ブックレビュー2010年の19冊目として、佐々木俊尚氏著、「ネットがあれば履歴書はいらない − ウェブ時代のセルフブランディング術」を読了。
良い。非常に良い。頭の中にはすでにあったものがまだ形をなさずぶよぶよしていたのが、本書のおかげでスッキリ腑に落ちた。
ネットはバーチャルな匿名世界で現実世界とは繋がっていない。かつて日本ではそのような考えが一般人のネットにおける活動の主流だった。
だが、長引く不況と終身雇用制の崩壊により、社員という雇用形態は縮小の一途を辿り、企業は必要最小限の人員以外は雇用せず、外注を使って処理するようになってきている。
その結果、多くの学生や若者が卒業しても職に就くことができず、結果として世代間における貧富の差が大きな問題となりつつある。
そんな時代には、自分で自分を演出して専門的知識を磨く「職人」としての働き方が求められると著者は説く。そして自分自身をいかに取引先や就職先企業などにアピールするかを考えた時、本書が導く「セルフブランディング」が必要となる。
ネット上での個人の活動を「匿名でこっそりやるもの」から「実名または固定されたニックネームで継続的に行うもの」へと転換させ、ネット上での自らの発言を他者に対するアピールの手段として使おうというのが本書の主題である。
Twitterやブログで日々情報を発信している人の多くは、本書で取り扱っている題材については無意識または意識的にすでに実行している方が多いと思うが、まだ実践できていないという人は、是非本書を読み、まずは自分のブログを立ち上げ、TwitterのIDを取得して呟いてみて欲しい。
一つ重要な補足がある。Twitterやブログがあればなんでもかんでも自己プロデュースになるかといったら決してそうではない。それらの場で「いかに有益な情報のアウトプットができるか」がセルフブランディングの肝である。Twitterで毎日友達とお喋りばかりして、ブログに仕事の愚痴ばかりを垂れ流していては、セルフブランディングどころか逆効果である。日々自分を磨き知識を身に纏うことが大前提である。
人の名前を検索エンジンで検索してその人物のネット上の情報を探す「エゴサーチ」をされることを想定して、ブログ、Twitterをはじめ、オンライン名刺"Card.ly"、Tumblr、delicious、はてななどをどのように活用すべきかを、一つ一つ丁寧に導いてくれる。
僕自身は1995年以来一貫して実名での活動を続けてきたが、これからはまさに実名の時代に突入することになるのだろう。Twitterやfacebookなどの活用が進めば、活動拠点としてのウェブの必然性は増すばかりで、その活動を匿名で行うことに意味はなくなりつつあるのだろう。
10年後には、ネット上の活動は誰もが実名で行うことが当たり前になっているかもしれない。そんなことを予感させる良書であった。
良い。非常に良い。頭の中にはすでにあったものがまだ形をなさずぶよぶよしていたのが、本書のおかげでスッキリ腑に落ちた。
ネットはバーチャルな匿名世界で現実世界とは繋がっていない。かつて日本ではそのような考えが一般人のネットにおける活動の主流だった。
だが、長引く不況と終身雇用制の崩壊により、社員という雇用形態は縮小の一途を辿り、企業は必要最小限の人員以外は雇用せず、外注を使って処理するようになってきている。
その結果、多くの学生や若者が卒業しても職に就くことができず、結果として世代間における貧富の差が大きな問題となりつつある。
そんな時代には、自分で自分を演出して専門的知識を磨く「職人」としての働き方が求められると著者は説く。そして自分自身をいかに取引先や就職先企業などにアピールするかを考えた時、本書が導く「セルフブランディング」が必要となる。
ネット上での個人の活動を「匿名でこっそりやるもの」から「実名または固定されたニックネームで継続的に行うもの」へと転換させ、ネット上での自らの発言を他者に対するアピールの手段として使おうというのが本書の主題である。
Twitterやブログで日々情報を発信している人の多くは、本書で取り扱っている題材については無意識または意識的にすでに実行している方が多いと思うが、まだ実践できていないという人は、是非本書を読み、まずは自分のブログを立ち上げ、TwitterのIDを取得して呟いてみて欲しい。
一つ重要な補足がある。Twitterやブログがあればなんでもかんでも自己プロデュースになるかといったら決してそうではない。それらの場で「いかに有益な情報のアウトプットができるか」がセルフブランディングの肝である。Twitterで毎日友達とお喋りばかりして、ブログに仕事の愚痴ばかりを垂れ流していては、セルフブランディングどころか逆効果である。日々自分を磨き知識を身に纏うことが大前提である。
人の名前を検索エンジンで検索してその人物のネット上の情報を探す「エゴサーチ」をされることを想定して、ブログ、Twitterをはじめ、オンライン名刺"Card.ly"、Tumblr、delicious、はてななどをどのように活用すべきかを、一つ一つ丁寧に導いてくれる。
僕自身は1995年以来一貫して実名での活動を続けてきたが、これからはまさに実名の時代に突入することになるのだろう。Twitterやfacebookなどの活用が進めば、活動拠点としてのウェブの必然性は増すばかりで、その活動を匿名で行うことに意味はなくなりつつあるのだろう。
10年後には、ネット上の活動は誰もが実名で行うことが当たり前になっているかもしれない。そんなことを予感させる良書であった。
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ネットがあれば履歴書はいらない-ウェブ時代のセルフブランディング術 (宝島社新書)
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佐々木 俊尚
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