ブックレビュー2010年の92冊目は、美月あきこ氏著、「ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣」を読了。
良い。すごく良い。
飛行機のファーストクラスに乗る人の中でも、特に創業者社長にスポットを当て、それらファーストクラスを常時利用している人々の習慣を分析し項目化することで、成功者の習慣を見習って取り入れようというという試み。
ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣 by 美月あきこ 〜 成功者の習慣を身に纏おう!! [書評]
著者自らがキャビン・アテンダントとして長くそれらの人々を見つめてきたからこそできる切り口だし、個別の事例も非常にビビッドで瑞々しい。
創業者社長さん達はすべてプライバシーの関係から匿名で登場するのだが、彼らの姿勢の良さ、声の響きの美しさ、言葉遣いや身のこなしのしなやかさなどが目に浮かんでくるようだ。
エコノミーなら10万円で行けるニューヨーク。これがファーストクラスだと幾らかかるか。
何と200万円である。割引なしのすべて正規料金。
それだけの金額を常に払い続ける人々は、機内でどのように過ごし、CAにどのような態度で接し、そして何を語るのか。
誰でも興味があるだろう。もちろん僕もとても興味を持った。
そして著者は実に良く彼ら経営者を観察しており、それを上手に体系立てて説明している。
今日からでも見習うべきファーストクラスの常連達の習慣が幾つも書かれていた。
ただ、若干鼻につく部分もあったことはあった。
まず、ファーストクラスの常連との対比で、エコノミークラスやビジネスクラスの乗客のフライト中の態度などに関する辛辣な表記があるのだが、正直「これっているかな?」と感じる部分もあった。
対比としてはもちろん面白いのだが、読んでいてあまり気分の良いものではない。
それから、本文中に一部スピリチュアル方面に大きく舵が切られていく部分があり、他の箇所と随分ノリが違ってしまっている点も気になる。
あと、CA出身の著者が、本書の大多数の読者であるエコノミー・ビジネスクラス搭乗者を誘導しようとしているのでは?と感じる部分があったことも否めない。
要は彼女の後輩に当たる現役CA達の労働環境を改善すべく、エコノミーやビジネスクラスの乗客のマナーの悪さを改善させよう、という狙いが裏にあるのでは?と感じるのだ。
僕自身、一度だけグアムにファーストクラスで往復したことがある。
友達が旅行代理店勤務で激安価格で手配してくれたのだ(エコノミーより安い値段でファーストに乗れた)。
本書でいうところの「一発屋」である。
でも、本書を読むと、自分も頑張って海外は常にファーストクラスで往復するようになりたいな、と思わせられる。
著者の眼力と文章力も去ることながら、匿名で登場する紳士・淑女の皆さんに憧れる、というのが正直なところだろう。
素敵な本だった。ありがとう。
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。