勝間和代氏著、「やればできる — まわりの人と夢をかなえあう4つの力」を読了。
すごく良かった。とても良かった。今まで5〜6冊勝間氏の著書を読んだが、ダントツに良かった。著者の気合いが全編通じてほとばしっていて、読んでいるこちらの心にずんずん響くのだ。
そしてエピローグを読んでいて思わずホロリと涙が出てしまった。自己啓発本を読んで涙が出たのは生まれて初めてだが、それぐらいこの本は良い。
どんな自己啓発本でもそうだと思うが、心を開き、「良い部分はすべて吸収してやる」という思いで読まないと本の良さは分からない。この本はまさにその典型で、良い点をすべて肯定して自分の身にしようと思って読むと、これが本当に素晴らしい。嬉しくなってしまうほどの出来だ。
なにがそんなに良いかというと、3点。一つは「みんなで成功する」というコンセプトがとても分かりやすく、しかもこれからの時代に必要とされる形だと思われる点。
二つ目は成功に向かうための道筋が「しなやか力」「したたか力」「へんか力」そして「とんがり力」と4つのフェーズに分けて書かれているのだが、これが自身の実体験に基づき非常にリアリティがあり、「普通の人」が「とんがった人」へと変化していく過程を詳細に捉えている点。
そして三つ目は勝間氏自身がとても心を開いて、読者へと歩み寄って書かれていることが伝わる点。これは香山リカ氏の「しがみつかない生き方」への反論書であると本人が定義していることもあってか、「勝間和代だからできた」ではなく、「勝間和代でもできたのだから、皆もやればできる」という視点で全編が統一されていて、とても共感できる。
そして同時に本書は「やればできる」と訴えると同時に、「やらなければ100%できない」とも主張している。また、やったからといって誰もがテレビに出たり著書を出版できるわけではないとも断言している。だが、正しい方向に正しい手段で努力し続けることで、身近なコミュニティ、たとえば家庭、たとえば職場の自分のグループなどの中で自分を「とんがった存在」に育てることはもちろん可能だし、その小さなコミュニティの中でのとんがり力が、その外側にある大きなコミュニティに参加するための招待券となっていることも多々あると訴える著者の主張には思わず「そうだ」と応援したくなってくる。
本書の前書きと帯にあるが、いま日本全体の景気が悪く、特に若者は物心ついてからずっと日本は不景気で、将来や生き方に希望がなく、上昇思考も失われているという状態には、僕も強い危機感を感じるとともに、そんな生き方はとてももったいないとも思っている。
僕はまだ僕自身のことで精いっぱいだが、勝間氏はその危機を解決することを自らのミッションと位置づけて、全ての活動をそのミッションに連動させて活動しているのだ。これは人間の生き方として理想的であり、人として生きるからには僕自身も是非そのように生きたいと願うわけである。
勝間氏のことを悪く言う人がたくさんいることは知っているし、僕だって彼女のすべてを称賛しているわけでは決してない。だが、少なくとも彼女の本を読むことで得ることは山ほどあるし、自分自身をより強い人間に進化させるためのノウハウも詰まっている。事実僕は今このエントリーを「親指シフト」で書いているが、これも彼女の本を読んで勉強する決心をして毎日練習しているからできるようになったのであって、彼女を悪く言う人達の文章を読んでいても、あまり得られるものはないというのが印象である。
自分自身を高めたいという想いに年齢的限界はないと僕は信じている。もしあなたも心の中にそういう想いを抱えているなら、本書はあなたになにかヒントを与えてくれるかもしれない。やらなければ100%できない。でもやればできる。
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