ブックレビュー2010年の88冊目は、カーマイン・ガロ氏著、井口耕二氏訳、「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を読了。
Apple社の共同創業者でありCEOであり、カリスマ経営者として知られるスティーブ・ジョブズ氏のプレゼン技術にフォーカスし、彼が聴衆を魅了するプレゼンを解析し、僕らでもジョブズのようにすごいプレゼンができるようにしてしまおう、という壮大な本である。
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン by カーマイン・ガロ 〜 君もジョブズになれるかも!? [書評]
このブログを定期的に読んでくださっている皆さんは、Macファン、iPhoneファンの方も多いだろうから、Apple社の新製品発表イベントにおけるスティーブ・ジョブズ氏のプレゼン動画を見た人も多いだろう。
彼のプレゼンは圧倒的な人気があり、伝説と言われているものも多い。
そしてその多くはYouTubeにアップロードされ、数え切れないほどの回数再生されている。
僕もジョブズのスピーチやプレゼンは何度も見てきたが、本書を読んで改めてジョブズのプレゼン技術は本当に凄いのだと感動した。
彼のプレゼンを「プレゼン」と意識して見ていた人は意外と少ないのではないだろうか?
少なくとも僕は彼の新製品発表のプレゼンを「プレゼン」とは捉えていなかった。
ではどう捉えていたかというと、「ショー」という言葉が一番近いのではないかと思う。
少なくとも日本の展示会で企業の担当者が行っている「プレゼン」と同じ水準の行為とは捉えられない。
あまりにも水準が違うからだ。
「ショー」という言葉に置き換えられるほどレベルが高くそして感動的ですらあるジョブズのプレゼン。
もしあなたがマーケティング担当や営業担当だとして、明日皆の前でプレゼンをするとして、聴衆があなたの一挙手一投足に感動し、スタンディング・オベーションで応えたとしたらどうだろう?
そんなことは絶対ない。
あなたはそう思うかもしれない。
だが、本書を読んでジョブズのプレゼンがどのように作られているかを知り、そのテクニックを一つ一つ習得していくことによって、あなたのプレゼンも劇的に改善することは間違いない。
たとえジョブズほどに凄くはならなくても、人から「○○さんはプレゼンが上手ですね」くらいは言ってもらえるようになるだろう。
本書では感動を呼ぶプレゼンの技術的要素についても網羅しているが、僕が本書で一番感動したのは、ジョブズやシスコのチェンバースなどのプレゼンの達人と呼ばれる人達が、圧倒的な時間を練習に費やしているということを知ったことだ。
「アメリカ人はショーマンシップが盛んで人前でのディベートやプレゼンがもともと上手い」。
僕自身も心のどこかでそのように片づけてしまったいた部分があった。
だが、本書では、ジョブズが発表会に先立っていかに徹底的に自らのプレゼンを磨き上げていくかについても詳細に書き込まれており、その情熱と仕上げに対する妥協のなさこそが、あのような完璧なプレゼンを作り上げるのだ、と、今までの自分の認識の甘さを反省する材料となった。
PowerPointに箇条書きに文字を羅列するのがプレゼンだと思っている人は、今すぐ本書を読んで自らのプレゼン術を徹底的に見直したほうが良い。
プレゼンはPPTで行うなんて、そんなルールはどこにもないばかりか、本書を読めば、PPTのスライドでプレゼンを最初から作り始めてしまうことがいかにマイナスかも理解できるだろう。
伝えること、体験を共有すること、そして自らも楽しむこと。
ジョブズのプレゼンの凄さの理由を知ったいま、来月の彼の登壇が楽しみでならない。
そして僕自身が次にプレゼンを行う際には、少しでもジョブズに近づけるよう、目一杯磨き上げて臨むことにしたい。
「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」のチェックはこちらからどうぞ!!
https://www.ttcbn.net/no_second_life/archives/78321
https://www.ttcbn.net/no_second_life/archives/76397
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。