心・心理・あり方書評

幸せに生きるために知っておくべき 7つのこと

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この記事では「幸せに生きるために知っておくべき7つのこと」をご紹介します。

こんにちは。ビジネス書作家・ブロガー・心理カウンセラーの立花岳志です。

当ブログでは、皆さんが人生をより自由に、より美しく、より楽しく生きるための情報やメッセージをシェアしています。

今回は「幸福」に関する素晴らしい本を読んだので皆さんにシェアしたいと思います。

サブタイトルにあるとおり、「最新科学から最高の人生を作る方法」について網羅的に解説された一冊。

精神科医の樺沢紫苑さん著、「精神科医が見つけた 3つの幸福」という本です。

本書を読んで大切に感じた7つのポイントを解説したいと思います。

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幸せに生きるために、「3つの幸福」の優先順位を知ろう

この本のタイトルにもなっている「3つの幸福」。

その意味と優先順位を理解することが、まず何よりも大切だ。

著者の樺沢さんは、3つの幸福は「セロトニン的幸福」「オキシトシン的幸福」「ドーパミン的幸福」に分類されると定義している。

セロトニン、オキシトシン、ドーパミンは「3大幸福物質」と呼ばれる脳内物質だが、それぞれ性質が異なる。

樺沢さんは3つの幸福の優先順位を知ることが何よりも大切と説き、それを「幸せの三段重理論」と命名している。

優先順位は、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福の順になる。

セロトニン的幸福とは?

セロトニン的幸福とは、ひとことで言うと「心と身体の健康」の幸福を意味する。

「体調がいい」「気分がいい」「清々しい」「爽やか」など、日々の生活の基盤となる幸福である。

良いお天気の朝に太陽の光を浴びながら散歩をしているときに、「ああ、気持ちが良いな」と感じる時、脳内にはセロトニンが分泌されている。

また、仕事や趣味に取り組んでいるときに高い集中力が得られて没頭している時や、瞑想をしている時、考えや感覚が研ぎ澄まされている時なども、セロトニンが分泌されているという。

つまりセロトニン的幸福というのは、我々が日々健やかに気持ち良く生きていることができれば得られる幸福だ。

しかしいっぽうで、日常生活に当たり前のようにあってしかるべきセロトニン的幸福が損なわれるとどうなるだろう。

それは病気だったり体調、心の状態が悪いということを意味する。

苦しい、つらい、感情が不安定、イライラしている、体調が悪い、身体がだるい、注意力が散漫で集中できない、仕事のパフォーマンスが低いなど。

セロトニンの分泌が低下すると、上に書いたような心身の不調が現れる。

感情のコントロールが利かなくなり「キレやすく」なったり、ひどくなるとうつ状態になったりする。

また身体の痛み、つらさへの我慢が弱くなるという特徴もあり、身体のあちこちの痛みを訴えるようにもなるという。

セロトニン幸福とは、健康で気分がいいなど、一見すると「当たり前」と感じるような幸福である。

「そんなことが幸福なの?」と思うかもしれないが、失われるとはじめて「かけがえのない幸福」であることに気付くことになる。

若い人の多くは健康なので努力せずに手に入るが、年齢を重ねると徐々に不調の人が増えていく。

だからこそ、セロトニン的幸福が失われないよう、病気にならないよう「予防」することが極めて重要になる。

どんなに金銭的に成功しようが、どんなに幸せな家族に囲まれていようが、自分の健康を害して寝たきりになってしまっては、どんな幸福も享受することができない。

幸せになるために、最も基盤になるのがセロトニン的幸福なのである。

オキシトシン的幸福とは?

オキシトシン的幸福とは、ひとことで言うと「つながりによる幸福」である。

他者との交流、関係によって生まれる幸福を感じるとき、脳内ではオキシトシンが盛んに分泌されている。

夫婦関係、パートナーシップ、親子関係、スキンシップによる安心感、幸福感。

スキンシップ、キス、性交などの肉体的な交流。

友人や仲間との連帯感、信頼感、一体感や、コミュニケーションによる楽しさ、コミュニティへの帰属意識。

ペットとの触れ合いや癒やしなどもオキシトシン的幸福に分類される。

自分一人で感じるのがセロトニン的幸福だとすると、誰かと一緒にいて「楽しい」「安らぐ」「癒される」と感じるのがオキシトシン的幸福である。

具体的には「安心」「やすらぎ」「癒された感」「ゆったりとしたリラックス」「みたされ感」などがオキシトシン的幸福で得られる幸福だ。

良くオキシトシンは肉体接触によって分泌されるといわれるが、実はそれだけではない。

コミュニティに所属して仲間と交流できる喜びもオキシトシン的幸福になるし、友人・仲間と交流もオキシトシン的幸福である。

逆に、オキシトシン的幸福が損なわれるということは何を意味するか。

それは「孤独」「孤立」であり、人間関係の問題である。

夫婦関係が上手くいっていない、パートナーが浮気をしているなどはもちろんですが、学校や職場での人間関係が上手くいっていないとか、いじめなども深刻な問題になるだろう。

