心・心理・あり方書評

7つのチャクラ by キャロライン・メイス — 僕たちはモノやカネだけでは幸せになれない

心・心理・あり方書評
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「チャクラ」という言葉をご存知だろうか。

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チャクラとは、サンスクリット語で「車輪」や「円」を意味する言葉で、インド起源の「気の流れの核」、エネルギーセンターを指す。

僕たちは「気」という言葉を何気なく使っているが、西洋的物質世界、科学主義的世界においては、「気」というものは存在しない。

しかし、東洋世界、日本で生きる僕たちにとって、「気が滅入る」「気を張っている」「気難しい」など、「気」という言葉はごく身近な存在である。

そして「気」という言葉を含む「空気」という言葉も、日本人なら誰しもが物質世界にある「酸素」や「窒素」という意味ではない「空気」の存在を知っている。

「会場の空気に飲まれた」「あのヒットが完全にチームの空気を変えた」「あいつは空気を読めない」など、僕たちは当たり前のように使っている。

チャクラとは、これらの「気」が集中的に集まる身体の中の「エネルギーセンター」で、7つあるとされている。

今回読んだ「7つのチャクラ」は、人間に存在するチャクラについて書かれた本だ。

7つのチャクラ (サンマーク文庫)

キャロライン・メイス サンマーク出版 2009-02-17
売り上げランキング : 4974

by ヨメレバ

 

 

 

西洋的な科学主義では説明できない「気の流れ」と「病」の関連性に注目した一冊だ。

普段このような世界観に触れる機会がない人も多いと思う。僕もその一人だ。

さっそく紹介しよう。

 

 

 

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7つのチャクラ by キャロライン・メイス — 僕たちはモノやカネだけでは幸せになれない

この本をいま読もうと思った理由

そもそもこの本「7つのチャクラ」の存在を知ったのは、昨年受講した岡部明美さん主宰の「7期 LPL養成講座」だった。

LPL養成講座については、詳しくはこちらをご覧ください。

岡部明美 7期 LPL養成講座 総括 — 学んだこと 得たもの そして僕に訪れた劇的な変化 | No Second Life

 

 

「7つのチャクラ」は講座の課題図書のうちの一冊だったのだが、課題ワークや他の本の読書に終われ、僕はこの本を講座期間中に読み終えることができなかった。

昨年からずっと「読みたいな」と思いつつ、手が出せなかったのだが、最近想うことが色々あり、この本を読まないと先に進めないと観念し、やっと読むことができた。

その「最近思うこと」について、この後書いていこうと思う。

 

 

 

「やりたいこと」の誤解

僕は40回以上のセミナーやワークショップを開催してきている。

セミナーのテーマはそのときごとに異なるが、回を重ねるごとに気になることがでてきた。

それは、セミナーで僕が指導させてもらったことを、すいすいと実践していく人と、まったく実践できない人がいるという事実だ。

 

 

たとえばブログセミナーを開催する。

セミナーでお話ししたことを、翌日からもう実践して、どんどん成果を上げていく人がいる。

いっぽうで、懇親会では「ブログ始めます!」と言っていたのに、1ヶ月たっても3ヶ月たっても、まったく動けない人もいる。

その違いはなんだろう?と真剣に考えるようになった。

従来は、「やる気」の差という一言で片づけられていたことかもしれない。

しかし、では、「やる気」とはなんだろうか。

そのことを深く考えていくと、そこには、「やりたいこと」をどうやって捉えているかによって、身体が動く人、動かない人(始められない人)に分かれるのではないか、という確信のようなものが僕の中に芽生えてきた。

 

 

ブログでたとえれば、「ブログを書くことが楽しい!」と感じている人は、ブログの書き方を教えれば、どんどんそれを吸収して伸びていく。

やっていることが楽しいから、上手くできるようになってもっと嬉しいのだ。

いっぽうで、「ブロカーのように自由で影響力を行使できる存在になりたい」と思って参加している人もいる。

その人たちは、「ブログを書くこと」が純粋に楽しいわけではなく、「自由」と「影響力」が欲しいだけの場合もある。

その場合、コツコツ毎日地味に記事を書く、という作業は苦痛にしかならず、したがって続けることができない。

ひどい場合は、そもそも始めることすらできなかったりするのだ。

 

