心・心理・あり方書評

嫌われる勇気 by 岸見一郎 古賀史健 — 自由に生きるために持つべき「嫌われる勇気 」7つのポイント

心・心理・あり方書評
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5. ほんとうの自由とはなにか

アドラー心理学では、人間のすべての悩みは対人関係の問題であると定義していると前項で書いた。

対人関係の問題に大きく関わってくるのが、人間の「承認欲求」である。

「あの人から好かれたい」「あの人に大切に思われたい」「あの人に有能だと認められたい」と僕たちは思い悩み、苦しんでいるのだ。

しかし、アドラー心理学では、他者から承認される欲求を否定する。

なぜなら、他者から承認されるかどうかは、自らコントロールできない領域、他人の領域で行われることだからだ。

「あの人から好かれたい」とどんなに願ってさまざまなプレゼントをしたところで、相手があなたを好きになるかどうかは、あなたのコントロール外なのだ。

コントロール外のことを思い悩んでも物事はなにも解決しない。

どんな物事にも、3つの領域がある。

自分でコントロール可能な、自分の領域、自分ではコントロールできない他人の領域、そして天災や突然死など、誰にもコントロールできない、いわば「神の領域」だ。

本当の自由とは、他人の領域には一切介入せず、自分の領域には誰一人として介入させないことである。

つまり、自由とは、他者から嫌われることなのだ。

他者の評価を気にかけず、そして自分の判断にはいかなる他者の介入をも許さない。これこそが本当の自由なのだ。

もちろん他者から嫌われることは怖い。

しかし、他紙個から嫌われることを怖れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。

つまり自由になれないのだ。

幸せになる勇気には、「嫌われる勇気」が含まれるのだ。

6. 「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ

僕たちは人生を生きるうえで、大きな過ちをしてしまいがちだ。

それは、過去と未来だけを見て、「いま、ここ」を見ないことだ。

高校生が、「高校入試で失敗したから大学入試もきっとダメだ」と嘆くのは、まさに過去と未来しか見ていない行為だ。

僕たちが「今まで自分の生きたいように生きられなかったから、きっとこれからも同じだ」と言うのも同じ。

過去はもう終わったことで、未来はまだ来ていないことだ。

この二つには何の相関関係もないのに、僕たちは劣等コンプレックスでこの二つを連結して自分を貶めてしまう。

過去を変えることはできない。しかし、未来はまだ訪れていないのだ。

だからこそ、「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てて、過去も未来も見えないぐらい眩い光で自分の人生を包み込んでしまおう。

「人生とは点の連続であり、連続する刹那である」

過去と未来を連結してしまうと、口当たりのよい「ストーリー」が生まれ、まるで人生はそのレールの上を走っているように錯覚してしまう。

しかし、人生は「点」なのだ。だからこそ、次の「一点」をどこに打つかは僕の選択でありあなたの選択であり、他の誰もその点をどこに打つかに介入することはできないのだ。

未来を作るのは「いま、ここ」の自分だけなのだ。

そのことをしっかり認識しよう。

 

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