8. 諍いの原因を明らかにする
ここからはちょっと真面目な話し。
突発的な悪意の応酬ではなく、長年凝り固まってしまったような困った人間関係というのがある。
例えば隣同士で猛烈に中が悪い。離婚した後も子供のことなどで諍いが絶えない元夫婦など。
この手の問題が居座ると、僕らのストレスはとても高くなり、それだけで人生は色褪せてしまう。
そのような状況をもし本当に解決したいなら、しっかり考えなければならない。
その時に必要なことは、低次元のいがみ合いから脱却して、冷静に話し合うと決めることだ。
「どうして自分だけが」「あいつのせいで私が譲歩するなんて論外!」
僕らはこのように反射的に怒鳴ってしまいがちだ。
でもあなたがそれを続けている限り問題は解決しない。
本当に問題を解決したいなら、まずは今までの自分が低レベルのいがみ合いに囚われていたことを認め、冷静になろう。
そしてその上で、話し合いの基盤をつくっていこう。
その際に必要になるのは以下の手順だ。
- まず自分の気持ちを知る
- 私の望みと欲求は何だろう
- 相手に何を望んでいるのだろう
- 何を恐れているのだろう
- 絶対に譲れないことは何だろうか
- 気持ちを静めてから話しをする
- 期待しない
- 自分の気持ちを話し、相手の気持ちをあれこれ解釈しない
- あなたのしたことは何か、そしてなぜそれをしたのか
- 不安に思っていることはなちか
- ガッカリしたり、イライラしたり傷ついたりしたのはなぜか
- みんなが最後まで話せるようにする
- いま問題になっていることについてだけ話す
- 攻撃されてもやり返さない
- 解決法を探る
- 忍耐強く、楽天的に
9. 相手を認める
多くの人間関係において、「相手を認める」ことで諍いが終わることも多い。
「君の主張は理解した」「あなたが何を言いたかった分かった」
この一言が非常に効果的な場合もある。
間違えてはいけないのは、あなたが相手の主張を受け入れたと表明する必要はまったくないということだ。
ただ単に、相手が言っていることを理解した、僕の意見とは違うけどね、ということを表明するだけだ。
使い方は以下のようになる。
「そうですね。あなたの目から見れば、それは正しいことになりますね」
「そうだね、君の立場からすればそうだろうね」など。
自分の意見と相手の意見が違うことが問題なのではない。
相手の意見と違う状況をお互いが譲らず、自分の主張に相手を屈服させようとするからトラブルになるのだ。
「君の意見は間違っている!」いくらそう叫んでも、相手には相手の意見があり、主張があるのだ。
人それぞれが違うということを認めることで、相手も、そして自分も冷静になることができる。
まとめ
ケンカや諍いが起こるのは、お互いが感情的になり、先に怒った人間のレベルに相手が下りてしまうために起こることが多い。
この本では、一方が悪意を持っていたり攻撃してきた際の対処法を示している。
そして数多くのテクニックが示されているが、根元は実は一緒だ。
一つは「相手の挑発にのらず冷静でいろ」ということ。
もう一つは「相手を論破することが勝ちではなく、お互いが平和な気持ちになることが勝ち」ということだ。
この本はドイツ人が書いたものなので、日本人とのメンタリティの違いを感じる箇所もある。
ドイツ人は笑うかもしれないが、日本人は激怒じゃないか?と心配する部分もあった。
でも、総合的に見て、「オトナの対話術」とは、冷静さを失わないことだ、という意味では共通だったと思う。
関係を断ち切れないけどすごく苦手な人が身近にいる。
いつも相手につけ入らせる隙を作ってしまい後から慌てている。
おこりっぽくてすぐ心にもないことを言ってしまい後から反省する。
そんな方は、是非本書を熟読してみると良いだろう。
タイトルは煽り気味だが、実は冷静な本だ。
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更新履歴
2012年2月27日 オリジナル版を公開しました。
2020年3月11日 リンクや行間、文章の一部に手を加えてアップデートしました。
2021年3月24日 各所に手を加えて最新版にアップデートしました。
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。