牧田善二さん著、「糖質中毒 〜 痩せられない本当の理由」という本を読んだのでご紹介しよう。
食事・栄養は僕が追求して学び続けている分野の一つだ。
僕自身2017年から緩やかな糖質オフ生活を続けており、体型・体重の維持に最近まったく心配がない状態だ。
これからさらにボディメイクを進め、学びを深め、実践していきたいと思っている。
本書は書店で見かけて購入した。
糖質との距離感は、我々が健康に生きていくために欠かせない知識なのでさっそく手に取った。
分かりやすく深い良書だった。
さっそく紹介しよう。
我々を太らせるのはカロリーではなく糖質である
日本でも肥満が深刻な問題となってきている。
若い時はスリムだった人たちが、中年を迎えるとどんどん太っていく。
ただ太るだけならまだしも、肥満は生活習慣病の温床となり、健康を蝕んでいく。
なぜ多くの人が太ってしまうのか。
それは、多くの人が「糖質中毒」に陥っているからだ。
また、多くの人は太る理由は「カロリー過多」と信じ込み、間違ったダイエットに取り組む。
「お昼ご飯を軽くしてダイエット」と称して昼ごはんを野菜ジュースとおにぎりだけにする。
「こってりしたものを避けてスリムになろう」と意気込んで、昼ごはんはザルソバだけで済ます。
これらの取り組みは残念ながら効果がないばかりか、ダイエットには逆効果である。
おにぎりの白米ご飯、そして野菜ジュースとも「糖質の塊」である。
おそばを食べるなら、具材が多く含まれる種物にして一緒に食べた方が太りにくい。
多くの人は「カロリーを摂りすぎると太る」と信じ込んでいるが、実際はそうではない。
「糖質を摂りすぎるから太る」のだ。
多くの日本人は、資本主義社会の中で、知らず知らずのうちに「糖質中毒」になっている。
コンビニやスーパーに溢れる食品を無造作に食べていると、もれなく糖質中毒になる仕組みになっているのだ。
肥満から脱出するためには、糖質中毒からの脱却が必須なのだ。
糖質とは何か?そしてなぜ糖質は中毒になるのか?
皆さんは「至福点」という言葉をご存知だろうか。
至福点とは、食品メーカーが炭酸飲料やジュースなどを開発するときに重視するポイントである。
食品や飲料に糖質を多く含ませると、人は「美味しい。繰り返し食べたい」と感じるようになることが研究で分かっている。
一定以上に糖質の量を増やしていくと、人は飲んた時に急激に血糖値が上がり、そのときに「幸福を感じるに至る」ようになるのだ。
その幸福を感じるようになる糖質の量が「至福点」である。
要は、飲むと「スかっとした気分」になったり、「エネルギーがチャージされたように感じ」たりする量のことを指す。
至福点を憶えた脳は、「また気持ち良くなりたい」と感じ、同じ飲料を強く求めるようになる。
そのため、大手メーカーは、「至福点」を超えるような商品を次々に開発し、それを口にし続ける人は続々と糖質中毒へと陥っていくのだ。
そもそも糖質とは、3大栄養素の1つであり、生命維持に欠かせないものではある。
しかし、現代社会では、糖質が安価に大量製造できるようになったため、世の中に糖質が溢れ返っている。
ちなみに糖質を多く含む物は、ジュースやお菓子類はもちろん、ご飯、パン、うどん、そば、パスタ、ピザなど炭水化物を多く含む主食類。
また、果物全般、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃに代表される澱粉質が多い根菜類なども糖質を多く含む食べ物だ。
大量の糖質を摂取すると、何が問題なのだろうか。
1つには、消費しきれなかった糖質が脂肪として蓄えられるため太ること。
そしてもう一つが、血糖値の急激なアップダウンが、体に様々な害をもたらすことである。
炭酸飲料などを飲み大量の糖質が体に入ってくると、膵臓はインスリンというホルモンを分泌し、インスリンは体内の血糖値を下げさせる。
急激に血糖値が上がるほど大量のインスリンが分泌され、一気に血糖値が下がる結果、体が低血糖状態となる。
低血糖になると、様々な不快な症状が体を襲う。
眠気、倦怠感、イライラ、集中力の低下、動悸、めまい、強い空腹感などだ。
ランチに大盛りの昼ごはんを食べた後、午後の会議が眠くて怠くて集中できず困る、という人は低血糖状態に陥っている可能性が高い。
