心・心理・あり方書評

考えない練習 by 小池龍之介 〜 心を静かに研ぎ澄まそう!! [書評]

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ブックレビュー2010年の89冊目は、小池龍之介氏著、「考えない練習」を読了。

著者の小池氏は禅僧である。

そして禅僧の立場から、現代の日本人が抱える様々な問題が「頭」「脳」で考えることにばかり重点が置かれたことによる「思考病」に由来するものであると説き、頭で考えるのではなく五感で感じるのが本来の人間の機能であると説明している。

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考えない練習 by 小池龍之介 〜 心を静かに研ぎ澄まそう!! [書評]

さて、当然のことだが、僕にも心当たりがある。

思考病とはどのようなものなのだろうか。

例えば、知人との待ち合わせに遅れそうになった時のことを思い出して欲しい。

どう考えても15分は遅れそうなのに、何故か相手には「5分ほど遅れそう」と連絡してしまった経験は誰にでもあるのではないだろうか?

何故そんなことをするのか。

15分遅れるのなら、最初から「15分遅れそうです」と連絡した方が、相手にも親切だし、自分だって目標時間までに到着できるのだから、正確に伝えれば良いものを、何故不正確な時間を言ってしまうのか。

相手の期待を裏切りたくない、しかし相手に迷惑をかけてしまう。

そのような思考のパニックの中で、相手の機嫌を損ねないために待たせる時間を短く伝えてしまい、結果として自分にも相手にもダメージを与えてしまう。

これも典型的な思考病である。

脳は辛いことや苦しいことなどの刺激を快楽的な刺激と区別できないのだと著者は説く。

しょっちゅう怒っている人の脳では、本来負の刺激であるはずの怒りが、脳によって気持ちの良い刺激と誤解され、より多くの刺激を求めてさらに怒りっぽくなる。

そのような思考が定着してしまうのだ。

そんな我々は、意識して「考えない」練習を繰り返すことが必要だ。

考える代わりに五感で感じるのだ。

例えば満員電車は暑くて狭いという事実に対して、人間誰しも「嫌だ」という感情を持つものだ。

満員電車は嫌だ。

当たり前とも思われる考え方だ。

だが、そこで敢えて、「満員電車」と「嫌だ」という思考を分断し、ただ体が感じる事実だけを受け入れるようにする。

「気温が高いようだ」「夏休みが終わって学生が乗ってきているから混雑が激しいようだ」という事実を受け入れて、目や耳から入ってくる情報に集中するのである。

そして呼吸を整える。

人間は不快な時には必ず呼吸が浅く短くなっているので、呼吸を深くやったりすることで、逆に心も落ち着いてくるのだという。

そのようにして脳がいちいち考えることをやめさせ、五感に身を任せることで、僕らはゆったりとやすらかに生きていけるようになるという。

そう簡単にそのような境地には辿り着けそうにないように思うが、一歩ずつ進んでいくことで、少しでもゆとりのある「いい感じの大人」になれたらと思う。

まずは深呼吸から始めよう。

「考えない練習」のチェックはこちらからどうぞ!!

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