心屋仁之助さんの新刊「いいかげんに、生きる」を読んだ。
心屋さんのご本は大好きで、僕自身の「あり方」に大きな影響を与えてくれた。
心屋さんのご本の書評はこちらからどうぞ。
新刊のテーマはタイトルそのまま「いいかげんに、生きる」。
でも、現代に生きる僕たちは、なにごとに対しても、一生懸命がんばり過ぎなのだ。
心屋さんもかつてはサラリーマンとして、必死に頑張って生きてきたという。
そして僕も、いつも真面目に一生懸命がんばってきた。
でも、頑張ってもがんばっても、楽にならないし、いつも虚しかったり哀しかったり。
そんな人生を送ってきた。
そんな僕たちにはまさに、「いいかげんに、生きる」ことが大切なのだ。
本書に綴られた心屋さんの言葉から、特に響いたものを10、ピックアップしてみた。
さっそく紹介しよう。
いいかげんに、生きる 〜 心屋仁之助さんに学ぶ 7つの「良い加減」
1. 「他人」から「自分」に軸を移す
一生懸命に生きている多くの人は、「人に迷惑を掛けないように」とか「会社の意向に背かないように」「家族にダメ出しされないように」と頑張っている。
でも、ふと考えると、「人」も「会社」も「家族」も、自分ではない。
そうやって頑張っている人は、「人生の軸」が他人になってしまっている。
だから、なにをやっていても虚しかったり哀しかったりする。
この「人生の軸」を、「他人」から「自分」に移すのだ。
心屋さんはこう書いている。
他人の決めた目標のままに動かない
他人に迷惑をかけないようにって自分の気持ちを殺さない
他人のことはかまわず、自分の好きなようにやってみる
今までずっと他人軸で生きてきた人にとっては、これはとても大変なことに思えるだろう。
僕自身、38歳でブログをスタートさせるまでは、ずっと他人軸で生きてきた。
当時の僕の座右の銘は、村上春樹さんの「ノルウェイの森」に出てくる永沢さんのセリフからとった、以下のフレーズだった。
「やりたいことをするのではなく、やるべきことをするのが紳士だ」
僕はこの言葉を頼りにして、ずっと自分のやりたいことを封印してきていた。
でも、それでは、いくら頑張っても結果を出しても、辛いままだった。
軸を自分に移し、やりたいことをやり、言いたいことを言おう。
「いいかげんに生きる」とは、まずは自分を中心に人生を生きること。
ここがスタートになる。
2. あの人にイライラするのは、あなたが我慢していることをやっているから
自分のやりたいことを我慢して、ちゃんとしなきゃ、人に合わせなきゃ、と思って生きている人。
そういう人は、たくさん我慢して生きている。
たくさん我慢して生きているので、我慢せずに自由に生きている人に対して、やたらとイライラするのだ。
約束の時間に大幅に遅れてくる人や、お金にルーズな人、それにバーベキューで何も手伝いをせずただ飲んでいる人などが、許せないと感じてしまう。
なぜイライラするのか。
それは、自分は「そんなことしちゃ悪い」と思って、ずっと我慢していることを、目の前で他人が堂々とやっているからだ。
以下引用しよう。
「時間を守らなきゃ悪い」「忙しい時期に休むとみんなに悪い」「女がバーベキューで肉を焼かないのは悪い」って思って、我慢して自分は行動しているから。
それなのに、自分が「悪いと思って我慢していること」「勝手によかれと思って我慢していること」を目の前の人が我慢しないでやっているからイライラするんです。
つまり、「イライラした態度」は、「私がこんなに我慢しているんだから、あなたも我慢しなさいよ」というアピールなんです。
では、もし僕たちが誰かを見て無性にイライラするとしたら、それはどんなサインなのか。
それは、「本当は自分がやりこいことをやっている人」である可能性が高い。
僕たちが「我慢しているけど本当はやりたいこと」を目の前の人がやっているのではないだろうか?
