2018年7冊目の書評は、やましたひでこさん著「人生を変える 断捨離」をご紹介。
「断捨離」という言葉は、僕の中に、もうずっと前からあり続けるように錯覚している。
まるで自分がつくり出した言葉のように。
でも、実際には2011年に初めてやましたひでこさんのご著書を読んで、そのときにはじめて「断捨離」という言葉を知った。
だからまだ、断捨離を知って7年弱ということになる。
当時書いた書評記事はこちら。
この記事のなかで、僕は「ものを捨てるのが苦手」と告白している。
でも、いまの僕はものを捨てるのが得意だ。
なぜか。
それは、やましたひでこさんの「断捨離」の考え方に猛烈に共感し、この本を読んで以降、ものを捨ててスッキリさせることに快感を憶えるようになったからだ。
やましたひでこさんのご本は、当時は図書館で借りて読んだので、家に本がなく、しばらく手に取ることがなかった。
そんなおり、ダイヤモンド社からやましたひでこさんの、まさに断捨離集大成というような新刊が出たと知り、速攻で購入して一気に読んだ。
今まで読んだ本も良かったが、この本は、もはや悟りの境地、解脱の世界という領域まで突き抜けていて、素晴らしい一冊だった。
さっそく紹介しよう。
人生を変える断捨離 by やましたひでこ 〜 哲学書のように鋭く 仏典のように深い まさに「断捨離」集大成!! [書評]
断捨離とは、ただ捨てること
本書はやましたひでこさんの断捨離の集大成のような本だ。
でも、この一冊で断捨離を知らなかった人もが断捨離を理解できるよう、前半は断捨離の定義や進め方などの基本的な部分も押さえられている。
そのなかで僕にすごく刺さったフレーズが、見出しに書いた「断捨離とは、ただ捨てること」。
本書の冒頭にやましたさんは、「断捨離とは、ただ捨てるにあらず」と書いているのだが、P56では意図的に逆の言い方をしている。
断捨離は、とても奥が深く、ゴミや不要なものを捨てて家をキレイにしよう、という活動には留まらない。
そういう意味で、「ただ捨てるにあらず」なのだ。
でもそのいっぽうで、断捨離を進めていくためには、とにかく家の中から不要なものをどんどん「出し続ける」ことが大前提。
そういう意味では、「断捨離とは、ただ捨てること」なのだ。
僕自身が2011年当時には、捨てることが苦手でモノを溜め込みがちだった状態から、断捨離の思想に強く惹かれて、大量のモノを捨てることができた。
何百枚も持っていたCDとレコードのコレクションは一枚残らず処分したし、古い本や、バブル期のレストランやバーのマッチのコレクションも捨てた。
祖母がプレゼントしてくれたぬいぐるみも捨てられたし、着なくなった古い洋服も全部処分した。
断捨離をして、生活空間にスペースを作ることは、大げさではなく人生を変える。
それは、人間が本来持っているエネルギーを、大量のモノに吸い取られてしまっていた状態から、本来あるべき状態に戻るからなのだと僕は思っている。
断捨離とは、ただ捨てること。
名言だ。
断捨離が人生を変える
本書のなかでは、コラムとして、実際に断捨離を経験した人たちの体験談がたくさん挿入されている。
それら人たちに共通しているのは、断捨離によって、人生が大きく好転していることだ。
溜め込んでいる不用品の多くは、「執着」の投影として手許に残っていることが多い。
過去への執着、去った人への執着、失われた時代に対する執着など。
僕のバブル期のマッチコレクションも、CDコレクションも、完全に「失われた若さと輝ける時代に対する執着」だった。
それらのモノに囲まれていると、かつてのキラキラした時代の自分を思い出せ、その時代に戻れるような妄想に浸っていることができるのだ。
しかし、断捨離によって、古い時代への執着の産物を手放すと何が起こるか。
過去への妄想トリップを止め、「今を生きる」ようになれるのだ。
過去の栄光にどんなに浸っても、人は今を幸せに生きることはできない。
しかし、断捨離で、モノと一緒に過去への執着を手放すことで、家の中と一緒に自分の心にもクリーンなスペースができる。
その空になったスペースに、僕たちは初めて「今ここ」の体験や想いを、新鮮な空気のように、取り込むことができるようになる。
過去への囚われを手放すことで、僕たちは、全身を使って前に進むことができるようになるのだ。
断捨離は「転居しない引っ越し」
この本のなかで、やましたさんは断捨離を「転居しない引っ越し」と表現している。
これは本当にそのとおりで、引っ越しをすると、止むを得ず多くの不用品を処分することになるが、断捨離は転居せずに引っ越しをするかのように、家の中が新鮮な状態になる。
断捨離は新陳代謝、ということもやましたさんは書かれていて、これも非常に納得である。
僕自身、人生で8回転居をしていて、デュアルライフの鎌倉は9ヶ所目の家ということになる。
実際毎回引っ越しをするたびに、大量のものを捨てざるを得ず、結果として強制断捨離を行い続けてきた人生だっだ。
転居による強制断捨離も悪くはないのだが、自分から意識して不用品を手放していく「能動的断捨離」の方が、僕は遥かに効果が高いと思う。
生活のなかで不要になったもの、使っていないもの、過去の産物などを、イヤイヤ手放すのではなく、覚悟を決めて、気持ち良く手放すこと。
その自発的な想いと行動が、断捨離によるこころの変化を加速させる。
定期的に断捨離を繰り返すことで、家も心もフレッシュな状態になり、今を楽しんで、ごきげんに生きることができるようになるのだ。
まとめ
この本「人生を変える断捨離」を読んでいると、読んでいる最中から、すでにモノが捨てたくて捨てたくて、ウズウズしてきてしまう。
読み終えたのは、モノが少ない鎌倉の家だったのだが、それでも何か捨てたくて家を探し回った。
5年くらいまったく着る機会がないまま、何となく鎌倉に持ってきていた、昔気に入っていたワイシャツ2枚と、去年買ったが全然気に入らなかったフリースの上着を処分した。
それだけでも、鎌倉の家の空気がちょっと明るくなった気がする。
六本木の自宅は母艦なので、もっとずっとモノが多い。
しかも収納がすごく多いので、またモノが蓄積し始めている。
しばらく時間をかけて、再びものを減らして快適な状態にしていきたいと思う。
やましたひでこさんの言葉が冴え渡り、哲学書や仏典などを読んでいるような清々しくも凛とした気持ちにさせてくれる一冊。
これは名著です!!
人生を変える断捨離、オススメです!!
人生を変える断捨離 のチェックはこちらからどうぞ!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。