エッセイ

ホテルにて 〜 一回か二回しか使っていないものを捨てることへの抵抗感

エッセイ
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4泊5日の旅をしている。

いつも洗顔用具は一式持って出て、ホテルのものは使わない。

ところが今回、石鹸だけ持ってくるのを忘れた。

仕方がなくホテルの石鹸を使っているのだが、やはり違和感がある。

家庭用の石鹸よりは小さいけれど、新品の石鹸を使ってお風呂に入り、そしてそれを使い捨てていくことになる。

今回は4泊毎日ホテルが変わるので、毎日新しい石鹸をおろし、そして使い捨てる。

1回とか2回しか使っていない石鹸を使い捨てるのは、やはりどうも馴染まない。

しかも、ホテルでは、それが毎日何百室という部屋で同時に消費されていく。

そしてそれは石鹸だけではない。

歯ブラシだって歯磨きだって、ブラシだって、一回か二回しか使われないものが、バンバン使い捨てられていくわけだ。

大都市には数え切れないほどの数のホテルがあり、それぞれの部屋で毎日一回か二回しか使われていない歯ブラシや歯磨き、それに石鹸などが使い捨てられていく。

もちろん普段の僕みたいに洗顔用具を持って泊まっている人もいるだろうけど、そうじゃない人も多いだろう。

どんどん使ってどんどん捨てて、どんどん生産することで経済が回るという部分もあることは分かる。

あと、「せっかくホテルに泊まってるんだから、非日常を味わうために、ホテルのアメニティをバンバン使いたい」という人もいるだろうし、いてもいい。

でも、やはり僕は、「まだ全然使えるもの」を捨てていくことには抵抗がある。

次回からはちゃんと石鹸を持って出ようと改めて誓った旅の日であった。

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