 

これはブログに限ったことではない。

「年収2千万になりたい」「フェラーリに乗りたい」「六本木ヒルズに住みたい」。

こういった願望は、人間が生きる根源的な歓びを現しているものではない。

お金や車、マンションといった社会的記号を手にするという、「社会的欲望」をベースにした願望だ。

願望があること自体悪いことではない。本人が幸せで、かつ物質的・経済的にも恵まれたなら、それはとても豊かで幸せなことだ。

ただ、社会的な欲望をベースとした目標を設定すると、人間は往々にして一番大事なことを忘れてしまう。

それは、「その目標が達成されたらどんな気持ちになれるのか」について深く考えずに目標が設定されてしまうことだ。

 

 

人間はフェラーリに乗れれば幸せになれるのだろうか?

逆にいうと、フェラーリに乗れないと、人間は不幸なのか?

フェラーリに乗ったら、あなたはどんな気持ちがするだろうか?

それは単に虚栄心と自己顕示欲が一時的に満たされるだけのことに過ぎないのではないか?

フェラーリを手に入れるために、人を騙すような仕事をしたり、従業員を奴隷のようにこき使ってお金を得たとして、あなたは本当に幸せだろうか。

フェラーリを買うお金を得るために、猛烈なストレスを感じるビジネスを日々続けていたとして、あなたは本当に幸福だろうか。

 

 

多くの人が、物質社会、科学万能主義社会において、企業や国が設定した、「社会的欲望」を幸せの基準にしてしまっているように感じる。

そして、僕がセミナーで感じる違和感も、それに近いものがある。

お金や物質は、本当に僕たちを幸せにしてくれるものなのだろうか?

もっとずっと大切なものを、僕たちは見失っているのではないか。

その違和感を解消するためのヒントになるのではいないかと思い、この本を手に取ったのだ。

 

 

 

「ストレス」からの本当の解放

この本の著者、キャロライン・メイスさんは、特殊な能力を持った女性だ。

この人は、他人の「気」から、その人が犯されている「病」を見抜くことができるのだ。

つまり、会って話をした瞬間に、その相手が抱えている病気と、その病気が起こった理由が「直観」で分かってしまうのだ。

キャロライン・メイスさんは、「直観医療」の第一人者なのだ。

 

 

直観医療とチャクラがどう関係しているのか。

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チャクラは7つあり、第1から順に、下腹部、丹田、みぞおちと徐々に上がっていき、第7チャクラは頭頂となる。

(図はこちらのサイトからお借りしました)。

 

 

また、第1〜第7の各チャクラには、それぞれの「エネルギーセンター」として、扱う「気」の種類が決まっている。

そして、第1チャクラから順に、低次から高い次元へと、扱う「気」のレベルが上がっていく。

たとえば第1チャクラは「同族」のエネルギー。第2チャクラは「パートナーシップ」や「人間関係」。

第6チャクラは「理性の力」、そして最高位の第7チャクラは「人間と霊性のつながり」のエネルギーとなる。

 

 

さらに興味深いのは、各チャクラには、代表的な精神、感情面の問題や身体の機能不全などの現れ方が集約されているのだ。

たとえば第1チャクラの問題、つまり家族の問題を抱えて強いストレスを感じている人は、慢性の腰痛や坐骨神経痛などを患いやすい。

第4チャクラ、ハートチャクラにストレスを抱えている人は、心臓疾患や乳がんなどの病を患う可能性が高いのだ。

「直観」で人の病状が分かってしまう特殊能力を持つ著者は、やがて、以下のように考えるようになった。

 

その人の病気を見抜く

その人が抱えているストレスの元を探る

その人のストレスの原因を取り除く

病気が消滅または軽減する

 

彼女の試みは上手くいくこともあれば、上手くいかないこともあった。

しかし、本書を読み進めると、多くの患者は、自分が囚われている心のビリーフを解放することに成功していく。

そしてビリーフがなくなるとストレスもなくなり、それが病気の治癒へと繋がっていくのだ。

多くの人たちが物質やお金といった、それまでこだわっていたしがらみから解き放たれ、魂が本当に望むことをすべく舵を切っていく。

その姿は美しく、感動的ですらある。

 

