産婦人科医の宗田哲男さん著、「最強の油・MCTオイルで 病気知らずの体になる!」という本を読んだのでご紹介しよう。
僕は2021年1月から、朝食を抜く半日断食を続けている。
しかし最近思うところあって、朝にMCTオイル入りのプロテインを飲むように変更した。
MCTオイルは一時期定期的に飲んでいたが、しばらく飲んでいなかった。
今回MCTオイルを再開するにあたり、もう一度MCTオイルの効能を学んでおこうとこの本を手に取った。
それではスタートしよう。
MCTオイルが「最強の油」である理由
MCTオイルとは、Medium Chain Triglyceride Oilの略で、「中鎖脂肪酸」という意味である。
MCTオイルはココナッツやパームヤシの種から作られる。
ココナッツの種から作られるが、「ココナッツオイル」とは別物である。
MCTオイルは無味無臭で常温で液体である。
一般的なオイルは「長鎖脂肪酸」なのに対し、MCTオイルはその名のとおり「中佐脂肪酸」であることが特徴。
「長鎖」「中鎖」「短鎖」の「鎖」とはオイルの炭素鎖の長さの違いの分類である。
炭素数が13以上を「長鎖脂肪酸」と分類するが、長鎖脂肪酸はエネルギーとして代謝されにくく、体脂肪として蓄積されやすい脂肪酸である。
それに対して炭素数8〜12の中鎖脂肪酸は分子が小さく、長鎖脂肪酸の約4倍早く吸収され、代謝も5〜10倍速いといわれている。
そしてMCTオイルの最大の特徴であり、「最強の油」と呼ばれる理由は、MCTオイルは肝臓でケトン体をすばやく作れるオイルだからだ。
ケトン体の働きとは?
我々人間は日々食べたものをエネルギーに変えて生きている。
食物をエネルギーに変える、「エネルギー代謝」には実は2つの回路がある。
一つが糖質をエネルギーに変える「糖質回路」で、もう一つが脂肪酸をエネルギーにする「ケトン体回路」である。
古くから人類は狩猟採集活動で食物を得ていた。
肉、魚、木の実などを食べている時、人類は「ケトン体回路」をメインで使っていた。
しかしその後人類が農耕を開始し、多量の炭水化物を摂取するようになり、人類は「糖質回路」をメインで使うようになった。
現代の多くの病気の原因の一つが、「糖質の摂りすぎ」による肥満である。
摂りすぎた糖質が体で使い切れず脂肪として蓄えられてしまうのだ。
本書の著者である宗田さんもご自身が糖尿病を発症した経験を持つ。
糖尿病の治療を始め、ダイエットや健康増進などで注目されているのが「糖質制限」である。
糖質の摂取を抑えることでエネルギー代謝を糖質代謝からケトン体代謝に切り替えるのが糖質制限の手法だ。
糖質制限をすることで体に糖質が入らなくなり、代わりにケトン体代謝は体の脂肪酸をエネルギーに変えるため、脂肪を減らす効果が高い。
MCTオイルには、ケトン体代謝を行うケトン体を肝臓で速やかに生成する働きがある。
通常は糖質を摂取している限り糖質回路が優先的に働くが、MCTオイルを摂取すると糖質の影響を受けずにケトン体が多量に産生される。
MCTオイルを摂取することで、糖質に頼らず脂肪をエネルギーに変えることができるようになるのだ。
病気の治療にもダイエットにも効果的
本書の著者である宗田さんが糖尿病を患ったことは前述したとおり。
日本の医学では、糖尿病の治療にはカロリー制限を行い、白米などの炭水化物を摂取することを推奨している。
しかし、「血糖値を上げるのは糖質だけである。糖質を取らなければ、血糖値が上がらず、糖尿病にはならない」と主張する医師の書籍と出会ったことで、宗田さんは決断をする。
宗田さんは糖尿病専門医の言うことを聞くのをやめ、糖質制限とMCTオイルによる食餌療法に切り替えた。
その結果半年で体重は84kgから69kgまで下がり、血糖値の数値も基準値内に収まるようになった。
その後も糖質を2割、タンパク質4割、脂肪4割の比率の食事を続けることで、すべての数値が基準値内となり、健康そのものとなることできたという。
糖尿病の他にも、認知症、そして鬱病、がんの予防にもMCTを活用した投資制限が有効だという。
もちろん健康な人がMCTオイルと糖質制限を組み合わせることで効率よくダイエットすることも可能だ。
MCTオイルなしで糖質制限だけ行うと、体内に蓄えていたブドウ糖が枯渇すると、血糖を維持するために肝臓が自ら道を作り出す「糖新生」が起こる。
糖新生が起きる時分解されるのはタンパク質、つまり筋肉である。
身体が本来脂肪を燃焼する役割を持つ筋肉を分解して糖を作ってしまい、糖質回路を維持しするのだ。
結果として筋肉が失われ、「太りやすく痩せにくい体質」になってしまううえ、糖質回路を使っているので血糖値のアップダウンから空腹感も出やすく、リバウンドしやすくなってしまう。
糖質制限にMCTオイルをプラスすることで、糖新生をおさえながらケトン体の出現をしやすくし、効率よく脂肪燃焼することができるようになる。
余談だがMCTオイルと並んでココナッツオイルも中鎖脂肪酸を含むが、ココナッツオイルは中鎖脂肪酸が60%、長鎖脂肪酸が40%である。
中鎖脂肪酸が100%のMCTオイルとココナッツオイルでは吸収、代謝の速度が異なり、ケトン体レベルがピークになる時間も大きく異なる。
MCTオイルの方が速くピークになる代わりに速く通常レベルまで落ちるのに対し、ココナッツオイルはゆっくり効いてゆっくり落ちる。
MCTオイルとココナッツオイルを併用することで、長い時間ケトン体レベルを上げることができるようになるのだ。
まとめ
5年前にボディーメイクで身体を絞ったときは、メインを亜麻仁油、サブでMCTオイルという位置づけだった。
今回改めてMCTオイルについて学び、その効能にもっと注目したくなってきた。
この本はMCTオイルと糖質制限で「病気を予防し健康になる」ことが主眼で書かれている。
今度はMCTオイルと糖質制限によるボディメイクやダイエットに特化している本を読み、さらに見識を深めて実践に移してみたい。
非常に分かりやすく書かれた素晴らしい一冊だった。
オススメです!!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。