書評

“目標” と “習慣化” の「罠」から脱却する方法

書評
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このブログの読者の方の多くは何らかの仕事をしているだろう。フルタイムかパートタイムかは別として、何かしらの仕事をして人々は日々を送っている。

 

もし、あなたが誰かにいま、こう聞かれたら、あなたは何と答えるだろうか。

 

 

「仕事は楽しいかね」

 

 

この本、「仕事は楽しいかね」は、この究極の質問に「YES」と答えるようになるための示唆に満ちた素晴らしい本なのだ。

この本は大橋悦夫さん主宰の「時間畑ワークショップ」でご紹介いただいたものです。大橋さんありがとうございました。

 

 

仕事は楽しいかね?デイル ドーテン きこ書房 2001-12
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今日の目標は明日のマンネリ

 

 

この本は物語の形式をとっている。雪に閉じこめられた空港で出発便の再開を待つ二人の男。

一人は「私」、しがないサラリーマンで、仕事に対する希望を失い惰性で生きる日々を送っている。

 

 

もう一人は、発明家・起業家として巨万の富を築いてきた老人、マックス・エルモアである。

偶然「私」の隣に座ったマックス老人から「私」は一晩限りの講義を受ける形で物語は進む。

そこには仕事に対するマックス老人の取り組み方、楽しみ方が詰まった、夢のような講義だった。

 

 

マックス老人の口から出てきた言葉の一つがとても印象に残る。

 

 

「今日の目標は明日のマンネリ」

 

 

多くの会社員は、目標設定とその管理がもっとも大切な仕事の一つだと学ぶ。

だが、目標を決めてタスクに落とし込み、それを日々こなすことは、まさに「今日の目標は明日のマンネリ」を実践していることになる。

 

 

そしてマックスはもう一つ、大切なことを教えてくれる。

彼が立てた唯一の目標はこれだ。

 

 

「明日は今日とは違う自分になる」

 

 

多くの人は今の自分から変わりたくて目標を設定する。

それなのに結果として、目標を達成するためのタスクに縛られて新たなマンネリに入り込んでしまう。

 

 

マックスの教えに驚く「私」。それに対するマックスの答えはこうだった。

 

 

試し続けることだけが僕らを幸せにする

 

 

世の中の多くの奇跡的発明は「偶然」発見されたものが多いという。

彼らは様々な方法を試しては失敗し、さらに新しいことにチャレンジしている時に、たまたま手順を間違えたり、失敗した結果偶然、驚くような発明をしてきたのだ。

 

 

コカ・コーラは薬剤師が頭痛薬として開発したものを、従業員が頭痛でもないのに水で割って飲んでいたことから清涼飲料水として発売されることになった。

リーバイスのジーンズは、金を掘りにカリフォルニアに集まる男相手に行商人だったリーバイ・ストラウスが、どうしても売れなかった帆布を、品薄だったズボンに活用することから商品化された。

 

 

彼らは何故成功したのか。そして多くの人は何故成功できないのか。

それは、「試して失敗することを恐れるかどうかの違い」なのだ。

 

 

僕たちは仕事でも自分の夢でも、試してうまくいかないことを極度に恐れ、やる前から諦めてしまう。

その躊躇あ諦めが、僕らを成功から遠のかせている一番の要因なのだ。

10のアイデアを全部試して9つ失敗してもいい。

 

 

残りの一つが当たれば、あなたも僕も成功者になれる。

でも、残りの9つを試して失敗しない限り、10個めのアイデアは出てくることもなかったかもしれない。

だから、僕らは試し続けなければならない。

 

 

まとめ

 

 

目標管理の大切さ、そして習慣化の必要性はそこらじゅうで語られているし、僕も語ってきた。

でも、習慣化をすると、そこには罠が潜んでいる。ルーティンの罠だ。

 

 

そのルーティン・タスクをやってさえいれば上手くいく、という幻想だ。

同じことを思考停止して繰り返してはいけない。

 

 

今のやり方でいいのか?もっとやりやすい方法があるのではないか?

いっそやめてしまった法がいいんじゃないか?

 

 

新しいことを試し、失敗する。

そしてまた試す。

 

 

自分で作った習慣は常に自分で壊せ。

僕らは創造者であると同時に破壊者でもあり続けなければならない。

 

 

とても奥が深い本だった。

折りに触れ繰り返し読みたい一冊。おすすめ。

 

 

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