人間関係のストレスは脳を疲労させ、うつ病などのメンタル疾患を引き起こすことがある。

オキシトシン的幸福が失われると、、連鎖反応でセロトニン的幸福も失われてしまう。

仕事のストレスでも、仕事自体の内容に関するストレスより、職場の人間関係で悩んでいる人が圧倒的に多い。

つまり、オキシトシン的幸福を職場で得られていないと、仕事のパフォーマンスを上げて成果を出す「ドーパミン的幸福」を得ることができないことになる。

逆にいうと、家庭や職場における人間関係が良好で、オキシトシン的幸福がしっかり得られてこそ、周囲のサポートを得られ、仕事の成功が加速して、ドーパミン的幸福を得ることができるようになるのだ。

ドーパミン的幸福とは?

幸せの三段重の一番上に位置するのがドーパミン的幸福である。

ドーパミン的幸福とは、ひとことで言うと「成功」「達成」の幸福である。

ドーパミンは脳を昂奮させる作用がある。

したがってドーパミン的幸福には「高揚感」が伴う。

そして、ドーパミン的幸福を得るためには、努力や行動といった「対価」が必要になる。

セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福は「静かな幸福」であるのに対して、ドーパミン的幸福は高揚感と昂奮が伴う、激しくて大きな幸福である。

だからこそ、多くの人はドーパミン的幸福こそが「幸福」だと思い、そこを目指したくなる。

お金、財産、富、仕事での成功、目標達成、地位や名誉などの社会的成功、学び、自己性尿、物欲、承認欲求、食欲、金銭欲、性欲など。

ドーパミンは我々の「モチベーション」「やる気」の源であり、ドーパミンが出るからこそ頑張ることができ、結果として自己成長にも繋がる。

だが、ドーパミンには危険な要素もある。

ドーパミンには依存性があるのだ。

ドーパミン的幸福には際限がなく、「もっともっと」という性質がある。

気軽にドーパミン的な快感が欲しい人は、お酒や薬物、ギャンブルなどに手を出してしまう。

また、ドーパミン的幸福は一度手にしてしまうとその喜びが逓減してしまう性質がある。

手に入れた瞬間はメチャクチャ嬉しいのに、あっと言う間にそれは当たり前になり、「もっともっと」と求めてしまう。

ドーパミン的幸福には光と陰があり、依存性が高いため、取り扱いが難しい。

我々に自己成長や達成を引き起こしてくれるいっぽうで、依存症という恐ろしい性質も持ち合わせている。

依存症になるとセロトニン的幸福もオキシトシン的幸福も一気に失うことになるので要注意だ。

3つの幸福の優先順位とは?

著者の樺沢さんは、3つの幸福の優先順位がとても大切だと力説している。

その優先順位とは、

セロトニン的幸福 → オキシトシン的幸福 → ドーパミン的幸福の順である。

言い換えると、「健康の幸福」→「つながりの幸福」→「成功の幸福」の順ということになる。

成功することを追い求めるばかりに自分の身体をないがしろにしたり、家族を放り出すようなことをしていては、結果すべての幸せを逃すことになるということ。

樺沢さんは精神科医として多くの患者さんを見てきて、この事実に気付いたという。以下引用しよう。

「私は気付きました。セロトニン的幸福をないがしろにして、ドーパミン的幸福を目指すと、メンタル疾患や身体疾患に陥るのだと。幸福になるどころか「不幸」になってしまうのだと」。

同じように成功を追い求めるばかりに、家族をないがしろにして妻から離婚されたり子供に嫌われたりしても、幸せは手に入らない。

まずは心身の健康というセロトニン的幸福でしっかりと土台を作り、その上でオキシトシン的幸福を築き、その上で高層ビルのようにドーパミン的幸福を構築していく。

この順番こそが「幸せの三段重理論」であり、この本「3つの幸福」の重要なメッセージになる。

幸せの4つの性質を知ろう

「3つの幸福」に続いて、本書で述べられている「幸福の4つの性質」についても説明しよう。

幸せの性質1. 「BEの幸福」、「DO」の幸福を知る

セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は、「そこにある幸福感」である、と樺沢さんは説いている。

つまり、「ある」 = 「BE」の幸福。

朝起きて気持ちの良い青空を見上げて爽快な気持ちになるとき、それには「セロトニン的幸福」が「ある」。

朝起きると最愛のパートナーがいて朝食を作ってくれている。そこには「オキシトシン的幸福」が「ある」。

セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は、静かにただそこに「ある」ために、その存在に気付かないことも多い。

