勝間和代氏著、「無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法」を読了。
うん、良い。勝間氏の本はこれで3冊目(一冊目、二冊目)だが、本書が一番説得力があり、勉強になる点も多く、それと同時に本人は意識しているかどうか分からないが、著者の個性が良く出ていて、勝間氏のことがちょっと身近に感じられるようになった。
人間誰しも限られた時間を生きている。最大の成果を上げるためには、効率良く自分がするべきことをしていく必要がある。
本書の切り口が素晴らしいのは、そのためには「しないことを決める」必要があると断言している点だ。
本書では、我々の日々の生活を「消費」「浪費」「投資」「空費」に分類し、「投資」 = 「緊急ではないけれど重要なこと」に割く時間をいかに増やすかは、「浪費」 = 「緊急だけれども重要ではないこと」や「空費」 = 「緊急でも重要でもないこと」に使っている時間をいかに減らすかと、「消費」 = 「緊急で重要なこと」に使っている時間を、どうやって減らして行くかであると定義している。
視点が斬新だし大事だなと思ったのが、同じ時間でも、どのように過ごすかで、「浪費」が「投資」になるケースもあるという点である。
定義する前にやっていることではあるのだが、例えば通勤電車の中でぼーっと過ごしていれば、往復の時間は「浪費」だが、車内でポッドキャストで英語を聞いたり、本を読んで勉強をしたりすれば、その時間は「投資」の時間になる。これは何事にも意味を持たせることの重要さを示しており、通勤車中だけではなく、日々の生活の様々な場面で応用できる考え方である。
あと、「時間泥棒」の考え方も、耳が痛いが正しいと感じる。「テレビ」、「ゲーム」、「たばこ」、「お酒」の4つを、「空費」に時間を使ってしまう「時間泥棒」と提議し、極力この4つには触れない生活を薦めているのだが、これは分かっていてもなかなか改善が難しい、という人も多いのではないだろうか。
僕はといえば、テレビはほとんど見なくなったしタバコも7年前から吸っておらず、ゲームもほとんどやったことがない。だが、僕の大敵といえばお酒である。お酒を完全に止めるというのは現段階では難しいし、止めたくもないのだが、やたら長時間に渡るダラダラ飲みが「空費である」と言われれば、まさにその通り。実に耳が痛く、今後そのような長時間飲みは、なるべく控えるかなあ、と誓うのであった(^_^;)。
空費、浪費の時間を減らして投資に回し、投資で得た知識やスキルを使って消費の時間の効率化をはかり、消費の時間が必要以上に長時間に渡ることを避け、浮いた時間をさらに投資に回す。これが理想的な時間投資法だという著者の論理には100%納得である。こんなに読んで気分がスッキリした勝間本は初めてである(失礼)。
最後に、冒頭にちょっと書いたが、本書では、勝間氏の個性が垣間見え、親近感が湧いたという点も、新たな発見だった。本書内で彼女は苦手なこととして、人当たりよく挨拶したり、自分から人脈を広げたり、飲み会の幹事をするなどの人間関係にかんすることを挙げている。
なるほど、と思った。彼女が広瀬香美氏や黒木瞳氏との交友関係をやたら強調している(ように僕には感じられる)のは、もともとそのような活動が苦手であったが、人脈を広げる活動をした結果、このように素晴らしい人と巡り会えた、という克服の喜びを表現したものだったのか。
テレビや雑誌にやたらと出ているし、Twitterでもとても愛想良く丁寧な書き込みをしているので、とてもそんな風には見えなかったが、僕が今まで彼女の言動で感じていた違和感を、「人付き合いが苦手」というフィルターを通して整理すると、かなりの部分で説明がつき、納得ができる。なるほどねぇ。
他の本同様、参考資料の書名やURLなど,具体的な資料が盛り沢山で親切なのは相変わらずで素晴らしい。
色々な意味で成果が多い本だった。これは繰り返し読むことになりそうだ。
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