僕たちが罪悪感を感じて「悪いから我慢しよう」と思っていることに、気づかせてくれる。
イライラは実は僕たちの「本当はやりたいこと」に気づかせてくれるサインなのだ。
3. 「妬み」や「怒り」は「本当にやりたいこと」を教えてくれる
最近僕は自分の中の「妬み」という感情について深く考えるようにしている。
SNS全盛期のいま、Facebookなどを見ていると、無性に腹が立つ投稿をしてくる人がいる。
最初はその「腹が立つ」という感情を深く考えていなかった。
でも、最近その「腹が立つ」は、「妬み」なのだと気づくようになった。
どんなときに腹が立っているか。
自分がまだできていない「海外のハイパーノマドな生活」をスイスイと苦もなく実現できている人。
自分がまだできていない、大ベストセラーを叩き出した人の報告の投稿。
自分が呼んでもらえなかった、すごく楽しそうな著名人同士のパーティーの写真など。
こういう投稿を見た時に、イラッとすることが分かってきた。
それらは、「僕が手にしたいと願っているのに、まだ手に入っていないモノ」なのだと分かってきた。
だからこそ、他人を妬んでいる場合ではなく、その「欲しいモノ」を手に入れられるよう、自分が進化すべきポイントなんだと分かってきた。
この法則に気づいてから、僕は他人を妬むことに対して「罪悪感」を感じなくなった。
だって、心が正直に「この人みたいになりたいよー羨ましいよー」と言ってくれているのだ。
その声を聴いて、なりたい自分を目指していけばいい。
それだけのことだったのだ。
4. 「お金ができたら買う」のではなく、逆。まず、買う
前提条件つきの、「〜する」ということを、僕も人生でたくさんやってきた。
「会社を辞めたら海外旅行に行こう」とか、「お金が貯まったら新しいパソコンを買おう」とか。
そんなことだ。
でも、これは完全に順番が逆だったことに、僕も気づいた。
心屋さんは以下のように書いている。
環境が整ってから、動き出すんじゃない。
人格ができてから、結婚するんじゃない。
お金持ちになってから、寄付をするんじゃない。
全部逆なんです。
「○○したい」「○○してみたい」
それが思い浮かんだら、そっちを先にやってほしいんです。
僕の場合、よく旅をする。
旅をすると出費がかさむわけだければ、最近はもうそんなことは考えない。
「行きたい」と思ったらとにかくブッキングしてしまう。
予定を入れてしまう。
昔の僕はそうではなかった。旅の分のお金を貯めてから動き出していた。
だから、なかなか旅に行けなかったし、旅とは「あまり行けないもの」だと思い込んでいた。
あと、高額のセミナーも、お金があるかどうかはあまり考えずに「受講したい」と思ったら申し込んでしまう。
すると、ちゃんとその分が払えるように、お金が回ってくるようになるのだ。
これは不思議だけれど、本当にそうなる。
自分がしたいこと、やりたいこと、いきたい場所を明確にすることで、人生の向かう方向が決まる。
すると、ちゃんとその方向に進むためのお金や時間ができるようになっていく。
世の中って、きっとそういうものなのだ。
5. 「なんとなく」という理由で、誘いを断ってみる
この項目も、まさに僕がはまっていた罠の典型。
以前の僕は、誘いを受けたらとにかく断れなかった。
「行っておいた方が人間関係的に得だよね」とか、
「誘ってくれた人に悪い」などと理由をつけて、本当は行きたくないイベントにも顔を出していた。
ところが、本が出たりして顔が知られるようになると、お誘いの数が尋常ではなくなってきた(笑)。
冗談ではなく、全部のお誘いを受けてしまっていると、一週間が全部会食で埋まってしまうのだ。
昼も夜も全部会食だと、これはさすがに疲れるし、仕事にも影響が出てくる。
そこで本気で断るようにしたんだけど、最初は言い訳を一生懸命考えていた。
無理やり嘘をついて断ることもあって、そうするとなんだか申し訳ないし自分もイヤだしで、すごく困った。
でも、あるときに気づいた。
「誘いを断るのに言い訳はいらない」ということに。
「あ、今回は止めとく」でいいじゃないかと。
「気が乗らないのでまた次回」でいいじゃないかと。
結局は大切なことは、「自分が行きたいかどうか」という気持ち。
心の奥では「行きたくない」と思っている会合に無理に行っても仕方がない。
あと、最近僕は行った会合やイベントでも、「これは違うな」と思ったら、さっさと帰るようにしている。
我慢して機嫌が悪くなったり消耗したりしたらバカバカしていので、サクッと帰る。
先日も、相手が30分待ち合わせ時間を変更したことを僕に伝えてなくて、お店は満席で入れず周囲の店もいっぱいで、30分待ちぼうけとなったことがあった。
そのときも、怒っているわけではなく、シンプルに、「あ、もういいや、帰ろう」と、さっさと帰ってしまった。
我慢していないから怒ってもいないので、その後呼び戻されて、また戻ったんだけどね(笑)。
我慢しないと腹が立たないので、ワガママだと思われるだけで、実害はほとんどないんじゃないかな。
6. 工夫・改善につながる「反省」でも、とりあえず、しない
これもすごく大切なことだと思っている。
