勝間和代さん著、「健康もマネーも人生100年シフト!勝間式ロジカル不老長寿」という本を読んだのでご紹介します。
こんにちは。ビジネス書作家・ブロガー・心理カウンセラーの立花岳志です。
当ブログでは、皆さんが人生をより自由に、より美しく、より楽しく生きるための情報やメッセージをシェアしています。
学び進化することも、より楽しい人生の構成要素の一つと僕は考えています。
学ぶために読書をし、読んだ本を紹介することも、このブログのメインコンテンツの一つ。
今回読んだ勝間さんの「健康もマネーも人生100年シフト!勝間式ロジカル不老長寿」は、まさに僕が追求しているスーパーエイジングと重なる分野の本なので、興味深く読みました。
さっそく紹介しましょう。
長生きは「リスク」である
皆さんは「不老長寿」という言葉からどんなイメージを抱くであろうか?
老いることなく長生きをするというのは、とても嬉しくてハッピーな印象を抱くのではないかと思う。
あっという間に年老いて死んでしまうより、若々しく長生きの方がずっといい。
そう思う人が多いのではないだろうか。
実際医療技術の発達や衛生環境の向上など様々な要因により、我々日本人の寿命はどんどん伸びている。
人生80年といわれていたのが、もはや人生は100年時代へと向かっている。
実際2014年に他界した僕の祖母は100歳までほぼ病気をすることもなく健康に生き、99歳までピアノと歌を生徒に教えていた。
祖母は不老長寿の最先端、そして生涯現役であった。
しかし、本書を開くと冒頭のプロローグの一行目に出てくる言葉は、語感の印象とは正反対だ。
「長生きリスクという事実と向き合う」という言葉でこの本は始まる。
そう、長生きすることは、現代日本においては「リスク」なのだ。
なぜ長生きがリスクになるのかについて、勝間さんは以下のように説明している。
「現在のさまざまな社会のシステムや精度は、人生は80年しかないということを前提にしています」
そうなのだ。会社や役所などの組織で働く人は、60歳または65歳で定年を迎える。
定年を迎えたあとは年金と貯蓄を切り崩して生きるということになることが想定されている。
定年後の期間が人生が80年なら60歳からで20年、65歳からで15年ということになる。
しかし、人生が100年となると、60歳からだと40年、65歳からでも35年もあることになる。
「余生」と呼ぶにはあまりにも長い期間である。
20歳から働き始めた人が60歳で定年を迎えたら、働いた期間が40年、定年後が40年ということになってしまう。
それだけの長い期間をどう生きるのか。
国や会社のシステムが整備されない中で、我々の寿命はどんどん伸びている。
それをこの本では「長生きリスク」と呼んでいるのだ。
身体的衰えのリスク
本書では、「長生きリスク」を具体的に3つに分類している。
その一つ目が「身体的衰え」のリスクだ。
人間は誰もが成長期が終わる25歳前後を境に加齢による身体の衰えの段階に入る。
やがて「老化」というフェーズに入り、最終的には死に至るという道筋は誰にも避けられない。
しかし、この「老化」「衰え」を先伸ばしにし、ゆるやかにしていくことは可能だ。
身体的衰えを抑えていくために講じるべきことは3つ。
「食事」、「運動」、「睡眠」だ。
食事
食事に関しては、まずは食べ過ぎず空腹の時間をしっかり取ること。
食べ過ぎは肥満のもととなり、肥満はさまざまな生活習慣病の元凶になるといわれている。
カロリーのとりすぎは老化の要因となるので、楽しみながら上手くコントロールすること。
そして何を食べるかも重要になる。
糖質、特に白米や白いパンなど精製された炭水化物はできるだけ避けた方が良い。
そして心掛けるのはプラントベース・ホールフード。
なるべく植物性のものを多く摂り、加工されていない食物そのままを食べる。
そして喫煙・飲酒はしないことも大切だ。
運動
成長期を過ぎると、我々は何も運動をしないと、どんどん筋力が低下していく運命にある。
筋力が落ちると基礎代謝が落ちて太りやすい体質になる。
また、全身が不活性になり、仕事の効率、集中力が低下し、何ごとに対しても億劫になり積極性がなくなっていく。
そして高齢者になると、特に下半身の筋力が低下することで、出掛けることができなくなったりすることで、一気に老化が進んでしまう。
それらを防ぐには、毎日とにかく運動するしかない。
運動というとジムで筋トレ、をイメージする人が多いかもしれないが、日常生活に運動を取り入れることも重要だ。
じっと座ったまま過ごさずちょくちょく立ち上がって歩くこと。
