6. サプリの力を過信している
栄養というと、サプリを思い浮かべる方も多いかもしれない。
「僕はマルチビタミンのサプリを飲んでるから、食べ物には気を遣わなくても大丈夫」という考え方をもしあなたがしているなら、危険だ。
サプリは健康に必要な栄養素を気軽に補給できるという面でもちろん有効なものだが、錠剤や顆粒であるため、簡単に過剰摂取できてしまう点に要注意だ。
本書ではマルチビタミンサプリの過剰摂取により身体が動かなくなってしまったスポーツ選手の例などを挙げている。
また、以前書評を書いた「50歳を超えても30代に見える生き方」著者の南雲吉則さんは、サプリは科学的に栄養素を抽出したもので、本来の食品に含まれる微量栄養素が削ぎ落とされている点が問題、と指摘している。
サプリはあくまで補助的なもので、自然界の食品から正しく栄養を補給する姿勢が必要ということだろう。
7. 「まごわやさしい」を知らない
カロリーではなくN/Cレートが大切ということは分かった。
では、N/Cレートが高い食品とはどんなものなのだろうか。
N/Cレートはまだカロリーのように一般に普及していないので、iPhoneアプリで簡単に調べて入力、というわけにはいかない。
そこで登場するのが、「まごわやさしい」という耳慣れない言葉だ。
身体に優しく、N/Cレートの良い食材を表す頭文字だ。
ま 豆類
ご ゴマなどの種実類
わ わかめなど海藻類
や 野菜類
さ 魚など魚介類
し しいたけなどのキノコ類
い 芋類
これらの食品を多く含む食事を摂ることで、低カロリーでも栄養素が十分補給できて、身体が満足し、健康でやせられる食生活を送ることができる。
若い方や一人暮らしの男性などは、「そんなこと言われてもどうしていいか分からないよ」と思うだろう。
これらの食材をどのように効果的に摂るかについては、本書に詳しいので、是非参照してみてください。
8. 「料理ガジェット」の威力を知らない
豆やキノコ、海藻、それに玄米などを食べれば健康に良さそう、ということは分かる。
ただ、多くの人はそこまで手の込んだ料理は作ったことがないし、手間を掛けられないという人も多いだろう。
そこで勝間さんが紹介しているのが、数多くの調理器具だ。
器具というよりは、もはや料理ガジェットと呼ぶにふさわしいだろう。
詳しく知りたい方は是非本書を読んでいただきたいのだが、「スチームコンベクションオーブン」を始めとした、さまざまな調理器具が紹介されている。
それらのツールの目的を勝間さんは端的に「ほったらかし調理」と表現している。
お米を炊くときに、鍋を使えば、火加減の調整などが必要で、炊き上がるまでの間ずっと台所にいる必要があるだろう。
だが、いまお米を炊くなら、炊飯器を使う人が多いだろう。
炊飯器を使えば、お米をセットしてボタンを押せば、後は台所にいる必要なく、本を読んでいてもテレビを観ていても良いのだ。
最適な温度管理で一番美味しい状態にご飯を炊き上げてくれる。だからご飯はほったらかし調理なのだ。
炊飯器でご飯を炊くのと同じように、「まごわやさしい」料理を日常生活に組み込むために、勝間さんは様々な調理器具を導入して、簡単に、放ったらかしで料理ができあがる仕組みを作った。
低カロリーでN/Cレートが高い「まごわやさしい」食材を、手間を掛けずに美味しく作る。
それが勝間流ダイエットの中核に位置するメソッドだ。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。