藤井孝一氏著、「週末起業」を読了。
企業に勤めて給与をもらっている、いわゆるサラリーマンが、週末や夜間の空き時間を利用して、会社勤めを継続しながら起業する、「週末起業」を指南してくれる本。
素晴らしい本だった。非常に現実的であるとともにロマンに溢れ、時間的にも金銭的にも充実した人生を送るために、サラリーマンは是非一読しておくべきだろう。
一点重要な原則がある。それは、週末起業は「週末や夜間にアルバイトをして小銭を稼ぐ」ことを意味するのではない。企業体にするか個人事業主としてやるかは別として、あくまでも自分のビジネスを立ち上げるのだ。
その違いが非常に重要なのだが、アルバイトなどの副業は、他人が経営するビジネスの末端を時間給で稼ぐ、つまりは体力と時間の切り売りなのに対して、週末起業は自分のアイディアや製品、サービスを売り物としてビジネスを展開していく、つまり規模が小さかったとしても、一国一城の主、週末はCEOなのである。
ネットをうまく利用して自分のビジネスを展開する週末企業者と、ファストフードや居酒屋の店員で復業するアルバイターでは、得られる恩恵は金銭的にも、そしてそれ以上に自分の人生の糧としての経験的にも雲泥の差があるだろう。
では、週末起業で僕たちは何をビジネスにすれば良いか。とにかく好きなことをやれ、と著者は説き、僕自身もその通りだと思う。
土日を潰しても構わない。寝る時間が減っても構わないと感じられるぐらい好きなことをビジネスにして、自分がそのビジネスの社長だとなれば、多少きついことがあったとしても、活き活きと楽しく取り組むことができるだろう。
「俺もいつかは独立して自分の会社を」と思っている人は意外と多いのではないかと思う。それと同時に、何からやっていいのか分からなかったり、会社を辞めて収入がなくなってしまうことを恐れて起業できずにいる人も多いのではないか。
そんな人は、この本を読んで、とにかく始めてみてはどうだろうか。会社を設立してしまうとお金も時間も余分にかかるので、個人としてスタートすると良いと本書では奨めている。元手をかけず簡単に始められることからやってみる。それが大事だと説く著者が、戸惑う僕たちの背中を教えてくれる。
コメントする