勝間さんはゴルフを日常生活に取り入れているというが、僕は自宅筋トレとランニング、そしてウォーキングを欠かさない。
運動により筋力を維持・向上させることで基礎代謝が上がり太りにくくなり、身体と脳が活性化して仕事の効率も大幅にアップするのだ。
老化を先送りしていくには、日常的な運動が絶対不可欠である。
睡眠
本書を読んで僕が著者の勝間さんに強く共感したのが、「睡眠ファーストの生活」を送るという点。
睡眠は万病に対する特効薬である。
現代日本人の多くが慢性的な睡眠不足で、それがメンタル、そして肉体的な不調の原因となっている。
良質の睡眠をたっぷり摂ると、睡眠時に成長ホルモンが分泌され、身体を修復して老化を止めてくれるほか、認知症の原因となるアミロイドβが取り除かれることも分かっている。
できれば8時間、少なくとも7時間以上の、しっかりした睡眠を摂ることが、「もっとも物理的に効果のあるアンチエイジング法」なのである。
金銭的リスクへの対策
続いては金銭的リスクへの対策である。
会社からの給与だけで生活している人は、定年を迎えてしまうと収入がなくなってしまう。
あとは年金と貯蓄の切り崩しということになるが、長生きすればするほど、お金が足りなくなるリスクに直面する。
実際に高齢者になってからでは対策ができないので、若いうちから「人生は100年続く」という前提で取り組む必要がある。
まず、年齢と関係なく仕事を続けるように、自分の働き方のスタイルを早めに軌道修正すること。
そしてドルコスト平均法による投資を早い段階から始め、お金を増やしていくこと。
具体的にどんな仕事をすると100歳まで働けるかは一人ひとり異なるため自分で見つけるしかない。
自分と似たスタイルの生き方、働き方をしている人をロールモデルにすると良いだろうと勝間さんは書いている。
勝間さんのロールモデルは2021年現在85歳で現役で活躍している作詞家・音楽評論家の湯川れい子さんをロールモデルにしいるという。
組織で働く人は、どうしても仕事 = やらされ感が出て、「早くリタイアしたい」と考える人が多い。
しかしリタイアしてやることもなく、お金は目減りしていく不安のなか40年生きるより、自発的に社会と関わり仕事をしてお金を稼ぎ続ける喜びを持つ人生を続けることが大切なのだ。
老化と社会的リスク
3つ目のリスクは「社会的リスク」である。
会社勤めの人は、定年退職すると出勤する会社がなくなり、会社の仲間との縁が切れてしまう。
所属する場所がなくなることで、人とのつながりがなくなって、行き場も失ってしまう。
また、年齢が上がっていくと同世代の仲間や友達が亡くなることで減っていき、孤独・孤立するようになっていく。
そうなってくると、いかに若い世代の人々と関わることができるかが重要になる。
しかし、一部の高齢者は自分の過去の自慢話や説教などをしてしまい、若者から敬遠されてしまう。いわゆる「老害」である。
社会的に孤立しないためにも、一生続けられる仕事を早い段階で見つけること、そして自分より若い世代に受け入れられるよう、心身ともに若く保ち柔軟性を持つことが大切だ。
まとめ
読んでいただいて分かるとおり、本書はいまの日本社会が抱える問題の本質を正面から扱っている、ある意味「暗い」本である。
現段階で「健康」「お金」「社会」のリスクに何も対策を講じていない人は、読んでいて暗い気持ちになるだろう。
しかし、一つ一つの対策を講じてリスクを回避していくことは、そのまま「健康で豊かな、充実した100年」へとつながっていくのだ。
著者の勝間さんと僕の共通点として、この不老長寿時代に向け、一生続けられる仕事を持ち、健康にも人一倍気をつかい、社会とのつながりも重視していることがある。
もちろんどんなに健康に留意しても、明日突然死んでしまうかもしれない。それは誰にも分からないことだ。
しかし、「分からないから好き放題やる」という生き方は僕は賛成しない。
なぜなら、好き放題して病気になり、お金もなくなった状態でも長生きしてしまう可能性もあるからだ。
やるべきことをすべてやり、その結果どうなるかは神様にお任せするしかない。
僕はいま52歳だが、本気で100歳、いや120歳まで生きる前提で人生を見通している。
変化が激しい世の中だから、20年後の世界がどうなっているかまったく分からないが、「元気があれば何でもできる」の精神で、充実した人生を歩みたいと思う。
骨太で素晴らしい本でした。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。