健康・アンチエイジング書評

MECダイエットとは? 肉・卵・チーズをたっぷり食べて50kg痩せる

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MECダイエットとは?

そのとき椎名さんが出会ったのが、「MECダイエット」だ。

MECダイエットとは、沖縄在住の医師で、本書の監修者である渡辺信幸さんが考案したダイエット法だ。

「MEC」とは、「肉(Meat)」、「卵(Egg)」、「チーズ(Cheese)」の略である。

MECダイエットの基本は、糖質を控えること。その点は糖質制限と同じだ。

ただ、違うのは、「糖質を制限する」ことを主眼におくのではなく、「人体の生命維持に必要な栄養素をきちんとしっかり食べ、その代わり余分なものは食べない」食生活を送る、という点である。

MECダイエットでは、一日に肉200g、卵3個、チーズ120gを食べることを主眼に置く。

肉は何でもいいし、卵のサイズや調理法、チーズの種類なども気にする必要はない。

丈夫な身体を作るのに必要な4大栄養素を十分摂取し、心身ともに満たされた状態を作ることを主眼としているのが特徴だ。

炭水化物は「必須栄養素」ではない!

僕たちの身体を作る栄養素には、5つある。

「炭水化物」「たんぱく質」「資質」「ミネラル」「ビタミン」の5つだ。

このうち、炭水化物には、エネルギー源として糖質になり、脂肪として体内に蓄えられる機能しかなく、「身体づくり」や「体調を整える」という機能はない。

もちろん実際の「米」や「小麦」などの食材には、炭水化物以外にもビタミンやミネラルも含まれるわけだが、栄養素として見たときには、炭水化物は僕たちの身体に必須のものではないことを理解しよう。

同じ量の食事をするときに、しっかり摂るべきは、必須栄養素の4つ、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンだ。

MECダイエットは、この必須栄養素をふんだんに含む肉、卵、チーズでおなかを満たすことで、炭水化物、糖質を過剰に摂取してしまうことを避けることを目的としたダイエットなのだ。

肉・卵・チーズを30回噛んで食べる!我慢しなくていいダイエット!

MECダイエットのもう一つの柱は、「一口入れたら箸を置き、30回よく噛んで食べること」だ。

僕も太っていたので良く分かるが、太っている人の多くは早食いだ。

満腹中枢が刺激されるまで、食べ始めてから約20分掛かると言われている。

早食いすると、満腹中枢が刺激される前にどんどん食べてしまうので、結果必要以上に食べすぎてしまうのだ。

ゆっくり良く噛むことで、食べ終わるのに時間がかり、満腹感を得られ、さらに胃腸の負担軽減にもなる。

肉・卵・チーズを一口ずつ30回噛んで食べる。

太っている人は肉や脂っこいものが好きな傾向が高い。

でも、実は太っている人は、ラーメンやどんぶりごはんなど、炭水化物も大好きだったりするのだ。

肉とどんぶりめしを両方我慢するようなダイエットは続かない。

MECでたっぷり肉やチーズを食べることで、必須栄養素がきちんと摂取されるようになる。

すると、身体が満足するので精神的にも飢餓感がなくなり「食欲が安定」する。

ジャンクフードや糖質ばかりのお菓子などは、栄養素が摂れないため、いくら食べても飢餓感がなくならないのとは対照的だ。

椎名さんはこの精神的な安定、つまり「我慢している感じがないこと」が、ダイエット成功の大きなポイントだと書いている。

まとめ

「ダイエット」という言葉は、常に僕たちに「我慢」「制限」という言葉を想像させる。

椎名さんは一般的なカロリー制限のダイエットは、「痩せる」のではなく「やつれる」のだと書いている。

必須の栄養素をカットしてしまうことで、体重も減るけれど、一緒に体調も悪くなり老け込んでしまうのだ。

ダイエットとは本来、余計な脂肪を身体からなくすことだけではなく、体調が良く、活き活きとして、心身ともに健康な状態を手に入れるもののはず。

そういう意味で、身体を維持するのに必要な栄養素を最優先で摂取して、精神的にも安定する、「我慢しない」「制限しない」ダイエット、MECダイエットは理にかなっているように思う。

始める当初は適量が分からず食べ過ぎて、胃腸に負担が掛かることがあったり、便通が一時的に悪くなるなどの問題が指摘されているようだが、続けていくことで身体が慣れ、解消していくという。

椎名さんは約1年かけて、105kgから標準体重の54kgになり、糖尿病も完全に克服し、血液検査もすべてクリア。

さらに、肥満時代に抱えていた数々の不調ものきなみ改善したという。

そしてダイエットを終えた2013年以降、ベスト体重をキープしているという。

僕は椎名さんのように肥満しているわけではないし、糖尿病のリスクがあるわけでもない。

ただ、ここ数年、ダイエット後の生活に、いまいち勢いがないというか、張りがないように感じており、改善が必要だと思っていた。

そのキーが、どうやら「四大必須栄養素をもっと積極的に摂る」ことと、「結果として炭水化物は控えめにする」こと、そして「30回ちゃんと噛む」ことにあるのではないかと感じている。

過激なことをするつもりはないが、「MEC」を生活に採り入れ、実践してみようと思う。

本書はマンガなのであっという間に読め、とても分かりやすい入門書だ。

ダイエットに本腰を入れたい方、自分の食生活を見直したい方、試しに読んでみてはいかがだろうか?

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