百科事典。
甘美な響きだ。僕が子供の頃、我が家には百科事典なかったが、親戚の家にはあった。ずらりと並んだ重厚な皮の背表紙に金色の文字が浮き上がり、とてつもなく高尚な世界に僕を誘ってくれた。
あの頃、あのブリタニカの大百科事典は一式で幾らだったのだろうか。10万円?もっと?そして当時あの百科事典を購入した家庭のうち、今でも全巻揃えて持っている家はどれぐらいあるのだろうか。
そして僕は41歳になった。多くの家庭から百科事典は姿を消した。その代わりにやってきたのはインターネットのGoogle検索とWikipediaだ。
でも、百科事典自体の価値が失われたわけではない、と僕は思っていた。単に情報量と占有する場所と値段のバランスがとれなくなっただけのことだろう、と。
だとすれば、手のひらに入る大きさになって、全巻が3,000円くらいで買えるようになったなら、今でも百科事典には十分すぎるほどの価値があるのではないか、と。
百科事典を全巻手のひらに?3,000円で?バカ言うんじゃないよ。そんなのドラえもんの世界の話だろ?
昨日までの僕ならそう言ったかもしれない。
でも今日、僕は、ブリタニカ国際大百科事典全巻を2,800円で手に入れた。しかも手のひらの中に。そう、iPhoneの中に、だ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目版 2011 は、13万8,000項目もの圧倒的なエントリー数を持ち、しかも検索オプションも多彩でしかもインクリメンタル。さらに項目本文中から関連項目へのクロス・リファレンスも充実した、まさに現代の最強の百科事典だ!
しかも従来のDVDメディア版が13,440円なのに対して、iPad/iPhone版は5,600円と半額以下で、さらにさらに、今だけの発売記念特価で2,800円とは、もう有り得ないお得感!
迷わず購入したのは良いのだが、アプリのサイズも半端じゃない。何と718MB!でかい!
延々とかかってやっとインストール完了。ワクワクしながらまずはiPhoneで開いてみた。
うーん。もちろんちゃんと開くし表示もされるんだけど、ちょっと画面が小さくて物足りないかも〜。情報を最短経路で検索する時はiPhoneでもいいけど、パラパラ眺めるのにはちょっと画面がなあ…(^_^;)。
というわけでiPad版を起動してみた。ユニバーサルなので、一度購入すればiPhoneでもiPadでも起動できる!親切!!
良い良い。画像もキレイだしテキストも読みやすい。
試しにアゼルバイジャンで検索すると、上のような表示が。右側の本文の上に「マップ」という表示が出てきた。
「マップ」をタップすると上の画像のように左側に地図が表示される。この地図はタッチパネル上を指で触れることで自由に拡大・縮小・移動ができる。
本文中にある写真をタップすると写真だけの画面にジャンプする。
今度は僕が大好きなアイルランドの小説家、James Joyceを検索してみた。
そしてJoyceのエントリーから彼の小説「ユリシーズ」の項目へのリンクがあったのでジャンプ!
そこからさらに、彼の小説技法「意識の流れ」(Stream of Consciousness)へのリンクにジャンプ!
という感じ。まだついさっき購入したばかりなので、これから使い込んでみようと思う。現段階で感じるのは軽くて操作性も良いが不安定で落ちやすいかも。
今後もっと外部連携などが充実したり、UIがもうちょっと洗練されたりすると、さらにカッコ良く充実したものになるのではないだろうか。
現段階ではこれでバッチリ!だって百科事典が2,800円で僕の手のひらにやってきたんだぜ!こんな凄いことは3年前でも想像すらしなかった!
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。