メンタルが不安定で、感情的になりやすい人も、低血糖状態でイライラが強く出ている人が多い。
低血糖状態は不快なので、脳は「もう一度糖質を入れれば元気になる」と渇望し、再び糖質を大量に摂ってしまう。
このようにして、糖質中毒の無限ループが生まれてしまうのだ。
糖質中毒の先に待っている恐ろしい未来
糖質中毒の状態で生活を続ければ、当然身体に余分な糖質が残り、脂肪酸へと変化して蓄積して太っていく。
問題は単なる肥満ではなく、糖質中毒が招く様々な弊害である。
その最たるものが糖尿病だ。
血糖値の乱高下が続くということは、血糖値が上がるたびに膵臓からインスリンが大量に分泌されることを意味する。
長年にわたり膵臓が酷使された結果、インスリンの分泌が上手くできなくなり、血糖値が上がったままになってしまう病気が糖尿病である。
糖尿病は免疫低下を引き起こし、様々な合併症を起こすことが知られている。
特に腎機能の低下が起こると、人工透析を行わなければならなくなり、これは一生続くことになる。
他にも失明や四肢の壊死など、深刻な問題を引き起こす厄介な病気だ。
糖尿病の他にも、血糖値が高い状態が続くことで体が「糖化」してしまうことで、さまざまな病気の原因となることが分かっている。
体内にAGE(最終糖化産物)という悪性の高い物質が生成されてしまい、このAGEが活性酸素を作って内蔵や血管を痛めつけるのだ。
AGEは心筋梗塞や動脈硬化などさまざまな病気の原因になるほか、「身体を錆びつかせる物質」としても悪名高い老化物質である。
それらの病気を防ぐという意味でも、糖質中毒からの脱却が何よりも大切なのだ。
糖質中毒からの脱出は「行動変容」である
糖質中毒の人はほとんどの場合、自分が糖質中毒であるという自覚がない。
大量のジュースや缶コーヒー、スナック菓子やビールなどを「おいしいから食べている、飲んでいる」くらいに考えている。
朝コンビニによって甘い缶コーヒーと砂糖がついた菓子パン、昼に飲むための野菜ジュースを買う。
菓子パンと缶コーヒーを朝食にすると、血糖値が一気に上がりしゃきっとして爽快な気分になる。
そして昼にはラーメンと餃子や、どんぶり飯の定食などを食べ、オフィスに戻って野菜ジュースを飲む。
午後にはオフィスグリコに手を伸ばし、チョコレートやスナック菓子をつまむ。
そして仕事を終えて帰宅したら晩酌でビールを飲みつつ、夕食に白米ご飯を食べる。
このようなライフスタイルを無自覚に送っている限り、糖質中毒からは脱出できない。
僕自身も会社員時代は糖質まみれの生活をしていたのでよくわかるが、いきなり完全に糖質から離れることは無理だ。
まずは自分が日々どれだけ糖質を摂取しているかを自覚して、少しずつ、脳を騙すように減らしていくことだ。
毎日食べていたラーメンを週3日にし、次には週1日にする。
毎日飲んでいるビールを1日おきにハイボールに置き換えるなど。
僕自身、以前は毎晩必ずビールを飲み、会社の近所のコンビニで甘いコーヒーと野菜ジュースを買って飲んでいた。
しかし、少しずつ距離を置いていくとやがて、中毒から脱出できる時が来る。
「そんなに毎日なくてもいいな」と感じたらしめたものだ。
糖質中毒は、意識すれば脱出は難しくないという説もある。
糖質をまったく摂らないのも良くないので、1日60g程度に制限できると良いと本書の著者、牧田さんは説いている。
まとめ
日本人は特に主食好きとして知られ、白米への信仰も強い。
僕も以前は1日3食必ず主食を食べていたが、今は主食は週に1回か2回しか食べない。
主食を積極的に食べなくても、あらゆる食物に糖質は自然に含まれている。
糖質のコントロールが自由にできれば、もう肥満や高血糖などを心配する必要はなくなる。
缶コーヒーやエナジードリンク、炭酸飲料等を遠ざけ、自分の意思で口にするものを選別しよう。
糖質中毒から脱出できると、体のキレも良くなり、思考も冴え渡る。
また、老化物質を遠ざけることにもなるので、心身が若々しい状態を保ちやすくなる。
とにかく今の日本人の食は、糖質過多なことは間違いない。
意識的に遠ざけるくらいでちょうど良いのだ。
素晴らしい一冊でした。
オススメです!!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。