いつも幸せそうな人がいる。
いつもニコニコしている人。
言葉でも「楽しい」「幸せ」などポジティブな言葉がどんどん出てくる。
そんな人と一緒にいると、こちらまで楽しくて幸せな気持ちになってくる。
そんな人になれないだろうか?
最近ずっとそのことを考えている。
どうやったら幸せになれるのか。
いつになったら幸福を実感できるのか。
実は「幸せ」は大まじめな学問として研究されていた。
「ポジティブ心理学」という学問だ。米ハーバード大学で1番人気の講座で、主宰のショーン・エイカー氏はリーマンショック後の悲惨な状態のウォールストリートの金融企業から引張りだこだったという。
そんなショーン・エイカー氏が書いた本が素晴らしかった。「幸福優位7つの法則」という本だ。
幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論 | ||||
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この本の冒頭には衝撃的なことが書いてある。
「『努力すれば成功する。成功すれば幸せになれる』という図式は間違いだ」ということだ。
努力して結果を出した人は、往々にしてさらに高い目標を設定し、成功と幸せを先送りしてしまう。
「すなわち、幸せは「成功に先行する」のであり、単なる「成功の結果」ではない」のだ。
簡単に言おう。人間は成功すると幸せになるのではなく、幸せな人間が成功するのだ。
もしそれが本当なら、僕らは努力や成功とは関係なく幸せになれるはずだし、そこに法則性がなければ学問として成立しない。
もちろんショーン・エイカー氏は法則を作り学会に発表した。それが今から紹介する「幸福優位」7つの法則なのだ。
この本には7つの法則について専門的な内容も含めてビッシリ解説が書き込まれている。
だが仕事や家庭で多忙な人にとっては、この本はちょっと長くて専門的すぎるかもしれない。
なのでこのエントリーでは、それらの7つの法則を、ごく簡単にかみ砕いて説明したい。
僕もあなたも今すぐ幸せになれる。そのための7つの法則を簡単に紹介しよう。
もし興味を持って詳細を知りたくなったら、是非本書を手に取ってみて欲しい。
ではいってみよう。
今すぐ幸せになる方法教えます! 「幸福優位」7つの法則!
法則1. ハピネス・アドバンテージ
「ハピネス・アドバンテージ」は日本語に訳すと「幸福優位性」になる。
一言でいうと、幸福感を持っている人間と持っていない人間が競争すると、幸福感を持っている人間の方が優れた結果を出す、という研究結果だ。
長らく人間は「コツコツ努力して成功をおさめろ。結果はあとからついてくる」と習ってきた。
これはアメリカでも日本でも同じだ。
ところが、近年のポジティブ心理学の飛躍的発展に伴い、この「コツコツ努力→成功→幸福」という図式には、大脳生理学的にも何の根拠もなく、むしろ正反対であることが分かってきたというのだ。
エイカー氏が興味深い実験をいくつもしている。
4歳の子供を2つのグループに分けて、同じような知的な作業をさせる。「積み木を組み合わせて別の形を作る」というようなことだ。
その時、片方のグループには作業開始前に「何か嬉しかったことを思い出そう」と指示を出してから作業をスタートさせる。もう一方のグループには何も指示しない。
すると、明らかに「嬉しかったこと」を思い起してから作業をスタートしたグループの子供達のほうがスピードが速く積み木を組み合わせることができるのだ。
まだ4歳で、大きな幸福経験を積んでいないような小さな子供達でも、このように差異が出るのだ。
また別の研究では、経験豊かな医師を別のグループに分け、一つのグループには事前に「幸福度」を高める仕掛けをし、別のグループには何もせずに、医療における重要な判断のシミュレーションをしてもらった。
すると、幸福度を事前に高めた医師グループは、他のグループの何と2倍のスピードで意思決定をし、しかも判断ミスは半分以下だったという。
しかも、片方のグループに対して行なった「幸福度を上げる仕掛け」とは、作業前にキャンディーを一コ配ったというだけのことなのだ!
血糖値が実験結果に影響するといけないのでキャンディーは実験前には食べていない。ただあめ玉一コをもらうだけで、医師の意思決定効率は4倍にまで跳ね上がったというのは驚きだ。
この結果から、「自分が楽しい」「幸せだ」と思えるような瞬間を意識的に作る「マインドセット」を用意することが有効であることが分かる。
大げさなことでなくてもいいのだ。
「気に入った服を着る」「好きな人の写真をPCの横に貼る」「週末のデートのことを考える」
これらのちょっとした「良い気分」が、僕らの生活を大きく変える力を持つ。
そして僕らが常に「幸福だ」と感じられるようになる方法は、この後の法則2〜7に詰まっている。
法則2. 心のレバレッジ化
この法則は、一言でいうと「気のもちようを鍛えよう」ということになる。
1日が24時間なのは一定だが、そこで「何をしたか」という充足度がどれぐらい持てるかは、実は相対的なもの、人の頭の中にあるものだ。
チームは一つ実験を行なった。
アジア人女性を集めて2日に分けて同じ難易度の数学のテストを受験させた。
一回目のテストの前には「女性は男性に較べて数学が苦手である」という話しをし、そのことを考えてもらってから試験を開始した。
そして2回目のテストの前には「アジア人は他の人種よりも数学の能力が高い」という話しをして、そのことを考えてもらってから受験させた。
もうお分かりだろう。2回のテスト問題の難易度は同じだったにも関わらず、2日目のテストの点数は1回目より飛躍的に跳ね上がった。
ここから学べることは、僕らは何か難しい案件や困難な仕事に立ち向かう時には、意識して自分が優れていること、自分が自信を持っていることを考えるようにすれば良いのだ。
他にも「自分の能力はどんどん向上する」と考えている学生と「自分の能力は固定されている」と考えている学生をそれぞれグループにして、一定期間ごとに英語の能力を計測した香港大学の事例も興味深い。
もちろん「自分の能力はどんどん向上する」と考えている学生の成績はどんどん良くなり、「自分の能力は固定されている」と考えているグループの英語の成績はほとんど伸びなかったという。
「うまくできる」と思っている人はうまくできる。そして「ダメだろう」と思っている人はうまくできない。
であれば、自分の中にある「小さな自信」の「てこ」の場所を変えて支点をずらすことで、「心のレバレッジ」がかかり、徐々に大きな事柄にも自信を持って取り組めるようになるのだ。
【次のページ】「幸福優位」7つの法則!法則3〜4!
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。