ブログの記事には速報性が求められ集中的に読まれる「フロー型」の記事と、時期を問わず読まれ続ける「ストック型」の記事があります。
たとえば常に最新ガジェットのニュース速報を発信しているブログは「フロー型」の記事が中心になります。
いっぽう、料理レシピや旅行記などをメインで扱っているブログは「ストック型」の記事が多くなるでしょう。
フロー型とストック型、それぞれの記事に特徴があり、それぞれに強みと弱みがあります。
それぞれの強みと弱みを良く理解して、そのうえでバランス良くフロー型とストック型の記事を書き分けると良いでしょう。
それぞれを見ていきたいと思います。
フロー型記事の特徴
フロー型の記事というのは、ニュース性のある記事が中心になります。
速報系のブログ、5ちゃんねるやツイッターのトレンドをまとめたブログなどもありますね。
たとえばプロ野球やサッカーなどのスポーツの最新情報や、テレビのドラマやアニメなんかも扱っているブログを良く見かけます。
フロー型記事というのは、公開するスピードが大切です。
フロー型記事のメリット
国民の多くが感心を持っている内容ならば、爆発的なアクセスを得ることがあります。
日本中の人が知りたい情報をいち早く公開すれば、圧倒的多数からのアクセスが一気に集中するのです。
ITガジェット、Apple製品ブログのフロー型記事を書いているブロガーの多くは、アメリカで発信される英語の記事を読んで、それをベースに記事を構成している人が多いです。
翻訳してしまうと権利の問題が発生しますので、英語記事をベースに自分なりに記事を構成し直すわけです。
Apple製品はアメリカのAppleが開発・販売するものですから、当然情報はアメリカの方が数歩早い。
アメリカで発信された最新情報は当然英語で書かれているので、日本人は読めない人が多く、まだ知らないものであることが多い。
それをいち早く届けることで、日本の新しいもの好き、Apple製品好きのユーザーが一気に読みに来てくれる。
それによって大きなアクセスを得ることができるわけです。
ニュース型の記事というのは記事を書く難易度が比較的低めであることも特徴です。
Apple系ガジェットの例では、簡単なニュース記事レベルの英語が読めれば誰でも記事を書くことができます。
自分で取材する必要もなく、何かを経験する必要もないので、ある意味誰でも書けるわけです。
もっと難易度が低いのは、国内のトレンドニュースをまとめるブログです。
これだと英語すら必要ありませんから、Twitterや5ちゃんねるなどでトレンドになっている記事をまとめて公開するだけです。
まさに誰にでも書けます、というか、Twitterまとめなどは書くことすらほとんど必要なく、リンクを貼ってタイトルを付けてできあがりというお手軽さ。
この辺りがフロー型記事のメリットです。
少ない手間でたくさんのアクセスを得やすい分野である。
そしてニュースが途切れない限りネタ切れもしないというのもメリットですね。
フロー型記事のデメリット
ただ、当然メリットがあればデメリットもあります。
フロー型記事は、とにかく「最新」じゃないと読まれません。
テレビドラマにしてもアニメにしても、新しい情報に読者の感心は集中して、古い記事はなかなか読まれません。
したがって更新を止めてしまうと、あっという間にアクセスは減ってしまいます。
ブログの人気、アクセス数を維持してステップアップしていくためには、常に最新情報を出し続けなければならず、更新を止められないのです。
また、記事の作成がお手軽であるということは、同じことを考えて真似する人も多いということを意味します。
人気の分野になればなるほどライバルが林立して競争になります。
速報性が一番大切になりますから、出遅れたら読んでもらえません。
元ネタがライバル同士で同じなわけですから、独自カラーも出しにくい。
似通った内容になるので個性も出しにくくなります。
なので、ライバルが多くなっていくと、埋没してしまうリスクも出てきます。
もう一つ、大きなニュースがあると爆発的なアクセスになりますが、ニュースがない時期はアクセスが減ってしまうというのもデメリットでしょう。
Apple製品の場合、最大のニュースは新製品の発表、特に新型iPhoneの発表前後が盛り上がるわけです。
でも製品の発表は一年に1回か、多くても2回ですから、それ以外の時期はアクセスは低めになります。
フロー型の記事は読まれる期間が短いので、アクセスのアップダウンが大きくなりがちです。
ストック型記事の特徴
さて、いっぽうストック型の記事はどうでしょう。
ストック型の記事は、検索エンジンからずっと読み続けられる記事がほとんどです。
たとえば僕のブログランニングやダイエット、早起きなどの記事は公開して7~8年たっている記事もありますが、ずっと人気記事です。
書評にも息が長い記事が多く、5年たっても6年たってもずっと人気を維持している記事が多いのが特徴です。
飲食店レビューや旅行記なども一度人気記事になるとお店や観光スポットがあり続ける限りずっと読まれ続けるものが多い。
成功法則や心の仕組みなどについての記事も人気を保っていますね。
