤岡テッシン。
Bogalusaを知らない人でも、テッシンのことを知っている人は多少はいるのではないかと思う。テッシンは今から10年ほど前に、吉祥寺や下北沢、町田などを中心に活動する、ストリート・ミュージシャンだった。
バンド名はメンバー変更と共に何度か変わったと記憶している。"Messin with Tessin"だったり、"テッシン with Hisピンハネ5"だったり。
だが、メンバーが変わってもいつも彼の演奏する曲やスタイルは変わらなかった。古い古いオールドジャズやJiveを中心に、そこにサッチモが入ったり彼ら自身のオリジナル曲が加わったりしていた。
もう10年以上前、僕はたまたまテッシンのストリートでの演奏を聴き、彼と知り合いになった。お客の少ない夜だったこともあり色々話をし、毎週金曜日に吉祥寺で演奏をしていると教えてもらい、それ以来何度も彼らの演奏を聴いた。本当に毎週のように聴いた。ライブハウスにも聴きに行ったし、挙げ句の果てに僕の結婚パーティーにまで来てもらい演奏してもらったりもした。
それから時は流れ、僕は吉祥寺の街から離れ、テッシンのライブに行くこともなくなった。たまに「元気でやってるかなあ」と思い出しつつも、僕は毎週末に飲み歩くこともなくなり、彼が演奏してくれた結婚パーティーで一緒になった女性とも別れ、10年前のことは遠い昔のことになってしまっていた。
今回ちょっとしたことからテッシンがまだ演奏活動をしているかを調べようと思い、彼の名で検索したところ、2つのことを発見した。
一つは彼がBogalusaというバンドを結成し、CDが発売され、Amazonでも購入できるようになっていること。
そしてもう一つは、テッシンは一昨年の9月に自殺してしまい、もうこの世にはいなくなっていた、ということ。
CDが出たのが2007年4月、そして彼が亡くなったのが同じ年の9月だったそうだ。
一体彼に何があったのか、今となってはもちろん分からない。もう2年も前のことなのだ。
放心しつつAmazonにCDを注文し、ついさっきCDが届いた。まさかテッシンのCDがアマゾンで翌日配送される時代がくるとは。
そして流れ音を聴く。やっぱり泣けるね。当時のパフォーマンスでも演奏していた懐かしい曲が何曲か入っている。"Chop, Chop, CHarlie Chan"や"One Scotch, One Bourbon, One Beer"、それに名曲"Minnie the Moocher"も収録されていた。
CDで聴くテッシンの声は当時と変わっておらず、でも、レコーディングだったせいか、妙にかしこまっていて、ちょっと窮屈そうに歌っているようにも聴こえた。でも彼の歌がこうして聴けて良かった。CDがなければ、もう二度と聴くことなんてできなかっただろうから。
でも、あの、彼らのオリジナル、「吉祥寺のサンロード」の歌が入ってなかったのは残念だった。タイトルも知らない曲だけど、彼らのパフォーマンスがどんどん人気が出てお客さんがたくさん集まるようになって、あの「吉祥寺のサンロード♪」と彼が歌うと、すごく盛り上がったなあ。
テッシンどうもありがとう。もう会えないのはとても残念だけど、テッシンの歌声とあのパフォーマンスは永遠だよ。このCDは大事に聴かせてもらう。さようなら。
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