あまりにも有名な漫画「課長 島耕作」をようやく読み始めた。連載開始が1983年だそうなので、実に26年遅れ、単行本発行から見ても24年遅れである。
25年も存在を知りつつ読まずに済ませていた本に、何故今更興味を持ったかといえば、一昨年映画「バブルへGO!」を見て以来、それまで封印していた、「僕にとってバブルとはなんだったのか、バブルは僕の人生にどんな影響を与えたか」について追求したいという強い欲求が生まれ、あれこれと本を読む過程で、この「課長島耕作」も、連載時期がまさにバブルと重なっており、日本バブル経済の証人として、読んでおくべきだろうと感じたからだ。
理由はそれだけではない、島耕作シリーズが、ついに「社長」にまでのぼりつめたということを知り、大局的に結末を迎えつつあるこのシリーズを、最初から読んでみたいという気持ちが湧いたということもある。
連載がスタートした時の島耕作は34歳で課長であり、そして当時の僕は13歳だった。そしていま僕は40歳・シニア・マネージャーとしてこの本を手に取ることになった。なんだか感慨深い。
というわけで前置きが長くなったが、課長島耕作の第1巻を読了した。
まず最初に感じたことは、予想外に仕事以外の、いわば女との絡みやセックスシーンが多く、あまり企業戦士的な側面は描かれおらず、従ってバブルを象徴する「日本のサラリーマン」という姿がそれほど浮かび上がっていないということだ。これは正直意外だし、残念にも感じた。これは僕の思い込みが強かったというだけのことなのだが。
特にセックスシーンの多さには少々面食らったというのが正直な感想。成年男性向けの雑誌連載漫画なので女の裸が必要なのかもしれないが、あまりに都合良く次々と女性と交わる主人公には,あまりリアリティーを感じないし、物語のキーが何でもかんでもセックスというのはどうもいただけない感じがしてしまう。
ただ、連載開始は1983年であり、それはつまりバブルを生む大きなきっかけとなった、1985年の「プラザ合意」よりも2年も前のことであり、当時の日本は後のバブルへの緩やかな階段を上りつつある時期だと思うので、当時の大企業にも、まだバブル的な素養はあまりみられなかったのかも知れないし、当時は今ほど漫画にリアリティーが求められていた時代ではなく、この程度のファンタジーっぽい仕上がりの方が受けたのかもしれない。
あと、読んでいて時代を感じるのが、タバコの位置付けである。島耕作はじめ登場人物はオフィスの自分の席で、会議室で、レストランで、電車待ちのホームで、飛行機の中でさえ、とにかくタバコを吸いまくっている。そういえば、当時は地下鉄のホームでさえもタバコが吸えたのだ。時代は変化する。
というわけで余計なことばかりが気になってしまっているが、島耕作は物語の冒頭で課長承認を告げられ、3ヶ月後に無事課長に就任した。そしてとある社内の背任および詐欺事件を解決した中核人物としての働きが評価され、出世の王道コースといえるアメリカ勤務を言い渡される。渡米を拒否した妻(と娘)を東京に残してニューヨークに渡ったところまでが第一巻のお話。
戸惑いつつも今後の展開が楽しみだ。そんな物語の始まり。
お、島耕作シリーズですね。
自分はGGさんとは逆に専務島耕作まで読みました。
あと、ヤングも途中まで。
これからお読みになるのに申し訳ないですが、自分は課長が一番おもしろかったです。その後どんどんつまらなくなっていった。そんな感想です。
弘兼憲史さんの作品はハロー張りネズミと人間交差点が好きでした。まあ、セックスシーンが多いのは彼の作風だと思います。
どもども〜。
2巻に入って面白くなってきました。またレビュー書きますね。
ヤングってのもあるんですね。知りませんでした。これはいわゆる「エピソード0」なんですね。どのタイミングで読むかなあ。(^-^)