健康・アンチエイジング書評

ダイエットは運動1割、食事9割 by 森拓郎

健康・アンチエイジング書評
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ご存知の方も多いと思うが、僕は38歳まで身長190cmに対して体重105kgの肥満体だった。

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完全なメタボで、体脂肪率も30%近くあり、健康診断の数値も酷かった。

医者には「いつ、どの成人病が発症してもおかしくない状態」と言われていた。

デブで見た目が悪いというだけではなく、健康を害するという、肥満の実害が目の前に突き付けられていたのだ。

その状態から25kgのダイエットに成功して肥満から脱出できた僕は、健康と体型維持に対する執着が非常に強い。

一度取り戻した健康と美しい体型を、二度と失いたくないと強く願っているのだ。

なので、健康やダイエットに関する本にはとても興味がある。

今回読んだ「ダイエットは運動1割、食事9割」も、とても説得力があり唸る箇所が多い本だった。

 

運動指導者が断言! ダイエットは運動1割、食事9割 [決定版]

森拓郎 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2014-02-21
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さっそく紹介しよう。

 

 

 

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ダイエットは運動1割、食事9割

 

運動だけではダイエットできない

僕自身が25kgのダイエットに成功したときも、ランニングや筋トレといった運動に、ゆるやかな食事制限を加えていた。

約2年かけて25kg落としたわけだから、一ヶ月約1kgという、とても緩やかなペースのダイエットだった。

そのときの経験からも、この本で著者の森拓郎さんが書いている「運動だけではダイエットできない」はとても納得。

理由は簡単だ。

運動をすればするほど食欲も強くなり、無意識にたくさん食べてしまうからだ。

 

 

僕は成功したダイエットの前に、何度も失敗してリバウンドし、辛い思いをしてきた。

ダイエットを何度も失敗した理由は、「運動によって痩せる」ことばかりを考えていたからだ。

「僕は食いしん坊だから食事は減らさない。たくさん運動すれば痩せられるから大丈夫」

僕はそう言って運動だけに依存するダイエットに挑戦し、何度も失敗してきた。

 

 

運動すればおなかが空く。食べ物をコントロールしなければ、欲求のまま食べてしまう。

すると体重が思うように減らず、「もっと運動しなきゃ」と運動の強度を上げる。

やがて運動すること自体が辛いレベルになり、運動を続けられなくなり、リバウンドする。

 

 

太っている人は食べ過ぎているから太っているのだ。

そして、太っている人は食べ物に対する執着が強いので、ダイエット時にも食べ物を減らすことに抵抗がある。

だから、運動だけで痩せようとするのだが、これは非常に難しいし効率も悪い。

たとえば100kgの体重がある人がランニングを5kmのランニングをしても、体脂肪は約500kcalしか燃焼しない。

100kgの体重がある人にとって、5kmのランニングはかなり辛い。

しかし、500kcalというのは、白米ご飯2膳分、ロング缶のビール2.5本分にすぎない。

食べ物のケアをせずに運動だけで痩せようとしても、心が折れてしまうのは、無理もないことなのだ。

運動をして身体を動かすことはとても良いことだが、運動「だけ」でダイエットするのは、理にかなったことではない。

 

 

 

パン食はダイエットに向かない

食事と運動で痩せる、というと、無闇に食べる物の量を減らしたり、絶食したりする人がいる。

しかし、それも理にかなった行動ではない。

デタラメに食べる物の量を減らすのではなく、食べる物の質を考える必要があるのだ。

 

 

ダイエットの際に気をつける必要があるのは、「糖」の摂取である。

ケーキやジュースなどはもちろんだが、ビールや日本酒などの酒、そして炭水化物の摂取も抑える必要がある。

炭水化物を含む食品としては、パン、パスタ、うどん、そば、ごはんなどが代表格となる。

炭水化物とはすなわち「糖」なのである。

なぜ糖の摂取を抑える必要があるかを簡単に説明しよう。

糖をたくさん含んだものを食べると血液中に一気に糖が流れ込む。

血液中に糖が大量に入り血糖値が急上昇すると、血糖値を下げる物質インスリンが膵臓から分泌される。

ところが血糖値が急上昇すると、インスリンが過剰に分泌されてしまい、今度は血糖値が低くなりすぎてしまう。

血糖値が低くなりすぎると、脳は栄養が不足していると勘違いして、さらに物を食べたくなってしまうのだ。

また、糖を大量摂取し血糖値が急上昇すると、脳から快感物質ドーパミンが放出される。

このドーパミンによる快感が欲しくて、さらに糖を含む食事をしたくなってしまうのだ。

 

 

