野口吉昭氏著、「考え・書き・話す「3つ」の魔法」を読了。
非常に実践的で簡単、しかも効果抜群の思考強化術だ。すぐに導入できて効果も直ちに実感でき、さらにこのところ勉強しているマンダラ思考術との関連性も深いことが分かった。
タイトルがちょっとトリッキーなのだが、本書のテーマは「考え・書き・話す」ことではなく、「3つ」である。誰かに何かを書いたり、話したりする際や、頭の中で考える際に、「3」をキーワードにすることで、シンプルで分かりやすく、しかもインパクトのあるアウトプットを得ることができる、というものだ。
たくさんの例が挙がっているのだが、特に導入が簡単で皆さんの役にも立つ事例として、自己紹介の作り方がある。
大人数の前で自己紹介をする際には、まず話す内容全体を3つに分割し、それぞれをさらに3分割する。つまり、全体を「仕事について」「家庭について」「趣味について」に分けることからスタートし、今度は「仕事について」を「努めている会社について」「仕事における自分の役割について」「今の仕事のやりがいについて」、「家庭について」を「住んでいる場所」「家族構成」「家やペット、車などについて」、「趣味について」を「スポーツ」「知的好奇心」「娯楽」などに分ける。
このように「3」を駆使して会話や思考を構築することで、物事はシンプルかつ深く思考されることが可能になり、相手にも伝わりやすくなる結果、コミュニケーション能力が向上する、という仕組みである。
そして、3 X 3の思考というのは、まさに9マスの世界、そう、マンダラ思考術に深く関連しているのだ。本書でも取り上げられているが、3 X 3 で思考するマンダラ思考術は、「3」の集合体であり、思考を発展・深化させるのにうってつけの手法ということになる。
この「3つ」の手法は自己紹介だけではなく、さまざまなビジネスシーンでも活用されている。例えば企業理念や社是などのメッセージから、企画資料やプレゼン資料、さらには上司への報告や議事録など、いくつでも活用方法は広がりそうだ。
文章をだらだらと書くのではなく、まずは全体の構成を「3つ」に区切り、ぞれぞれの項目をさらに「3つ」に分割することで、今まで見えなかった本来の目的が見えるようになり、それが相手にも伝わるようになる。これがコミュニケーションというものだと、改めて深く思い知った。
文章もすっきりまとまっていて、あっという間に読め、しかも実践しやすい。素晴らしい本である。
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