8月最後の土曜日は、朝6時に起きてたっぷり走り、思う存分読書をし、野菜たっぷりの夕食を作って食べ、Twitterと音楽に浸る素敵な時間だった。
そんな夏の終わりの週末には、カリブの宝石ともいえるラムを紹介して一日を終えたい。ラムは中南米の広い地域で生産されているが、これはフランス領マルティニク島産の、"Saint James Rhum Vieux"という銘柄。"Rhum"はラムのフランス語綴りで、"Vieux"は同じくフランス語の"Old"、そのまま訳せば古酒という意味になる。
ここ数年、あれこれと色んなラムにチャレンジしてきたが、その中でこのSaint James Rhum Vieuxは、ベスト3に入る名作。個人的に甘すぎるのが苦手で、エッジが立って香りが豊かで、スパイシーで濃厚という、攻撃的かつ繊細なバランスは、他にはない。
古酒には1万円オーバー、中には2万円オーバーなんてものもある中、このSaint Jamesはお手軽な価格ながら、実にバランス良く仕上がっている。
大好きな銘柄ながら、ラムの日本への輸入はまだまだ不安定で、大量に入ってくる時にはすぐに手に入るが、一度入手困難になるとしばらくはどこを探しても見つからない状態が続く。
そしてまさに、このセント・ジェームズも、この一年ほど、どこを探しても見つからない状態だったのが、先月久々にご尊顔を拝することができた。
仏領St. Martinique、マルティニク島。一体どんなところなんだろう。南の楽園か、それともこの世の果てか。
でも、このラムを飲みながら想像する時、不毛の土地を想像することはどうしたって不可能だ。
こんな豊かなお酒を輩出できる土地が、不毛なわけがない。それだけは確かだと、確信している。
セント・ジェームズ ラム・ヴィユー/南米仏領マルティニックラム
コメントする