習慣書評

自分をよろこばせる習慣

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田中克成さん著、「自分をよろこばせる習慣」という本を読んだのでご紹介。

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本書のプロフィール欄を読んで、著者の田中さんが本をリヤカーに積んで日本中を歩いて行商して周り、1万3,447冊を売り上げた人物と知った。

2014年当時「リヤカー出版社」はSNSでかなり話題になっていたが、この本がその田中さんのご著書とは気付かずに買っていた。

本書が扱っている「自分をよろこばぜる」も「習慣」も僕が学び続けている分野だ。

斬新な切り口と著者の型にはまらない人生から得た教訓がたくさん詰まった素敵な本だった。

さっそく紹介しよう。

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「喜ぶ」ではなく「悦ぶ」

本書のキーワードは「悦」である。

「悦」は訓読みすると「よろこぶ」となる。

おなじ「よろこぶ」は「喜ぶ」という字を用いることが一般的だが、本書では「喜」ではなく「悦」を用いる。

「悦る(えつる)」ことが「自分をよろこばせる」ことになるというのだ。

「喜」と「悦」の違いについて、著者の田中さんは以下のように説明している。

「「喜」は、 自分以外の外側から「よろこべる何か」がやってきたときに、湧いてくる感情のときに使う漢字です。」

「 もともと「悦」という漢字は、「祈りによって邪気が祓われ、スッキリしたときのよろこび」を表した漢字だそうです。「ご満悦」や「悦に入る」といった表現でも使われます。ひと言でいうと「自己満足」で湧いてくるよろこびの感情です。「喜び」とは違って、自分の内側から湧いてくるよろこびのときに使います。」

外的な要因によってよろこぶのではなく、自分の内側にあるよろこびを「悦」という漢字で表現している。

本書では自分の内側にある悦びをたくさん見つけていく習慣を紹介している。

全部で77の習慣が紹介されているが、その中で特に僕が共感したものをご紹介したい。

「アファメーション」で自分自身に悦る

僕は、毎月新月の日の朝に「アファメーション」のリストを書き換えている。

書き換えたリストは、毎朝音読する習慣だ。

晴れている日は我が家から徒歩1分の海岸に出てアファメーションを唱える。

そしてそのリストの末尾は必ず「自分自身に悦る」言葉をいくつか入れている。

「立花岳志、いい波乗ってんねー!サイコー!!」

「立花岳志、お前は何だってできる!世界一のいい男だよ!」

アファメーションのリストには20項目くらいがあるが、最後を自分に悦る言葉で〆ると、グッと盛り上がるのだ。

田中さんも「最初は少しバカらしく感じるかもしれませんが、慣れてくると「そんな自分もイケてる♪」と思えてきますよ」と書いている。

アファメーションを始める前は、僕も懐疑派でバカバカしいし恥ずかしいと思っていた。

ところが実際毎朝の習慣になると、朝からグッと気持ちが上がって一日を悦った状態でスタートでき、効果抜群なのだ。

アファメーションで自分に悦る習慣は、これからも大切にしていきたい。

「努力」は「好き」を超えられない

以前の僕は「努力」という言葉が好きだった。

ブロガーとして頭角を現し始めたころも、「自分は才能も地頭力もないから、努力だけは人に負けない」と意気込んでいた。

しかし、最近僕は「努力」という言葉があまり好きではない。

独立して12年、結局努力というのは「好きではないことを無理して続けている」ことという結論が見えてきているからだ。

人がもっとも成長するときは、「努力をしている」という状態から抜け出し、勢いに乗って「夢中」になっているときだ。

田中さんは以下ように書いている。

「小学生のように「楽しくてたまらないから夢中で走り続ける」という状態をいかにしてつくるか。それこそが、超一流になる方法なのです。」

僕もこの意見には完全に同意である。

だから、やっていてつまらないと感じたことはさっさと止めてしまうし、目標設定をしても気持ちが乗らないなら「乗らない気持ち」を優先するようになった。

最終的には、いかに自分を楽しませることができるか、悦に入っている状態を作れるかが大切なのだと思う。

しかしそのいっぽうで、怠いながらも続けていたらスイッチが入ることもあるのも事実。

なので、スイッチが入るかどうかを見定めながら「なんとなくダラダラ続ける」くらいはやってもいいのかな、というのが今の僕の感覚だ。

やらぬ善よりやる偽善!

