"Low" by David Bowie (1977) [musique nonstop]

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今週のミュージック・レビューはデヴィッド・ボウイの1977年のアルバム、"ロウ"を紹介しよう。

前々回のBeatles以来、悩みまくることが多いのだが、今回のDavid Bowieも好きなアルバムが多く、最初にどれを取り上げるか散々悩み、この"Low"に決めた。

本作は彼の10枚目のアルバムにあたり、ボウイの最高傑作との声も高い「ベルリン3部作」の第一作にあたる。

アメリカで大いなる成功を収めつつもドラッグ漬となった彼は、自らを見つめ直すことを目的にベルリンへと移住し、そこでこのアルバムが作られた。

アメリカ時代には白人が作り出すファンクに傾倒していた彼だが、本作"Low"から"Heroes"、そして"Lodger"へと続くベルリン3部作では大きく軌道修正し、テクノやジャズの影響が強くでており、共同プロデューサーにBrian Enoを迎え、実験的な取り組みを多く見せている。

A面とB面で大きく様相が異なり、B面は全曲インストであり、アート色が強い楽曲が続く。一方A面は"Speed of Life"、"What in the World", "Be My Wife"など、退廃的だがエロティックな、まさにヨーロピアンなサウンドを作り出している。

個人的に特に好きなのは"What in the World", "Speed of Life", "Be My Wife"、それに"Sound and Vision"あたりだろうか。特に"What in the World"は、ヴォーカルにIggy Popがゲスト参加しており、この二人の共演の第一歩を記しているわけだが、スピード感溢れつつもどこか退廃的で狂っているという世界観がとても美しく、David Bowieの全作品の中でも5本の指に入る名曲だろう。

僕が初めてDavid Bowieを聴いたのは"Let's Dance"の頃で、そのカッコ良さに驚いたものだが、まさか同じ人がその10年前には顔を白塗りして眉毛を剃り落としたり、紙をオレンジに染めて火星人だと言ったりしていたとは,夢にも思わなかった(^_^;)。

彼のアルバムは一枚いちまい個性が際立っていて、どれを聴いてもカッコ良いが、もしまだ彼のアルバムを聴いたことがないなら、是非この"Low"から試してみてはどうだろうか。

 

ロウ

 

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