 

 

生きることの「プロセス」

人間は誰しもが必ず死ぬ。

この世に生を受けた瞬間から、それだけは間違いがない、宇宙のルールだ。

だから、僕たちは、生まれた瞬間から死ぬ瞬間まで、人生という旅をしていくのだ。

そして、その人生のすべての段階が、本来ならば「人生のプロセス」の一部であり、すべてがその人の人生そのものなのだ。

しかし、現代においては、多くの人が、「今ココ」の自分を承認することができず、自分に過大なストレスを課して生活している。

「老後の安心のため」に猛烈に働きお金を貯める。

それ自体は悪いことではない。良いことだ。

しかし、その「お金を貯める」ためにしている仕事に、猛烈なストレスを感じていたなら、その人の人生は、何のために存在しているのだろう?

「定年退職したら貯めたお金でゆっくり過ごすよ」という人生の人は、定年退職するまでは、その人の本当の人生が始まっていない、ということなのか?

そして、ストレスに満ちた仕事のせいで病気になり、定年を待たずに死んでしまったなら、その人の人生は、あまりにも悲しいものではないだろうか。

 

 

この本では、多くの深刻な病に冒された人たちが、自分の中に深く根付いていたストレスの元凶と向き合っていく。

そして、ストレスの元が、実は「社会的記号」にすぎないと気づき、手放していく。

「名誉」「社会的地位」「お金」「家」「他人からの目線」といったものが、本質的なものではないと、気づいていくのだ。

どんなにお金を稼いでも、家族がバラバラで夫婦仲が険悪であれば、その家庭には歓びはなく、虚しさだけが募るだろう。

家族がバラバラになっている理由が、あなたがお金を稼ぐために一年中家にいないことが原因なら、あなたは「稼ぐ」から「家族と供に過ごす」に人生の価値観の舵を切る必要があるのではないか。

7つのチャクラに登場する多くの人たちは、そのことに気づき、そして人生の舵を切っていくのである。

 

 

 

お金のためにやりたくない仕事を続けることは「気の売春」である

この本の中に、衝撃的な文章があった。

第2チャクラ、パートナーシップや性に関するチャクラでの一文だ。

「お金のためにやりたくない仕事を続けることは「気の売春」である」という文章だ。

お金を得るために、自分の心の一部を売り渡すこと。これを著者は「気の売春」と呼んでいる。

組織で働くには、誰しも多かれ少なかれ、不本意な思いをして働かざるを得ないこともある。

だが、それがあまりにも頻繁に、日常的に発生するのは問題だ。

売春をすると、人は心の尊厳を失うのだ、と著者は述べている。

つまり、自分の中に「お金のために自分の存在を貶めている」という後ろめたさが生まれ、そのストレスが人の心や、ひいては身体を蝕むのだ。

 

 

 

まとめ

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この本は、「チャクラ」について網羅的に解説している本という印象は薄い。

著者とチャクラの関わりについて、そして直観医療を通じてチャクラが確かに人間に存在しているという存在証明の本というイメージだ。

この本では多くの登場人物が、キャロラインとのやり取りを通じて、自らの人生の舵を大きく切っていく姿が描かれている。

多くの人は、自分の身に降りかかる不条理なことや怒り、悲しみを正面から受け入れることができず、自分の人生を意図的に歪めて見てしまっている。

本書では、それらの歪みがなぜ起こるのか、そしてその歪みが人々の身体にどのような悪影響を与えているかが淡々と描かれている。

そして、彼らがその歪みに気付き、自らの本来の人生航路を受け入れたとき、彼らに、時として劇的な変化が起こるのである。

モノ、カネ、地位、名誉。

そういったモノサシでは、人間の魂は満足しないものなのかもしれない。

 

 

魂が喜ぶ生き方をできている人は幸せだ。

魂が喜ぶ生き方をしている人に、僕はどうやらなりつつある。

そして、魂が喜ぶ生き方をする人が一人でも多くなるようにサポートする。

それが僕の仕事だと、腑に落ちつつある。

 

 

7つのチャクラ (サンマーク文庫)

キャロライン・メイス サンマーク出版 2009-02-17
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