初歩のピアノ教則本です。
とにかく最初から「手首の使い方・重力のかけ方・抜き方」に徹底して焦点しています。書いてある譜面はそれこそ「ド、ド、ド・・・・」とか「ド・レ・ミ・・・」とかシンプル極まりなく、いかにも初心者の入門用ですが、実はこれが、通常何年弾き続けてもわかるか・わからないかぐらいの「ピアノの極意」を最初からあっさり身につけてしまえるスゴイ本!だと思います。
「ピアノを弾く上で一番重要なポイントは手首の柔軟性」ということをズバリ説明しながら徹底して体得させてくれるプログラム構成。
最近の世間のピアノレッスン事情はあまり知らないのですが、少なくとも私は数十年来このようなことを教わったことは一度もありませんでした。
もちろん伝統的なピアノ教本にも「手首の柔軟性」などの言葉は書いてあったり、先生にも「もっと力を抜いて!」などと言われたりします。しかし、じゃあどうやったら手首が柔軟になるのか、力を抜いてって言われたってそれどうやんの!? ってとこはわからずじまい。
「まあやっていればそのうちに」みたいなところにとりあえず片付けて、次の曲へ次の曲へと進んでしまって、いつのまにか楽譜は中級者編・上級者編までいっていたりして。
でも結局それがわかって(できて)いないから、いつまでも手はガチガチ。だから指が動かない、音が揃わない、速く回らない、何度練習しても弾けない、そこを頑張って弾くから手が痛い・・・結局思うように弾けないからつまらなくなってやめてしまう、とか。ひどいケースではあげくの果てに腱鞘炎、とか。
そんなところに陥ってしまった人が何人いるでしょうか・・・。少なくとも私はそれで数十年の歳月を過ごしてしまった一人です。
そんな私ですがピアノを教えるという立場にはなってしまい、生徒のためにと教本を探していたところ出会ったのがこの本で、生徒より先に自分がやってみたら目からウロコが落ちるようでしたよ。
今まで暗黙の内に語られなかった色々な種類の「手首の働き」が具体的に言葉で説明され、それを身につけるための具体的な練習が書いてある。これを正しくやれば絶対に手首は柔軟になるようにできてます。
そうやって手首が使えてくると、音色が変わってくる、指が動くようになる、、強弱やフレージングの表現も自在になる、手が楽になって弾くのが楽しくなる・・・良いことづくめです。
つくづく、これを最初から教えてもらえれば、どんなに上手くなっていただろうか・・・と残念な思いも湧いてきますが、まあこれも巡り合わせ。
もちろん私の生徒さんにもこの本に取り組んでもらいました。
その結果、全くの初心者だったある青年は、最初から手首が柔軟に使えるようになっているものだから、半年後には初心者と思えないような美しい音色で情感たっぷりに「Yesterday Once More」(もちろん両手)を弾いていました。
また、昔ツェルニー100番まで習ったけど、手が動かなくて挫折したという主婦の方は、この本をゆっくり1年くらいやっているうちに、だんだん手が楽に動くようになって、以前挫折したツェルニー100番をもう一度楽しく勉強されています。
そんな効能あらたかなこの教則本。初心者の方にも、今一度取り組み直したい中級者にもにもお勧めです。
ただ、説明が書いてあるとは言え、やはり体を使うことですから、独学だと意味がわからなかったり、自分が正しい形になっているかどうかわからず、どうしても自己流になってしまったりする危険もあります。少しでも実際に先生に見てもらう機会を持てるようなら、なによりです。
リハビリにちょうど良いかもw
探してみます。。。
この本欲しいなぁ。
まるpf様
どうぞ、さらに上手くなって下さい w
たけなかしゅんじ様
ぜひやってみてください。
オヤジになってから始めても、ピアノって弾けるんだろうか?
実家にあるピアノ、調律師が来る日だけピアノになるんです。
もう買ってから、35年も経っちゃったからボロですが、
弾き語りの伴奏くらいでも、出来たら楽しいでしょうね。
ゆうちゃん様
弾いてもらえないピアノはちょっとかわいそうですねえ。。。
何歳からでも遅くありません! やってみては?