連載「好きなことをして生きる人になる」の第2回をお送りします。
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「好きなことをして生きる人になる」ためには、まず大前提として、「自分が好きなことが何なのかを分かっている」ことが必要です。
ところが、以前の僕を含め、ほとんどの人が、自分が好きなことが何なのか、分かっていません。
いえ、正確にいうと、「分からなくなってしまっている」のです。
自分が好きなことが何なのか分からなくなってしまうのには、幾つかの理由があるのですが、今回から何回かに分けて、代表的なものを説明していきたいと思います。
あなたの「世界」の外側にも はるかに広い「世界」があることに気づこう [連載 好きなことをして生きる人になる 第2回]
あなたが生きている世界だけがあなたの世界か?
この連載を読んでくれている方の多くは、会社なり役所なりの組織に属して働いている人ではないかと想像します。
僕自身も大学卒業後、17年間会社員として働いてきました。
多くの会社員の方は、毎日オフィスと自宅を通勤していると思います。
また、大多数の会社員の方は、特定の部署に所属して、その部署の人たちと毎日接して仕事をしているのではないかと思います。
上司、先輩、同僚、後輩など、職場関係の人間に囲まれて、平日の日中は暮らしているのではないでしょうか。
営業など取引先との接触がある人は、もう少し人間関係に多様性が出るかもしれませんが、それでも内勤の人と同じなのは、「仕事という、利害関係で繋がっている人と接する機会が圧倒的に多い」」ということです。
同じ会社の同じ部署の人、または隣の部署くらいの人と、毎日朝から晩まで一緒にいる。
そうすると、どうしても似たような話をして、似たような場所に食事に行き、似たような毎日を過ごすようになります。
家に帰ると、家族がいる人も多いでしょう。
妻や夫、子供、親と同居している人は、毎日家に帰れば、今度は家族としての役割が待っています。
家族とも基本的には毎日一緒に過ごすわけで、そこにも「似たような毎日」があなたを待っています。
いつもと同じ職場に行き、いつもと同じ家族と暮らす。
それ自体は決して悪いことではないのですが、問題もあります。
それは、価値観が固定化され、どんどん「自分の世界が狭く」なっていくことです。
ずっと同じ部署で仕事をしていると、上司がまるで神のような絶対的な存在に思えてきます。
特定の上司、特定の同僚のために仕事の仕方を特化させていくと、どんどん仕事の仕方から汎用性が失われ、「自社ルール」「部門ルール」みたいなものに縛られる働き方になっていきます。
そして、年齢も上がっていくと、「自分はもう他の会社に転職なんかできないんじゃないか」という気持ちになりはじめます。
すると、上司の存在がますます絶対的なものになり、意見が異なったり、おかしな指示を受けたときも、自分を強く主張できなくなったりする。
「上司に睨まれて評価を下げられたら、もう生きていけない」と萎縮してしまうわけです。
多くの組織に属して働く人は、そうやって、自分で自分の首を締めるように、どんどん自分の世界を組織や家庭に縛りつけ、世界を狭くしていってしまうのです。
自分の世界の外側に、はるかに広い世界があることに気づこう
自分の世界が小さく、狭くなると、人間誰しも息苦しいですし、つまらなく感じます。
しかし、その世界から出ることが、どんどん怖くなっていくのです。
なぜかというと、「コンフォートゾーン」(安全地帯という意味)という言葉もあるとおり、人間は「いつも通りが楽で安心」な生き物だからです。
生物としての危機を避けるためにも、人間は「同じ環境」に安住することを好みます。
だから、自分の世界が狭くなればなるほど、息苦しくてつまらないのだけれど、その分その「ぬるま湯」に漬っていることは、安心で安全でもあるのです。
そして、自分の世界に安住するようになると、人は、自分の世界の外側にある、ずっと広大で多様な世界のことを、認識しなくなるのです。
実際目には見えていても、「自分には関係ない」と思えば認識しなくなる。
自分とは異なる価値観、世界観を持って生きる人、世界がものすごく広くあることから目をそらし、見なくなってしまうのです。
自分の例ですが、僕は月〜金が勤務日のオフィスワーカーでした。
平日の日中は仕事をする、というのが、当たり前の世界でした。
その世界に17年間ずっといると、自分以外のライフスタイルを持っている人のことが想像できなくなっていきます。
僕の勤務先は東京の市ヶ谷にありました。
僕は営業職だったので外出が多かったのですが、平日の日中にランニングをしている人とすれ違うと、すごく不思議に感じました。
「なんであの人は平日の日中なのにランニングなんかしているんだろう?」と、不思議に思ったものです。
あと、東京の浜松町の駅近くに、「秋田屋」という、老舗の酒場があります。
このお店は平日午後3時からオープンするのですが、午後に近所の客先を訪問する際などに前をとおると、平日の昼からガンガン飲んでいる人がたくさんいるのです。