炭水化物で問題になるのは、小麦を原料としている食材だ。

小麦にはグルテンという成分が含まれているのだが、このグルテンに「食欲増進作用」があることが分かったのだ。

小麦を含む食品とは、パン、パスタ、ピザ、ラーメン、うどん、それにケーキやドーナツなどのお菓子類だ。

いっぽうグルテンが含まれない炭水化物としては、お米、米粉を使った製品、そば粉100%のそば、ビーフン、フォー、春雨などである。

 

 

よく、「朝からごはんを食べるとおなかが重い」という理由で、朝食をパンにしているという話しを聞く。

しかしそれは、実はグルテンによる食欲増進作用で、すぐにおなかが空いているのと、空腹状態から血糖値が急上昇し、インスリンが分泌された結果低血糖となり、「おなかがすいた」と意識しているにすぎない場合もあるのだ。

 

 

著者の森さんは、「そもそもパン食はダイエットに向かない」と書いている。

結果として、米を中心とした和食にシフトすることが、健康的ダイエットへの近道なのだ。

 

 

 

太らない食べ物を食べよう

糖質の摂取を抑える以外にダイエットで意識すべきことはなにか。

それは、精製された食材を避け、微量栄養素が多く含まれた和食を多く食べることだ。

キーワードは「まごわやさしい」と「N/Cレート」。

このキーワードは以前紹介した勝間和代さんの「やせる!」に登場しているのと同じもの。

「まごわやさしい」とは、「まめ」「ごま」「わかめ」「やさい」「さかな」「しいたけ」「いも」の略。

「N/Cレート」とは、Nutrient Value/Calorie 、「栄養的価値」/「カロリー」のことだ。N/Cレートが高いものは、カロリーに対して栄養価が高い、健康に良い食べ物、ということになる。

二つのキーワードを一言に要約すると、」N/Cレートの高いものを食べましょう。それは「まごわやさしい」食品です」ということになる。

 

 

僕たちの身体には、摂取した食べ物を代謝するための栄養素が必要なのだが、これが現代人には圧倒的に不足している。

それは、ミネラルとビタミンである。

カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルには一つ一つの役割がある。

特にダイエットにはマグネシウムが大切である。マグネシウムは体内で糖を代謝してくれるのだ。

 

 

これらのミネラルやビタミンは、パンや白米、うどんなどにはほとんど含まれない。

「まごわやさしい」に代表される食品に多く含まれるのだ。

また、これらの食品は、できるだけ加工していないものを買い、原形が残った形で摂取しよう。

加工して精製された食品からは、多く栄養素が抜けてしまっているのだ。

「まごわやさしい」食材を積極的に摂り、糖質、特に小麦を摂らないようにする。

それによって、自然と健康かつ美しく、そして続くダイエットができるようになるのだ。

 

 

 

ダイエットは引き算

この本では成功するダイエットは「引き算」だと説明している。

現状の生活に「運動を足す」「ジムに通う」「サプリを飲む」などの「たし算」をすることは、健康には良いかも知れないが、負荷にもなる。

続けられないダイエットは意味がない。

だから、「太る原因を引く」考え方をする。

いかにストレスなく、「太る原因」を引き算できるかが、ダイエット成功のカギなのだ。

 

 

いっぺんにすべてを引き算したら、ストレスで続けられなくなる。

毎日アイスクリームを1個食べている人は、それを半分にして2日で1個にするとか。

毎日飲みに行っている人は、せめてお酒を日本酒やビールから、焼酎やウィスキーに変えるとか。

お昼に二膳食べているどんぶり飯を、一膳にしてみるとか。

そういった、細かい改善を積み重ね、少しずつ「太る原因」を取り除き続けることが、長く続けられるダイエットの鉄則なのだ。

 

 

 

まとめ

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僕たちは「身体」ではなく、「意識」が欲しがるものを食べてしまいがちだ。

たとえばポテトチップスのようなスナック菓子。

スナック菓子にはビタミンやミネラルなどはほとんどなく、しかしカロリーはやたらに高い。

こういう食べ物を欲するのは身体ではなく脳だ。

しかし食べても食べても必要な栄養は満たされないので、身体の細胞は「空腹」と認識し、「もっと食べたい」というシグナルが止まらないのだ。

 

 

僕は最近、ジャンクなものが食べたくなったら、ちょっとだけ考えるようにしている。

「これは今僕が本当に食べたいものだろうか?」と。

その一瞬の時間によって、脳が出す「食べたい!」という間違った情報を、やり過ごすことができる。

ダイエットの目標は、一瞬目標体重に到達することではない。

痩せて健康になり、その状態をストレスなく維持し続けられることだと思う。

ならば、日々身体に摂取する食べ物について、身体と良く相談することで、じわじわと健康になり、自然と痩せることができると思う。

運動だけで痩せようとする。僕自身何度トライしても上手く行かなかった。

あの頃にこの本があったなら、昔の僕に読ませてあげたい(笑)。

いまダイエットにチャレンジしている皆さん、ぜひご一読を。

おすすめです。

 

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