西原理恵子氏の「この世でいちばん大事な「カネ」の話」を読了。
僕はまったくと言っていいほどマンガを読まないので西原理恵子氏のこともほとんど知らなかった。知っていたのは、昔祖母が毎週買っていた「週刊文春」で「恨ミシュラン」なる連載を読んだことがあったのと、数年前にアルコール依存症から生還したご主人を癌で亡くしたという新聞記事を読んだぐらい。
というわけで、西原氏のマンガを一つも読まずに自叙伝的エッセイを先に読んでしまい、多少戸惑っているというのが正直な感想。恐らく本書は西原氏のマンガを読み込んでから読むべきだったのだろうと感じたが、読んでしまったものは仕方がない。西原ファンから見ればひどく見当違いなレビューになるかもしれないが、僕が上述した通りの状態で読んで本書のレビューを書かせていただこう。
本書はタイトルこそ過激に「カネの話」となってはいるが、中身は「仕事と生き方」の話であり、西原氏の半生を顧みた自叙伝である。ただ、彼女の半生を顧みるには、「カネ」を避けて通る訳にはいかないと言い切れるほどカネで苦労して来たし、また、カネで苦労したからこそ今の彼女がある、という意味では、このタイトルは過激ではあるものの、決して突飛なものではないのだろう。
幼少期の貧しい日々や過酷な家庭環境については気の毒としか言いようがないが、そこからガンガンのし上がってくる上京後の西原氏の行動と、その行動規範というか哲学は、非常に清々しくそして力強い。自分探しなんかしてたって何も見つからない。とにかく仕事をして前に進めば、そのうち自分は何ものかになっている。そのメッセージは単純明快であり、真理を突いている。
力強く自分のやりたいことをやり続け、何者かになり、そして自分が大事だと思う人々と生きる。シンプルで力強い彼女の生き方は、是非見習いたいと思わされる。壮絶なのに清々しい読後感であった。
これは、西原氏のマンガも一冊ぐらい読まねばなるまい(^_^;)。
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