心・心理・あり方書評

フロー体験入門 楽しみと創造の心理学 by ミハイ・チクセントミハイ 〜 圧倒的パフォーマスを叩き出す根源的な心の仕組み [書評]

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2018年第1弾の書評記事である。

今年はたくさん本を読み、書評もたくさん書きたい。

それなのに、一冊目に翻訳書、しかもチクセントミハイの「フロー体験入門」という、決して簡単ではない本を選んでしまい、ちょっと失敗した(笑)。

書評もまずは質より量より更新頻度で、とにかく書き、量産することを目指すので、簡単に書く。

この「フロー体験」は、僕自身が立花B塾やTLIで提唱している理論の根幹をなすものの一つだ。

21世紀においては、ますますこの考え方が重要になっていくだろう。

さっそく紹介しよう。

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フロー体験入門 楽しみと創造の心理学 by ミハイ・チクセントミハイ 〜 圧倒的パフォーマスを叩き出す根源的な心の仕組み [書評]

入門書だが簡単ではない。そしてフローの定義とは

本書「フロー体験入門 楽しみと創造の心理学」は、タイトルからすると、入門書のように受け取れる。

しかし、本書は日本のビジネス書のようなハイツー形式に落とし込んだ入門書ではないため、読み解くのに骨が折れる。

また、翻訳者が章ごとに異なるため、全体をとおしての文章のトーンが統一されておらず、あまり読みやすいとはいえない。

そもそも、入門書なのだが、「フローとは何か」という点が、ずるずると文章形式で長く書かれており、ずばり「これ」という定義がされていない点がもやもやする。

そこで、Wikipediaの「フロー(心理学)」の項目から、フロー体験とは何か、についての定義を引用させていただく。以下引用。

フロー (英: Flow) とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地、忘我状態とも呼ばれる。心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱され、その概念は、あらゆる分野に渡って広く論及されている。

 

フローというのは、そのとき人間がしている活動に完全に没入し、ときが過ぎるのも忘れている状態だ。

その状態においては、心身共にパフォーマンスに著しい活性化が見られ、しかも本人は高い集中力と快感を感じながら作業を行うことができるのが特徴だ。

どんなことでをするのでも、フロー状態に自分自身を置き続けることができれば、本人は非常に高い満足度を感じつつ、しかも、成果ともしても抜群のものを残すことができる。

さらに、中長期的に見れば、フロー状態で特定の物事に取り組み続けることで、その分野における成長のスピードが著しく速くなり、習得までの期間を大幅に短縮することができる。

フローが起こる条件とは

続いて、同じWikipediaのフローの項目から、フローの構成要素について、以下に引用させていただく。

チクセントミハイが見たところによれば、明確に列挙することができるフロー体験の構成要素が存在する。彼は8つ挙げている。

  1. 明確な目的(予想と法則が認識できる)
  2. 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)
  3. 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
  4. 時間感覚のゆがみ – 時間への我々の主体的な経験の変更
  5. 直接的で即座な反応(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)
  6. 能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
  7. 状況や活動を自分で制御している感覚。
  8. 活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。

フローを経験するためにこれら要素のすべてが必要というわけではない。

本書「フロー体験入門」では、このフローが起こる構成要素に関して、入門書として、さまざまな側面から考察を加えていっている。

たとえば、仕事のときとレジャーのときでのフローの起き方の違いや、同じレジャーでも能動的レジャーのときと、受動的レジャーのときでのフローの起き方の違いなど、ざまざまである。

ただ、大筋でいえることは、上に書いた8つの項目があると、フロー状態に入る確率が高くなってくる。

なので、たとえば僕が提唱している #100blogs チャレンジのような活動をすると、ブログを書くという行為が、単なる活動から、自らをフロー状態に置くためのチャレンジ活動へと変化する。

100記事を書くという明確な目的を持ち、自らの意志で選択と集中をする。

ブログを書く自分とい意識感覚が低下して、ブログと自分が一体化していき、指が踊るように書けるようになっていく。

時間感覚が歪み、すごく忙しい日でもあっという間に4記事書けたりする。

最初は目標を達成するために活動していたのが、そのうちブログを書くこと自体に快感が生まれ、活動が苦にならなくなる。

パフォーマンスが高まり集中力も高い状態がキープされるので、学習効果も最大化され、外的刺激に対する反応も強いため、どんどん上達していき、さらにパフォーマンスが高まっていく。

日常をフローで埋め尽くすときにクオンタムリープが起こる

上の例ではブログの100記事更新をあげたが、僕たちの日常のどんな活動にも、フローを活用すると良いと僕は思っている。

たとえば読書量を増やすでも、ランニングの距離を伸ばすでも、筋トレで筋肉をつけてマッチョになるでも、なんでもそうだ。

積極的活動を継続的に行う場合、目標を掲げてその目標に向かって意識的に活動を続け、一定水準まで活動量が高まると、フローが起きやすい状況が生まれる。

その状況までは、面倒だしつまらないし、続けるのが億劫でもある。

でも、そこで止めてしまわずに、活動を自らの手でフロー状態に突入されることができれば、そこから先は、自動運転で成功への道にまっすぐ進んでいくだけだ。

この仕組みを知っている人間は、どんなことを成し遂げるときも、難しく考えず、とにかくコツコツ継続して習慣化し、自らの意識を高め、自分をフロー状態に突入させることだけに専念する。

まるでロケットが大気圏を離脱するところまで持っていけば、あとは無重力状態で、ほとんど燃料はいらずに宇宙空間を飛び続けられるようなものだ。

フローに入るまでが大変なのだが、一度フローに入ってしまえば、そこから先の達成はたやすい。

そして、日常の活動をフローで埋め尽くしていくと、そこに量子的飛躍、クオンタムリープが待っている。

量子的飛躍を起こすためには、とにかく活動量を上げ、熱量を高めることが大切で、そのためにも、日常生活のあちこちにフロー状態を作っておくことが大切なのだ。

まとめ

自己実現、能力開発をしようと願うとき、フローの概念を知っているかいなかで、その成功の確率は大きく異なると僕は思っている。

多少難易度の高いことでも、自らが積極性を持ち、自発的に取り組み、ちょっと高めの目標を設定し、そこに向かっているという自己効力間を持つ。

この状態をキープして習慣化してしまえば、やがて自らがフローに突入する瞬間を味わうことができる。

もちろん継続的な作業でなくても、フローを体験することはできるのだが、フローの醍醐味は、自らの成長スピードにレバレッジが掛けられることである。

フロー体験を制御できる人が、自己実現の成功の鍵を握っている人なのだ。

フロー体験入門 楽しみと創造の心理学 のチェックはこちらからどうぞ!

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