勝間和代氏著「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」を読了。
良い本だと思うが、鵜呑みは危険だろう。でもそれは、投資をするからには当然のことで、本書の信頼性が低いと言っているのではない。
稼いだお金を銀行に預けて普通預金や定期預金にしておくだけでは、積極的にリスク資産に投資した場合と比べ、得られるリターンが大幅に少なくなり、それ自体がリスクだとという考え方に基づき、どのようにリスク資産に投資し、管理すれば良いかについてガイドしてくれる投資入門書。
従来の勝間和代氏の著書とは大きく異なり、本書は自己啓発を目的としてものではなく、少子高齢化で年金も当てにならなくなった世代の日本人が、どのように資産活用すべきかに特化して説明している。
「定期預金は損だ」「リスク資産に投資せよ」「住宅ローンを組んでマンションなんか買うな」といったキーワード自体は、あちこちで目にすることも多くなってきているが、「どんなリスク資産に投資すれば良いのかを具体的に」「マンションを買わなかったら老後どうやって生活するのか」といった疑問に明快に答えてくれる本にはなかなか出会えない。
そういった疑問への回答を、本書は用意してくれている。
投資初心者の我々が、この本を読み終えた一年後には、金融の商品知識を一通り理解し、自分の意思で資産構成を決められ、リスクと運用状況の管理ができるようになる。それが前書きに書かれている本書の目的なのだが、特に第3章の「実践」の項目を詳細に読みつつ、ひとつひとつ商品知識を得ながら実際にリスクの低い商品から投資をすることで、本を読んだだけでは身に付かない投資に対する肌感覚を掴もうと導いている点などは、非常に分かりやすく、また実際の投資にも取り組みやすいだろう。
ただ、分かりやすく説明しようとした努力しようとした結果、説明に対するソースの提供が十分ではないケースも多々見られるため、勝間氏が説明している事項を全てそのまま鵜呑みにするのは危険であろう。
いずれにしても、非常に勉強になるし、実践的な投資ガイドである。座学だけではなく、実際に投資の世界に飛び込もう。もちろんat your own riskで(^-^)。
コメントする