昨夜お風呂に入っていたときに頭に思い浮かんだ言葉。「自由になったら好きなことをするのではなく、好きなことをするから自由になれるんだ」。
多くの人は、「自由になれたら一日中好きなことをして暮らしたい」と思っているだろう。
かつての僕もその一人だった。
ご存知の方も多いと思うが、僕は41歳まで17年間名もなきサラリーマンとして中小企業で中間管理職をしていた。
その間ずっと「いつか自由になれたら」「いつか独立できたら」とうわ言のように念じ続けていた。
しかし、その「いつか」は多分ずっとやってこない、ということに、僕はうすうす気付いていた。
なぜか。
自由になるためには、壁を突破しないといけないのに、壁を突破するための「武器」が僕にはなかったからだ。
「武器」とは一言でいえば、「食っていく方法」である。生活の糧を稼ぐ手段である。
営業としてサラリーマンの世界に入った僕には特殊技能もなく、他の人から抜きんでた能力もなかった。
会社を辞めて独立したくても、生活を維持できなければ「自由」どころではない。
会社を設立して社長になりたいならまだ何か面白いビジネスモデルを思い付けば何とかなるかもしれない。
しかし僕は「自由に生きたい」のだ。会社を作って社長になり、社員を雇って組織化したら、「社長という役割」に縛られてしまうことは、前職の社長の右腕をやっていた僕にはイヤというほど分かった。
僕は自由に生きることはできないのかも。
僕はそんな風に諦めかけていた。
しかし、親の借金のことや前妻とのことなどが行き詰まり、僕は「このままだと押し潰されたまま人生が終わってしまう」と危機感を抱いた。
自由への突破口はないのか?
人生を劇的に変える手段は残されていないのか?
ダメなのか?
そう悩み悶々とする日々を送っているときに、僕の頭から離れなかったのが、「ブログ」のことだった。
僕は子供のころから文章を書くことが好きだった。
でも、好きなだけであって、文章のプロではない。だから出版社や企業からお金をもらって文章を書く仕事は僕にはオファーが来ない。
でも、ブログになら文章を書くことができる。
下手でもなんでも、とにかく書くことができて、世界中に向かって公開することもできる。
世の中にはブログの広告収入だけで食っている人もいる。
ブログをきっかけに出版にこぎつけた人もいる。
僕にとっての突破口はここしかないかもしれない。
でも、ここは突破口になるかもしれない。
僕はコンピューター、特にMacをいじることが好きだった。
本を読むことも好きだった。
そして文章を書くことが好きだった。
だから、これらを組み合わせてブログを書いたら楽しいだろうとずっと前から思っていたのに、先送りして始められなかったのだ。
「やってみて失うものはない」と開き直り、ブログを始めてみた。
先送りばかりしていた僕が、やっと「行動」したのだ。
最初の頃のブログの文章は酷いものだった。
書くのも遅いしデザインも悪いし、アクセスだってほんのちょっとだった。
でも、ブログを書くことは、めちゃくちゃ楽しかった。
僕は生まれて初めて、「これをやってたら一日中でも続けられる」と思うほど楽しいものと出会ったのだ。
しかも手応えがある。
良い記事を書けば反応が返ってきて、そしてアクセスが増える。
Twitterのフォロワーが増え、広告を貼ったら1,000円くらいのお小遣いになった。
たかが1,000円だが、僕は飛び上がるくらい嬉しかった。
金額の大小ではない。
この1,000円は、会社とは関係なく、僕が文章を書いたことで、間接的にではあるが報酬として得たお金だ。
自分の腕でお金を稼いだ実感を得たのは、この1,000円が初めてだった。
好きなことだからどんどん改善していける。
好きなことだから寝ないでも続けられる。
好きなことだから、どんどん得意になっていく。
好きなことだから、どんどん上手になっていく。
気づけばブログのアクセスは月間1万PVを越え、10万PVを越え、20万PVを越えていた。
その頃の僕は、「もう会社なんか行ってないで一日中ブログだけ書いていたい」と思うようになっていた。
そして同時に、「ブログさえあれば、何とか食っていけるんじゃないか」という自信も持ち始めていた。
当時のブログからの収入は、まだ月間2〜3万円程度だった。
でも、手応えがあった。自分の腕で、会社の仕事がありながら3万円稼げるなら、フルタイムになれば10倍、20倍は絶対稼げるようになる。そんな手応えだ。
そして僕は2011年4月に独立をしてプロブロガーになった。
僕が「自由」を手に入れた瞬間だ。
僕を自由にしてくれたのは、このブログNo Second Lifeと、ブログを読み続けてくれた多くの方々だ。
2008年の僕が、もし何よりも好きな「文章を書く」ことを始めていなかったら、僕はここにいない。
今でもきっと前職のサラリーマンとして、「自分は自由には生きられない」と思いながら、「でも人生はそんなもんだろうな」と諦めて、自分を慰めて生きていただろう。
自由は手に入っていなかったけれど、とにかく好きなことをやった。
好きなことをやると、「パワー』が漲った。心にも身体にもパワーが宿るのだ。
サラリーマンをしているときには感じたことのなかったやり甲斐や充実感を得た。
自信にもなった。自分の文章を読んでもらえるという喜びを知った。
「これが生きることなのか」と、最初の1,000円を受け取ったときに飛び跳ねて喜んだ。
気づいたら、僕は自由を手に入れていた。
まるで、自由の方から僕に「おいでおいで」をしているみたいに、当たり前のように自由の方がやってきてくれた。
大変だったのは唯一、「幸せになる勇気」をもって、「自由を掴み取る」ための「リスクを取る」、つまり安定収入と会社の肩書きを捨てる、という決心だけだった。
後押ししてくれたのも、「会社を退職すれば、一日中好きなことができる」という事実だった。
好きなことをし続ければ人間全身が幸せになる。
だからこそ、勇気を持って、僕は前に進むことができた。
「自由になったら好きなことをしよう」と考えていても、その「自由」はきっといつまで経ってもこない。
今すぐ好きなこと、やりたいことを始めよう。
好きなことをやることで、人間にパワーが宿り、眠っていた才能が開花するのだ。
才能が開花すると、そこに道が開けて、前に進めてしまうのだ。
一度きりの人生を、自分らしく生きるために。
好きなことを始めよう。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。