その時も、すごく違和感を感じました。
「なぜこの人たちは、平日の日中から酒なんか飲んでいるのだろう?」と。
当時の僕の価値観、世界観があまりにも狭くて、「平日の日中にランニングする」とか、「平日の日中に酒を飲む」人たちの存在を、まるでイメージできなかったわけです。
でも、今の僕は、毎日平日の日中に六本木や鎌倉をランニングしていますし、平日の日中に友達と飲む機会も結構あります。
それは、ライフスタイルの違いであり、価値観、世界観の違いであるだけなのです。
金曜の夜に飲む人もいれば、月曜の昼に飲む人もいる。夜中にランニングする人もいれば、早朝に走る人もいる。
両方ありで、どっちが正しいもなく、価値観は人の数だけあり、実は、好きなこと、生き方、ライフスタイルも、ものすごく多様化しているのです。
でも、会社と家の往復と、狭い人間関係に閉ざされて生きると、自分と同じライフスタイル以外の存在を認めず、存在していること自体を無視してしまう。
僕は会社を辞めて独立をして最初に強く感じたことは、「何て世界は広く、多様なんだ」ということでした。
それまでの僕は、自分の勤務先の社長や上司、同僚、顧客だけを見て仕事をしてきました。
でも、独立してフリーになった僕は、まさに、小さな池を飛び出して、一人で大海原に向かって漕ぎ出したような気分でした。
そしてそれは「気分だった」だけでなく、実際に僕は、全世界を相手に仕事をし始めたわけで、実際世界が劇的に広がった瞬間だったわけです。
「好きなことをして生きる人になる」最初の一歩は「自分の世界の外側の人と繋がる」こと
いま会社に属している人が、いきなり会社を辞めて独立することはできません。
今後この連載で、独立までに必要なステップを一つずつ書いていこうと思いますが、一定の準備が必要です。
それに、多くの会社員の人は、「独立なんてできるわけがない」と思ってしまっているのではないでしょうか?
「自分は組織で働く方が向いている」という人に無理に独立を奨めるつもりはまったくありません。
でも、もし「本当は独立したいけど、手に職がない」とか「何をして食っていけるかさっぱり分からない」という人は、今からスタートすれば良いのです。
「好きなことをして生きる人になる」、つまり「好きなことで稼げる人になる」の最初の一歩は、「自分の世界を広げる」ことです。
それはすなわち、「自分の世界の外側の人と繋がる」ことです。
会社の人間関係、家庭の人間関係とは関係のない、利害関係がない、価値観やライフスタイルが違う人、住んでいる場所が違う人と繋がっていくことです。
自分が好きなことが何なのかを知るためには、まず第一に、「世の中にはこんなことも仕事になるんだ」「こんなライフスタイルもあるんだ」「こんなことでお金を稼げるんだ」という、多様性を知ることが大切です。
多様性を知ることで、「自分が今生きている世界がなんて狭くて偏った、ちっぽけな場所なんだろう」と気づくことができるようになります。
自分の枠を広げることができると、自分の可能性が広がり、「なりたい自分」「やりたいこと」の可能性の幅も、大きく広がるのです。
僕自身、2008年にブログを始めるまでは、会社の人間関係以外はほとんど交友関係はなく、非常に狭い価値観の中で苦しんで生きていました。
それが、ブログを始めたことで、まったく利害関係がない、住む場所も年齢もライフスタイルも全然違う人たちとどんどん繋がるようになりました。
そして、その繋がった人たちの中に、「プロブロガー」や「作家」「会社経営者」といった、従来の僕の人間関係にはまったくなかった仕事、ライフスタイルを貫いている人たちがいたのです。
彼らの自由で豊かなライフスタイルを目の当たりにしたからこそ、「僕もプロブロガーになりたい!」「本を出版して作家として生きたい」という、具体的なビジョンが湧いてきました。
人間関係の広げ方については今後この連載でも書いていきますが、今すぐ提示できるものとして、僕の「立花岳志ツナゲルサロン」を活用しても良いと思います。
立花岳志ツナゲルサロンは、まだできて2週間の無料オンラインサロンです。
開設2週間ですが、すでに450人以上の方にご参加いただき、日々交流をしています。
サロンメンバーには書籍を何冊も出版している作家の方や、僕のようなデュアルライフ、マルチハビテーションを実践している方、サラリーマンから独立して自分の好きなことを仕事にしている人もたくさんいます。
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僕のサロンに限らず、利害関係のない人との繋がりを持つことで、自分の外の世界観、価値観を生に感じること。
その中に、今まで自分が想像したこともないような、素敵なライフスタイル、楽しそうな仕事、どうしてもやってみたいような活動をしている人が見つかるはずです。
自分の世界の小ささに気づくことが、大きな船出の第一歩。
僕はそう思っています。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。