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ネットを武器に「普通」からのし上がる人、匿名で誹謗中傷を書いて自分を傷つけ沈んでいく人

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インターネットが一般の人たちに普及して、そろそろ20年になる。

ネットが普及して、僕たちの生活は劇的に変わった。

ネットがなかったら、Amazonも楽天も成立しないし、僕のような「ブロガー」という職業はあり得なかった。

ネットで世界が連結されたことは、まさに「革命」だったのだ。

だが、上手く使うと爆発的な威力を持つインターネットが、さまざまな問題を巻き起こしてもいる。

そんな主旨でちょっとだけ書いてみる。

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ネットを武器に「普通」からのし上がる人、匿名で誹謗中傷を書いて自分を傷つけ沈んでいく人

著名人を直接「攻撃」する「一般」の人々

Facebook経由で、こんな記事を見かけた。
熊本地震の被災者の方たちに寄付をした芸能人の人たちがネットで攻撃されている、という内容だ。

インターネット前の時代には、芸能人に対して一般の人が直接コンタクトをすることは不可能だった。

手紙を書くくらいしかできることはなく、手紙はすべて事務所が事前にチェックするから、誹謗中傷、暴言の類いは取り除かれてしまっていた。

しかし、21世紀は、芸能人もファンサービスとして、ブログやTwitterを積極的に活用している。

そしてアメブロやツイッターでは、芸能人に対して誰でも直接コメントやメンション、メッセージを送ることができる。

しかも、どちらも一般の人は匿名でコメントを送ることができるため、自分の名前や立場を明かすことなく、芸能人や著名人にアクセスすることができるのだ。

このこと自体は実は非常に画期的なことだ。

僕は2011年にブロガーとして独立したわけだが、2009年〜2011年の独立前から、独立直後には、Twitterを使って、多くの文化人、著者の方たちとお知り合いになることができた。

どんなことをしたか。

自分が読んで勉強になったり刺激を受けたり、感激した本の著者さんに、お礼のコメントを送り、自分が書いた書評ブログのURLを送ったのだ。

多くの著者の方がとても喜んでくれ、リツイートしたり、ご自身のブログで紹介したりしてくれた。

そして僕自身が本を出版するようになると、そのときの皆さんが、とても親切に仲良くしてくださり、「著者仲間」になることができたのだ。

僕はもともと、ただのサラリーマンだったわけだが、ブログとSNSを武器に、著者の世界に「のし上がった」と、自分でも思っている。

そして、今も多くの人たちが、ネットを武器に、自分を磨き、自分のメッセージを広く伝えることで、普通の人から特別な人へと、のし上がろうとしている。

20世紀にはまったく開いていなかった、「一般の人から特別な人になる」という扉が今は完全に開け放たれ、僕たちが到着するのを待っているのだ。

 

しかし、多くの人は、残念ながら、ネットをそのように活用できていない。

冒頭で紹介した記事は今回の熊本地震に関するニュースだが、何か事件やスキャンダルが起きるたびに、多くの人が当事者となった芸能人や著名人に対して、まるで石を投げるかのように、暴言を吐き、攻撃を加える。

しかも自分は匿名という隠れ蓑を着て、見えない場所で安全にしておいて、相手に容赦なく石を投げるのだ。

いや、石ではないな、マシンガンだ。

ネット前の時代、僕ら一般の人たちは、武器を持たなかった。

僕たちが特別な人になるためには、マスメディアに取り上げられることしか、方法がなかった。

テレビやラジオの新人ノミネート番組、素人のど自慢、小説などの新人賞、絵や写真の展覧会など、マスメディアの大きな力に載せてもらって、始めて僕たちは特別な人になれたのだ。

でも僕たちが手にしたインターネットは、僕ら一般の人が誰でも特別な人になれる、魔法の武器なのだ。

ネット前の時代には石を投げたって、届く範囲は数十メートル、見える範囲だけだった。

まさに一般の人の情報発信は、ネット前はそんなもんだっただろう。

でも今、僕たちの発信したコメントやメッセージは、地球の裏側にも届くし、絶対直接会えない芸能人や文化人にも、ボタン一つで、スマホから通勤電車の中でも打てるのだ。

そんなすごい武器を、誹謗中傷、暴言、攻撃にしか使えないとは、なんとも残念な状態だ。

正しく使えば圧倒的な威力を持つ武器を、無駄に乱射させて、他人に迷惑を掛け、憂さ晴らしをしている。

そんな状況はちょっと哀しい。

他人に向けた暴言は自分の自己肯定感を激しく悪化させる

冒頭の記事では、それら一般の人の暴言は、「憂さ晴らし」と書かれている。

自分とはまったく関係ない芸能人や文化人を攻撃して、鬱屈した気持ちが晴れると思っていたら、大きな間違いだ。

カウンセラーになるための勉強の過程で、僕は心の仕組みについて、深く掘り下げて学んだ。

だから、暴言を吐く人のメンタリティーが僕には手に取るように分かる。

憂さ晴らしで暴言を吐いた人は、その言葉で相手以上に自分を傷つけている。

そして、そのことに気づいていない。

人間の意識には自分で分かる意識、「顕在意識」と、自分では分からない「潜在意識」がある。

見知らぬ相手を罵倒し、攻撃したことは,その潜在意識に大きなダメージを与える。

顕在意識では、「ケっ、ざまあ見ろ」「調子に乗ってんじゃねえよ」くらいに思っていても、その人の潜在意識は、そんな愚かで下品なことをした自分を責めている。

「とんでもないことをしてしまった」「バレたらどうしよう」「自分はそんなことしかできない愚かな人間だ」

このような自責の念と、そして罪のない人を意味なく攻撃したことに対する嫌悪感が、その人自身を攻撃していく。

「自分には価値がない」「自分はダメな人間だ」「しょせん俺はこの程度のことしかできない人間だ」

そのような想いに囚われ、さらにストレスを溜めるという悪循環に入っていくのだ。

まとめ 他人を攻撃することは自分を傷つけること

芸能人も文化人も、政治家も、生身の人間である。

それは一般人でも著名人でも、公人でも関係ない。

無名の一般人だからと、匿名の陰に隠れて他人を攻撃するのは止めた方がいい。

他人を傷つけた刃は、相手以上に自分を深く傷つけている。

自己肯定感を低下させ、自己効力感を喪失させ、行動力を失わせてしまうのだ。

ネットは正しく使うことで、人生を劇的に好転させる凄い力を持っている。

でも、凶器として使えば、相手も自分も激しいダメージを受ける。

芸能人を攻撃するのを憂さ晴らしにしているなんて、あまりにも哀し過ぎる人生ではないだろうか?

一番傷つくのは自分なのだから、一刻も早くそういう無意味なことは止めた方がいい。

僕は本気でそう思っている。

参考書

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