あと、季節性がある記事というのもあります。
たとえば伊豆半島の海に面した絶景の隠れ家旅館の記事は、毎年夏になるとぐんぐんアクセスが伸びてきます。
海沿いのリゾートなのでやはり夏に読まれるわけですね。
ボジョレーヌーボーについて書いた記事は、毎年11月になると繰り返し読まれています。
これも季節性ですね。
ストック型記事のメリット
ストック型の記事の最大のメリットは何といっても「ずっと読まれ続ける」ことです。
フロー型記事は公開した直後に一気にアクセスが集中しますが、その後はすぐ読まれなくなってしまいます。
いっぽうストック型の記事は、その記事の内容が古くなったり時代に合わなくならない限り、ずっと読み続けられるのです。
したがって、ストック型の記事をどんどん量産していくと、アクセスはどんどん増えていくことになります。
記事が古くならないようにメンテナンスをしっかりしていくと、長期に渡り人気ブログであり続けやすいのです。
また、ストック型の記事はアフィリエイト広告での収益化をしやすいという特徴もあります。
フロー型の記事は「売る商品」を持たない記事が多くなりがちです。
たとえばTwitterでトレンドになっているニュースの記事に、アフィリエイト広告を貼っても、なかなかクリックされないでしょう。
いっぽう書評記事であれば、記事を読んだ人がその本に興味を持ち、Amazonや楽天ブックスなどのアフィリエイトリンクから商品を購入してくれる可能性は高くなります。
ガジェット記事でもニュース記事ではなく実際自分が使ってみて感じたことを書くレビュー記事だとストック型になります。
その場合はレビューをした商品のアフィリエイトリンクを貼ることで、記事を読んだ人がアフィリエイトリンク経由で購入してくれ、収益になる可能性が高くなります。
ストック型の記事はメンテナンスをしっかりしていればずっと読まれ、収益も運んできてくれます。
ストック型記事のデメリット
いっぽうストック型の記事のデメリットは、そこそこ難易度が高いということです。
ガジェットのレビュー記事を書くためには、実際にそのガジェットを買って使ってみないことには書けません。
人気ブロガーになれば企業が献品してくれたりしますが、初心者の間は全部自腹になります。
そうそうしょっちゅう高額の電子機器を買うことはできませんので、記事の量産が難しいケースも出てくるでしょう。
ダイエットに関する人気記事を書きたいなら、まずは自分がダイエットに成功しないと説得力がありません。
身元を隠して自分の体験ではない記事を書くことはできなくはないけれど、説得力は出ませんよね。
料理レシピで人気ブログにするためには、料理が作れる、しかも読者が真似したくなるような、美味しくて簡単なレシピで作れないといけません。
しかも一種類や二種類ではダメで、記事を更新するたびに新しいレシピでメニューを作り続けないといけないわけですから、結構大変です。
書評はその中では比較的難易度が低いかもしれませんね。
本を読んでその感想を書くわけですから、それほど大変ではありません。
それでも本を読んで感想を書くわけですから、Twitterで流行っている投稿をちゃちゃっとまとめるのに比べたら、やはり難易度は高いですよね。
もう一つストック型の記事の弱点は、人気が出るまで時間がかかるケースが多いということです。
フロー型のニュース速報は、誰もが知りたい最新情報なので、目立ちやすいのです。
いっぽうストック型のブログというのは、普遍的テーマではあるのですが、「いつでもあるもの」だったりするので、目立ちにくい。
たとえばすごく美味しい肉ジャガを作れる人がいて、そのレシピを記事にしても、肉ジャガという料理はそこら中にあり、すでにレシピもたくさん公開されています。
なので目立たないのです。
なので、美しく美味しそうな写真が撮れるように工夫したり、タイトルをキャッチーにするなどの工夫が必要になります。
何より大切なのは、ブログ運営者自体が目立つことなんですが、それはまた別の機会にお話ししましょう。
というわけで、フロー型とストック型それぞれに強みと弱みがあります。
フロー型記事とストック型記事をバランス良く織り交ぜる
僕のオススメは、一つのブログの中にフロー的記事とストック的記事を良いバランスで織り交ぜることです。
たとえば料理レシピの場合、淡々と普段の料理を書いていると注目されにくいです。
なので、クリスマスやお正月、入学式やお花見など、イベントシーズンに、それに合わせた季節ネタを書くことで注目を集めるのです。
ガジェットについて書くなら、発売前のニュースなどのフロー記事を書きつつ、発売されたら自分で購入してレビュー記事を書く。
それによってフローとストックが網羅されることになります。
いくつかの専門分野を織り交ぜた「総合ブログ」にして、さらにフロー型記事とストック型記事を織り交ぜる。
それによってブログは目立ちつつ、中長期的にも読まれる記事を量産でき、長く人気を維持するブログへと成長するのです。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。