僕はセミナーを主催、登壇していて、そのときにアンケートを作って受講者の皆さんに書いてもらうようにしている。
以前はこのアンケートの項目に、わざわざ主催者である僕らに対して「厳しいことでも書いていいよ」というような項目を作ったり、セミナーの内容を5段階評価してもらうような項目を作っていた。
で、当然ながらそういう項目があると、中には厳しいことを書いてくる人もいるし、重箱の隅を突いたような文句を書かれることもあった。
で、それらを読むと、ガッカリするし、「そういうことを言ってくる人にも対応しなきゃ」みたいな気持ちになる。
100人のセミナーで、たった1人の人が書いた「ここが良くなかった」がすこい勢いで増幅してしまい、まるで参加者全員にダメ出しされたかのような気持ちになってしまうのだ。
ずっとそれらの項目がイヤで、でも自分で作ったアンケートなのにその項目をずっと残していて、アンケートを読むのが怖くてイヤで。
あるときやっとこの項目の無意味さに気づき、僕は自分が読みたくないことを書かれる可能性のある項目を全部削除してしまった。
そして、「良かった点」「今すぐ実行したいと思った点」「今後やって欲しい内容」など、僕が読んでさらにやる気が出る項目、僕の強みが際立つ項目だけを残した。
これが大成功。
参加者の皆さんが僕のやる気をパワーアップしてくれるコメントをたくさん書いてくれるので、アンケートを読むのがウキウキ楽しい時間となった。
さらに、今後のイベントの方向性や内容に関する前向きなアドバイスもいっぱい貰えて、セミナーが加速することになった。
「反省」しない。
大切なことだ。
7. 「あ、簡単」と思った人のところに、答えは降りてくる
人間は一人ひとり「世界観」を持っている。
そしてその世界観が、自分の生きていく人生、つまり「世界」を作ってしまう。
だから、「人生とは苦難の連続である」という世界観を持っている人の人生は、本当に苦難が続くようになる。
そうならないと本人が困るから、ちゃんとそうなるようになる。
だから、どんな問題が起こったときも、「それは簡単」と思うようにすると、問題の解決はたやすくなる。
心屋さんは以下のように書いている。
「悩み」を「大変」という前提で見るから、大変なことになるんです。
そこで、悩みを聞いたときに、パッと「あ、簡単ですよ。それはね、すごく簡単ですよ」って、まず言ってしまったらどうでしょうか。
すると、簡単な答えが出てくるんです。
まるで神様の啓示のように、僕の意志を超えてすーっと簡単な答えが降りてきたりするんです。僕はこれを「ペラ神さま」と呼んでいます(口がペラーっと言葉を出すので)。
「簡単」という前提で悩みを見たからです。
「簡単」という前提で考えたからです。
「お金を稼ぐことは大変なことだ」と思っている人のところには、お金は回ってきません。
以前の僕がそうでした。
サラリーマン時代の僕は、そこそこ稼いでいたのに、いつもお金が足りなくて困ってばかりいました。
その頃の僕は、「自分はお金持ちにはなれない」「お金を稼ぐことは大変なことだ」といつも思っていました。
でも、僕はそう思うことを止めたのです。
これは意志の力で「決めた」のです。
お金を稼ぐことは大変だ、と想うことを、意志の力で「エイヤっ」と止めることにしました。
そして、「お金を稼ぐなんて簡単だ」と無理やりでも思うようにしたのです。
最初は上手くイメージできませんでしたが、徐々に本当にそう思えるようになってきました。
それに連れて、本当にお金は簡単に回ってくるようになってきました。
「大変!」と思っている人のところには、大変なことが。
「簡単!」と信じている人のところには、簡単なことが巡ってくる。
だからこそ、なんでも「簡単」だと思っていると、どんどん楽になっていく。
まとめ
やりたいことだけを適当に、ゆるーくやる。
それは悪いことのように思えるだろうか?
でもそれは、今まで一生懸命頑張りすぎてきた僕たちにとっては、とても大切なことなのだ。
緩く生きることで、心に余裕ができる。
力を抜くことで、リラックスして本来の力が発揮できる。
罪悪感で自分を悪者にすることを止めれば、自分のことを好きになれる。
自分を好きになれば、人の目が気にならなくなり、ますます自分の本来の力を発揮できるようになる。
心屋さんも書いているが、「努力は報われる」「頑張れば結果が出る」というのは嘘だと思う。
報われない努力もたくさんあるし、まったく努力せずに豊かに暮らしている富裕層の人たちもたくさんいる。
そこに因果関係を作る必要は、本来ないのだ。
だからこそ、ゆるく自分のやりたいことを選んで、やりたいようにやる。
それこそが、一番うまくいくポイントなのだと思う。
僕も散々がんばり過ぎの人生を生きてきた。
だいぶゆるんできたけど、もっももっと、ゆるめていかないと。
心屋さんを見習って、僕もライブでもやるかなー(笑)。
「いいかげんに、生きる」オススメです!写真もキレイ!!
いいかげんに、生きる のチェックはこちらからどうぞ!!
心、あり方に関する書評記事はこちらにもたくさん!ご一緒にどうぞ!!
著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。