失ってはじめて気付くことが多い「BE」の幸福に、日ごろから注目するようにしよう。

いっぽうドーパミン的幸福は、行動や努力の結果もたらされるものなので、「やる」 = 「DO」の幸福ということができる。

何かをすることによって得られるのがドーパミン的幸福で、何もしなければ得ることはできないものである。

逆を言えば、行動すればするほど、行動に見合ったドーパミン的幸福が得られるのだから、行動しないのは損ということになる。

幸福の性質2. 幸福は「結果」ではない。「プロセス」である

多くの人は「幸せ」を「結果」と捉えている。

なんらかの達成をすると幸福になる、という考え方だ。

努力して何かを成し遂げると、そのご褒美として幸せがやってくる。

そう勘違いしている人が多い。

しかし実際は、日々生活をしているなかで、爽快さやつながりに対する喜び、日常の小さな改善や進歩を感じながら生きている。

それら一つ一つのできごとが幸福物質を分泌させるのだから、我々は「日々幸せ」なのである。

ゴールに到達した先に幸せがあるのではなく、ゴールに向かって一歩一歩進む「プロセス自体が幸せ」なのだ。

今は不幸で階段を昇った先に大きな幸せがあり、昇ったあとに幸せになるのではなく、いまこの瞬間、昇っている今が幸福なのだ。

多くの人はそのことに気付かないが、「幸福はプロセスである」ことに気付けば、あなたは今この瞬間から幸せを実感することができるだろう。

幸福の性質3. 幸せは劣化する ーー 「減る幸福」と「減らない幸福」

すでに説明したとおり、幸福にはセロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福の3つがある。

そのうちドーパミン的幸福は、逓減してしまう性質がある。

目標を達成したり何かしら大きな成功を得た瞬間には、激しい昂奮を伴う幸福感がある。

しかし、その幸福はすぐに収まってしまい、同じ達成をもう一度しても前回のような喜びは感じない。

「もっと高いレベルに!」「もっと年収を高く!」「もっと高い地位に!」と追い求め、そして達成してもすぐにその幸福は逓減してしまう。

いっぽうセロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は逓減せず、いつまでも続く。

快晴の日が一週間続けば、毎朝起きるたびに「気持ちが良い!」と感じる。

晴れが一週間も続くと飽きて気持ち悪くなった、という人はいないだろう。

赤ちゃんやペットを抱っこするときに感じる安らぎも、「毎日だともう飽き飽き」ということにはならない。

セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は逓減することはなく、ドーパミン的幸福は逓減する。

だからこそ、幸せのベースはセロトニン的幸福、オキシトシン的幸福でしっかり築くことが大切だ。

そのうえで、ドーパミン的幸福は「プラスアルファ」の付加的幸福、「スペシャルイベント」として捉える。

それにってドーパミン的幸福が、基盤がしっかりしたあなたの幸福に彩りを添えることになるだろう。

幸福の性質4. 「幸福の掛け算」で全ての幸福が手に入る

ここまで述べてきたとおり、セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は逓減せず、ドーパミン的幸福は逓減しやすく、しかも依存性があって危険でもある。

では、ドーパミン的幸福を追求し、3つの幸福すべてを手に入れることはできないのか?

それが「幸福の掛け算」で可能になる。

オキシトシンは感謝をした時に分泌される。

その特性を活かし、ドーパミン的幸福を得たときに「感謝する」こと。

大きな達成をした時にも「感謝」。大金を得たときにも「感謝」。

思い切り感謝をすることで、ドーパミン的幸福とオキシトシン的幸福のカクテルのような状態になる。

逓減しやすいドーパミン的幸福を、感謝することでオキシトシン的幸福と掛け算していく。

それによって「逓減しやすい幸福」を「いつまでも続く幸福」に変えていくことができる。

そして、「お金・成功」「つながり」「健康」という3つの幸福すべてを手に入れることができるのだ。

まとめ

幸せに生きるために大切な「3つの幸せ」と幸せの「4つの性質」、併せて7つのポイントを解説した。

本書は360ページ以上ある大作である。

ものすごい情報量であり、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福のそれぞれの特性や活かし方などが詳細に解説されている。

また、それぞれの幸福を我々の実生活でどのように活かしていくかの状況別の解説も詳細にされている。

この書評を読んで気になった方は、とにかく本書を手に取ってみることをオススメする。

「幸福になりたくない」と思う人はいないだろう。

しかし、「いまこの瞬間が幸福なのだ」と実感できている人も少ないのではないだろうか?

この本を読むことで、「幸福の本質」が理解できるとともに、もっとも大切なことに気付かされることになるだろう。

私は、いまこの瞬間にこうしていること自体が、圧倒的に幸福なことなのだ」ということに。

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