2010年9月に第1回を開催した、Dpubという交流イベントがあります。
2010年から2018年まで13回開催したDpubですが、前回のDpub13を最終回として、今後は開催しないことにしました。
特に開催予定もない中で、このタイミングで終了を決めてわざわざお知らせすることにした理由を説明したいと思います。
Dpubは僕の人生を変えたイベントで思い入れがとても強い
第1回のDpubを開催したのは2010年9月でした。
このとき僕はまだ会社員でした。
ブログは書いていましたが、一会社員の自分が六本木の豚組しゃぶ庵の大広間を貸し切るようなイベントを企画、プロデュースして開催する。
そんなことができるのか?という不安の中での第1回開催でした。
第1回の様子はこちら。
実は第1回のDpubは満席にならなかったんです。
でも第2回、第3回と繰り返し開催していくと知名度が上がりどんどん参加者が増えていきました。
Dpub 2で参加者が100名を越え、Dpub 3で140名を越えました。
そしてDpub 4は初の大阪開催となり、こちらも125名の方が押し寄せてくれました。
Dpub 5からは東京開催は180名と、豚組しゃぶ庵を個室スペースも含めて全館貸切にしての開催となりました。
その後福岡、札幌、神戸でも開催してきました。
僕にとってDpubはある意味人生を変えたイベントだったのです。
僕の中の立ち位置の変化から開催頻度が激減
Dpub 10が札幌で開催されたのが2014年6月。
そしてDpub 11 in 東京が2015年6月開催で、Dpub 12 in 神戸の開催が2015年11月でした。
2010年に一サラリーマンのイベントとしてスタートしたDpubですが、開催している間に僕の環境が大きく変わりました。
2011年にプロブロガーとして独立して2012年に4冊の本を出版しセミナーもスタート。
すると、Dpubの参加者の方に、僕の本を読んでくれた「ファン」の方と、それまでの「友達・仲間」の人が入り混じるようになりました。
もともとDpubはTwitterとiPhone好きのためのイベントで、途中からはSNS好きとAppleファンのためのイベントと改めました。
いずれにしても、当初は僕は「主催者ではあるけど黒子的存在」で、参加してくれるブロガー、開発者、出版関係者、そしてユーザーの皆さんが主役という立ち位置だったのです。
でも、僕の本でDpubの存在を知った人たちは、僕に会いに来てくれます。
旧来の参加者の人たちとの間に大きな温度差が生じ始めました。
その辺りからもともとDpubが持っていた「訳の分からない強烈なエネルギー」が僕の中で落ち始め、開催頻度が一気に落ちていきました。
ファンの方が僕に会いに来て楽しんでくれることはありがたいのですが、当初のイベントのコンセプトからは外れ始め、「たっちーとその仲間たち的イベント」へと変質していったのです。
イベントが変質するに伴い、従来のコアなDpubファンの方たちの参加は減っていき、僕は何ともやり場のない切なさを感じつつ、Dpub 12神戸開催の際に「あと2回でDpubは終了」というアナウンスをしました。
これが2015年10月のことです。
でも、2015年11月にDpub 12を神戸で開催したあと、最終回となるDpub 13はずっと開催しないまま3年がたっていきました。
Dpub 13を2018年に「無理やり」開催して思ったこと
一昨年2018年の12月8日は、僕のブロク10周年の記念日でした。
この時点では公開していなかったのですが、実は僕はこの直後に離婚することになります。
かなり心身とも消耗していて、例年開催してきた会社のイベントとしての忘年会を開催するエネルギーがなかった。
ブログ10周年のイベントもやる気力がありませんでした。
何か明るい話題が欲しくて、そのときブログ10周年イベントをDpubと合体させようということで、3年ぶりにDpub 13を開催しました。
もちろん往時の勢いはありませんが、60名くらいの方にご参加いただき、永久幹事の方たちも参加してくれすごく楽しい時間になりました。
ただ、終わってみるとやはり、「これはもうDpubじゃないなぁ」という気持ちが僕の中に強く残りました。
表面的にはDpubという名前を使っているけれど、iPhoneアプリの開発者が参加者にいるわけでもないし、iPhoneについて熱く語る場面があるわけでもない。
