ブックレビュー2011年の12冊目は、デビッド・アレン氏著、「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」を読了。
はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
デビッド・アレン 二見書房 2008-12-24
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「GTD」というのは”Getting Things Done”の略で、本書の著者デビッド・アレン氏が構築し提唱する情報整理術の名称である。
以前からGTDにはそこそこ興味はあったのだが、あちこちで「難しい」とか「融通が効かない」などのコメントも見られ、果たしてどんなものかとネット上で調べてはみたのだが、情報があまり多くない。
では書籍でもと思って調べてみても、本書以外にはほとんど解説本などもない状態で、どうやら僕が想像していたほどメジャーなものではなく、一部の熱狂的ファンがいる手法なのかな、という印象を持った。
実は僕は個人的にこのGTDの手法を用いてやりたいことがあるのだ。
それは、僕の人生の夢、6本の柱の夢をGTD手法とMac & iPhoneのアプリを使ってデジタルかつモバイルで管理したい、ということ。
12月の東京ライフハック研究会の講演の際にもお話ししたが、現状僕は自分の夢を紙のノートで管理している。ノートに書くこと自体に意味があるので、今後も紙のノートに夢を書くという作業は続けるつもりだが、夢を目標に転換し、ToDo化してタスクに落とし込む部分で、アプリの力を借りたいのだ。
Webの簡単な解説を見る限り、GTDを使うことで、目標を「プロジェクト」化して複数を同時に走らせ、構造的に管理することができるのではないかと思ったのだ。
では、GTDの本家デビッド・アレン氏の著書にあたり、本格的に勉強してみるか、ということで本書を手に取り読んでみた。
結果、GTDそのものについては大体イメージできるようになったが、いかんせん具体的なワークフローがイマイチ掴めない。ちょっとモヤモヤした感じが残ってしまった。
GTDはとにかく自分が気になっていること、しなければならないことを、具体的行動の形ですべて書き出し、それを整理して行くという手順を踏む。この辺りは先日紹介した午堂登紀雄氏が提唱している「ブレイン・ワークアウト」と基本的に同じ考え方なので、ストレスなく実行に移せそうなのだが、収拾した情報の管理・整理の部分の全体像がまだ自分で構築できていないような気がする。
本書はGTDという手法についての概念書であり入門書ではあるのだが、ノウハウ本にはなっておらず、したがって具体的な手順の解説や事例紹介などがほとんど含まれていないため、GTDがどのようなケースでどのように活用されるのかを俯瞰的に理解することが難しい部分がある。フローチャートは示されていて一つ一つの項目を順番に説明してくれてはいるのだが、僕の理解力不足のせいか、ちょっとモヤモヤした感じ。これが「GTDは分かりにくい」という意見の原因であろうか?
事例などがあまりないので、あとは実践して試行錯誤してみるしかないのだろう。あと本書の続編にあたる「実践編」が最近刊行されたようなので、こちらも是非読まねばならない。
ただ、理解が足りないなりにも、本書を読んだことでGTDで何とかなるのではないか、という手応えは十分掴んだ。自分の人生の長期的目標から中期、短期の目標へ落とし込み、週次ToDoへ流してレビューするという階層的プロジェクト管理に関する記述も簡単ながらあったので、そのような管理も著者が念頭に置いていたことが分かり心強い。
あとは、とにかく常にやるべきことをすべて頭の外に書いて管理するということを徹底する必要がある。まず初回は半日程度の時間を取って、網羅的に自分自身の「するべきこと」「気になっていること」を書き出しまくるところからスタートとなる。
やるべきことを決めて、とにかく始めてしまおう。そして走りながら直すべき点は修正していこう。そして本書の続編も読んで、さらに理解を深めていこう。
GTDが僕の切り札になるか?実践あるのみ!楽しみだ。
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。