今週のミュージック・レビューは、ディープパープルの6枚目のアルバム、「マシンヘッド」を紹介しよう。
Deep Purpleはイギリスで1968年に結成された5人組みのバンドだが、以前紹介したBeatlesやLed Zeppelinと異なり、メンバーチェンジを繰り返し、その度に音楽性も大きく変化したことで知られている。
この"Machine Head"はバンドにとって第2期といわれる時期に発表された4枚のアルバムのうちの3枚目で、発表は1972年である。この時期がDeep Purpleにとって最も輝かしい時期であり、また商業的にも最も成功していた時期といって良いだろう。
結成当初のDeep Purpleはオルガンを全面にフィーチャーしてクラシック的な音の作り込みをしており、後に多くのヘビーメタル・ギタリストのバイブルとなったリッチー・ブラックモアの激しいギターはほとんど聴くことができなかったが、ヴォーカルにイアン・ギランを、ベースにロジャー・グローバーが加入した第2期に入り、リッチー・ブラックモアがバンドの主導権を握り、歴史に名を残す名曲が次々と発表されるようになった。
そして満を持して発表されたのが本作"Machine Head"である。当初このアルバムはスイスのモントルーという街にあったカジノを借り切りライブに近い方法で録音される予定だったのだが、ここで伝説のハプニングが起こる。
Deep Purpleの録音に先立って、同じカジノではフランク・ザッパがライブを開催していた。ところが観客の一人が興奮のあまり天井に向け拳銃を発砲してそれがカジノに引火、大火事となって建物は全焼してしまう。
この火災のせいでレコーディングは頓挫して延期されるのだが、この火事の様子を歌ったのが名曲"Smoke on the Water"であり、後日再開されたレコーディングでこの曲もアルバムに収録された。ちなみにレコーディングは例のカジノが使用不能となったため、近所の空いているホテルの廊下で行われたという。
このMachine Headには、上述したSmoke on the WaterとHighway Starという,まさにDeep Purpleを代表する2曲が収録されており、まさに絶頂と言える名盤となっている。
バンドはその後メンバーチェンジを繰り返し1976年に解散するが1984年に再結成。その後もお家芸ともいえるメンバーチェンジを繰り返しつつ、2009年現在も現役バンドとして健在である。
クラシックとハードロックの融合という彼らの目指した世界が徐々に進化を遂げ、それが後の世代でヘビーメタルの原形としてお手本にされた。Led ZeppelinとDeep Purpleがいなければ、この世界にヘビメタは存在しなかったかもしれない。それぐらいのインパクトを与えた名盤である。
Deep Purple は Live in Japan(洋題 Made In Japan)が好きです、ベタですが。
自分は実は Rainbow 派だったりします。
もちろん、リッチー、ロニー、コージーの三頭政治時代。
まあ、独裁・首切り政党も結構好きです。
どもども〜。
僕もLive in Japan好きで、今回のエントリーもMachine Headと迷ったですよ。Rainbowも良いですね。僕はRainbowは後期が好きかもです。Death Alley Driverとか。