今週のミュージック・レビューは、イギリスのロックバンド、レッド・ツェッペリンが1969年に発表したデビューアルバム、その名も"Led Zeppelin"を紹介したい。
前回のビートルズの時同様、どのアルバムを最初に紹介するか非常に悩んだのだが、まずは最も武骨でブルース色が強い本作を紹介することにした。
Led Zeppelinは1968年にイギリスで結成されたハードロックバンドで、メンバーはヴォーカルのロバート・プラント、ギターのジミー・ペイジ、ベースのジョン・ポール・ジョーンズ、ドラムスのジョン・ボーナムの4名である。
ジョン・ボーナムが1980年に急逝し、そのままバンドは解散してしまったが、2007年以降再結成され、ジョン・ボーナムの息子ジェイソンがドラマーとして参加している。
さて、この"Led Zeppelin"というアルバムは、あらゆる意味でハードロック、ヘビーメタルの元祖と言えるものだろう。長髪をなびかせて高音の金切り声で歌うという、現代のハードロック・ミュージシャンのスタイルは、このバンドによって確立されたものである。
ロバート・プラントが途中で喉を痛めてしまい、往年の高温域が出なくなってしまったこともあって、Zeppelinのアルバムは、彼の声がまだ十分出ていた初期4枚とそれ以降に大きく分類されると言って良いだろう。
初期4枚には彼らの代表曲"Stairway to Heaven"、"Whole Lotta Love"、"Immigrant Song"、"Rock 'n' Roll"などが収録されており、やはりバンドの全盛期はこの初期4枚なのだなと実感させられる(個人的には中・後期のものも好きだ)。
なかでもこのファースト・アルバムは、もっとも勢いがあり、武骨で、そして一番ブルース色が濃い仕上がりとなっている。
代表曲の"Communication Breakdown"はまさに現代のヘビーメタル音楽の原形となっており、速いテンポにノイジーなギター、そしてロバートの高音が畳み掛けられ、当時のリスナーには大変な衝撃だっただろうと想像される。
それ以外の曲には実にブルージーな曲が多く、"You Shook Me", "Dazed and Confused", "How Many More Times"などは、ロックとブルースが融合し、セクシーで退廃的な世界観を醸し出している。
まだツェッペリンを聞いたことがない方は、まずこのファースト・アルバムから試してみてはどうだろうか。
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