日本人は同調圧力が強く、人の目を気にする傾向が強い。

親が子供を叱るときも、「みっともない」とか「人が見てるでしょ」と周囲を気にしろ、という言い方も多い。

「出る杭は打たれる」という言葉もあり、人と違うことをすることを忌み嫌う傾向が強い。

また、何かしら良い行動を起こす人がいると、「偽善だ」「売名行為だ」と揶揄する人が出てくる。

とくにSNS全盛の時代となって匿名で著名人に直接コメントできる時代になり、その傾向は加速してしまっている。

俳優の杉良太郎さんはボランティア活動をしていることで知られているという。

そんな杉さんに対しマスコミが「偽善だ」という報道をしたときに、杉さんは「やらぬ善よりやる偽善」と答えた。

自分の行動を起こすとき、周囲の目を行動の判断基準にしては悦れなくなってしまう。

自分が善だと思って行動を起こしたなら、周囲がどう見ようが堂々と悦っているべきなのだ。

ビビったらGO!

田中さんのお父様は少年時代プロ野球選手になる夢を持ち、高校野球、社会人野球で活躍していた。

3回プロのスカウトから声がかかったが、お父様は3回すべて断ってしまったという。

1回目は監督から「社会人で活躍してからにしろ」というアドバイスを受けて。

2回目は「もう1年だけ実力をつけてから行こう」と思い。

3回目は「もう1年だけ社会人野球で具体的な結果を残してからでも遅くはない」という理由で。

しかしお父様には4回目のスカウトは現れず、プロ野球選手になるという夢を実現させることができなかった。

田中さんの言葉を引用しよう。

「のちに、父は自分の選択を客観的に振り返り「プロに行って結果を残せなかったら……」そんな不安を克服することができずに断ってしまった、と深く後悔したそうです。」

その後悔から、田中さんはお父様から「ビビったらGOだぞ!後悔だけはするなよ!」と口酸っぱくいわれて育った。

僕自身も大学時代、英文科で本気で英語を学んでいたときに「交換留学」の絶好のチャンスがあったにも関わらず、ビビって辞退し後悔したことがあった。

それが教訓となり、40歳でブロガーとして独立するか悩んだとき、ビビりにビビっていたが、「このチャンスを逃したら一生独立・起業できない」と腹を括って「エイヤ!」と飛び出すことができた。

40歳という若くない年齢で「ブロガー」というまったく未知の世界に飛び出せたことは、僕の人生で最大の決断だったと誇らしく思っている。

本当に本当に、「ビビったらGO!」なのだ。

これは絶対に間違いない本質だ。

まとめ

僕自身最近強く思っていることがある。

それは、「一日自分がサイコーの気分で過ごすことができれば、それはどんな一日であってもサイコーな一日である」ということ。

辛い、苦しい、歯を食いしばって努力、みたいな感覚が僕には合わなくなってきている。

ぼんやり過ごそうがダラダラしていようが、無我夢中で働こうが、気分が最高なら最高なのだ。

まさに「いかに常に悦っているか」だけが大事という感覚だ。

どんなにお金を稼いでも幸福感を感じられない人もいる。

世間的には大活躍しているように見えても、内面心が乱れて苦しんでいる人もいるだろう。

自分自身を大切にすること。し続けること。

そして一日中ニコニコして悦っていること。悦り続けること。

それを積み上げていくことこそが、人生で一番大切なことなのだと感じている。

共感がたくさん詰まった素敵な一冊でした。

オススメです!!

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