9. けっしてあきらめない。ふたりなら、きっとなんとかなる
長い結婚生活を続けていくうえでは、お互いの主張がぶつかり、難局を迎えることもある。
だが、ぶつかることを恐れて自分の主張をせず、「いい人」のふりをしては絶対にいけない。
その「いい人」とは、相手から見て都合の良い存在という意味の「いい」人にしかすぎない。
一緒に長い道のりを歩いていくのに、相手に対する不満を隠し持ったままでは、幸せに歩むことなどできない。
だからこそ、自分の主張はしっかりするべきだ。
そしてその時には、主張をしつつも、必ず解決できるという信念を持って取り組むことが大切だ。
お互いに意見が対立した時には、しっかり自分の意見を論理的に伝え、そして相手の論理的な意見を聞く。
それをお互いに積み上げていくと、お互いが納得できるポイントが見えて、かたっと歯車が動く時が来る。
投げやりにならず、相手の意見を尊重しつつ、必ず解決するのだという信念を持って難局を乗り越えよう。
10. 妻に育てられるのは、男子の本懐
長い結婚生活を共にするにあたり、とかく男性は猪突猛進突っ走りがちである。
一方女性には「母星」「母艦」などという言葉もあるが、子供に対するだけではなく、夫に対しても母性を発揮し、飛んでいってしまう夫を手のひらの上で転がす「夫育て」の能力を持つ。
手のひらに乗せているが、それを夫にも世間にも気づかせない。
それが妻の持つ大いなる力なのだ。
しゃにむに突っ走る夫の方向性がおかしければ警告を発し、時には軌道修正をする。
そして一番身近にいて正しい評価をしてくれるパートナー。
だからこそ、夫は妻に育てられるのが本懐なのだ。
夫は絶対に妻には勝てない。そもそも妻の手のひらに乗っているのだから、勝負になどなるはずがない。
吉越さんは最後にこのようにまとめている。
「(妻は)自分の生きた証を、もっとも身近で正しく採点してくれる評価者でもあります。その評価に最期に「ありがとう」と言うことが、夫婦が添い遂げる意味でもあるように思います。」
まとめ
結婚を取り巻く日本人のスタンスは、昨年の大震災を機に変化し始めているという。
結婚を望み実際結婚するカップルが増えた一方、離婚も増加した。
要は、いつ何があるか分からないから、支え合う相手と一緒に暮らしたいという人が増えているのと同時に、いつ死ぬか分からないのに、我慢している場合ではないと、離婚に踏み切る人たちも増えたということだろう。
僕自身一度結婚に失敗して離婚し、再婚した立場なので、吉越さんのように40年連れ添うという境地には遠く及ばない。
だが、パートナーと支え合いながら長い道のりを歩いていくという表現は、まさに僕が思い描く結婚像と一致する。
結婚に踏み切れないでいる方や、迷いの中にいる方、そしてまだ全然準備ができていないという方も。
そしてすでに結婚していて、かつての楽しかった夫婦関係からは離れてしまったという方も。
未婚の方達には大切なことを教えてくれる一冊。そして既婚の方達には、大事なことを思い出させてくれる一冊。
心がじんわり温まる名著。おすすめです。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。