実質的には「ツナゲル大忘年会」、または「たっちー大忘年会」なわけで、ここにDpubという名前を冠することにはやはり違和感が残りました。
愛着があるだけに終了宣言できず一年がたったが、新しいことを始めるために終わらせることにした
2018年12月にDpub 13を開催し、去年2019年が年末に近づくと、何人かの方に「今年もDpubをやるのですか?」と質問してもらいました。
去年は僕は「再独立」があったので、大きなイベントを開催するつもりもなかったし、開催しませんでした。
でも、僕の中でDpubというイベントは、あまりに愛着が強いため、「終了宣言」が出せない状態だったのです。
そして、終了を保留している限り、いつでもまたすぐにやりたくなったら開催できる、という甘えた気持ちも芽生えやすくなっていました。
実質的には活動していないロックバンドが、「活動休止中」と言っている限り、すぐに活動を再開できると思ってしまうみたいなものですね。
そのまま2020年を迎え2月中旬になったわけですが、ここ数日僕は「新しいこと」を始めたくて、いろいろ企画を練り始めました。
そのとき、その「新しいこと」と「Dpub」を絡めたくなっている自分を発見したのです。
Dpubというイベントには愛着があるし、開催すると喜んでくれる人もいるからです。
でも、それって僕が10年前に最初にDpubを開催したときのコンセプトとは明らかに違うイベントになってしまうんですよね。
バンドの例だと、結成メンバーが全員脱退してメンバー全員が入れ替わり、バンドの音色も方向性も全然変わってしまった。でもバンドとしては存続している、みたいな。
それはそれで一つの方向性なのかもしれません。
でも僕は今回「新しいことと」を始めたいと思ったんです。
その新しいことに、すでに終わっている時代のイベントを合体させるのは、明らかに違うだろうと直観的に思いました。
僕が「終結宣言」をしないままこの「新しいこと」を始めると、きっと僕自身が「Dpubって名乗りたい」とまた思うだろうと思ったんです。
そして一部の愛着を持ってくれているファンの方たちも、Dpubとしての開催を喜んでくれるだろうと。
それは、本当の意味で「新しいこと」を始めることにならない。
僕はそう強く感じたのです。
だから、新しいことを本格的に始める前にDpubというイベントを「しっかり終わらせる」ことが大切だと感じ、宣言をすることにしたのです。
Dpubは2018年12月8日に開催したDpub 13で終了とします。
友達が180人できるイベント、Dpubよ永遠なれ!!
東京開催のDpubは180人のぎっしり満員でした。
「初心者に優しく」がコンセプトのイベントだったので、誰も知っている人がいない状態で参加しても、帰るときには名刺が箱一つ分交換されました。
童謡じゃないですが、「友達100人できるかな?」じゃなくて、「Dpubに行くと、友達180人できるよ」的イベントだったんです。
当日つながることもできたし、参加者限定グループでイベント前、イベント後につながることもできた。
だからこそ、あっという間にものすごい人数の友達ができました。
そして多くのブロガーがDpubの素晴らしさ、楽しさを報告する記事を書いてくれ、ブログをやっていない人もSNSで書いてくれたため、イベントは爆発的人気になりました。
Dpubで経験し学んだことは、僕が独立して自分の会社や講座をブランディングしていくときの、何よりの財産になりました。
180人が38分で満席になっちゃうイベントなんて、そうそうないですよ。
今回Dpubをちゃんと終わらせることで、僕は次のイベントをちゃんと始められると思っています。
次のイベントは、名前と実態がずれることがなく、そしてDpub以上に盛り上がるイベントに育てたいと思います。
2010年から支えてくれた幹事チームの皆さん、そして豚組しゃぶ庵はじめ、開催させてくれたお店関係者の皆さん、ロゴを無料で提供してくれたフォーユーインクの社長金田さん、会場で「うにく」を提供してくれた寿司さいしょさんほか、お世話になったすべての皆さま本当にありがとうございました。
僕の人生を、そして多くの人の人生を変えたイベント、Dpubよ永遠なれ!!今までありがとう!!
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。