ブックレビュー2010年の49冊目はアル・ライズ/ジャック・トラウト両氏著、「勝ち馬に乗る!」を読了。
多くの自己啓発本や成功指南書が書いていないが、とても大事で決して忘れてはいけないことを、本書は徹底的に教えてくれる。
勝ち馬に乗る! by アル・ライズ & ジャック・トラウト 〜 忘れてはいけないもう一つの鉄則!! [書評]
決して忘れてはいけない大事なこと。
それは勝ち馬に乗ることだ。
成功を目指す人は誰しも自分が成功することを考えるのだが、この時に、もう一つ余分なことを考えてしまう。
それは、「自分だけの力で成功する」ということ。
才能があり努力家である人ほど、この点にこだわってしまう。
だが、自分だけの力で果たして成功できるのだろうか。
そしてそのこだわりには、果たして意味がなるのだろうか。
本書「勝ち馬に乗る!」では、自らが成功するためのキーポイントを自分の周囲にいる人や、自分が勤める会社やその商品、アイディアなど、自分自身の努力や力以外の部分で、活かせるものは徹底的に活かすことの重要性とその方法を教えてくれる。
例えば、自分の親や配偶者に成功している人がいるならば、その人の力を使って自分自身も成功した方が圧倒的に効率的である。
自分の父親が会社を経営していて、自分も起業したいと思うなら、父親の力を利用しない手はない。
夫や妻が活躍しているフィールドに自分も参画したいなら、パートナーに紹介してもらって仕事をスタートする方が、何もツテがない場所から始めるよりもずっと良い。
自分自身がいかに勤勉で優秀であっても、勝ち馬に乗ることに較べたら、その進みは遅々としたものなのである。
この本では、もうしつこいぐらいに、これでもか、というぐらいに、勝ち馬に乗ることが、いかに自分自身の成功を確実なものにするかを、膨大な具体例を出して説明してくれる。
いわゆる同族経営の企業がどれだけ多く、そしてその形がいかにシンプルで優れているかについての説明はまさにおっしゃる通りで、納得するしかない。
ただ、この「勝ち馬に乗る」という行為は、身近に勝ち馬をもともと持っている人々からすれば、ずっと昔から脈々と引き継がれてきた、当たり前の法則なのだろう。
彼らにはごく身近にチャンスがあり、勝ち馬が目の前を走っていて、あとは背中に乗りさえすれば良かった。
従ってそれらの人々は本書を読む必要はない。
むしろこの本を読むべきなのは、僕を含む多くの人のように、パッと考えただけでは、自分のすぐ近くに勝ち馬なんていない、と感じる人なのではないだろうか。
もちろん勝ち馬を見つけるだけで自分が努力しないというのではいけない。
だが、どんなに頑張っても成功できない人は、努力の向かうべき方向性が正しいかをチェックする必要がある。
勝ち馬は何も親や配偶者だけではない。
自分一人で頑張っている人は、自分にとっての勝ち馬が誰なのか、ぐるりと周囲を眺めて考えてみてはどうだろうか。
勝ち馬に乗る! の チェックはこちらから!
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。