山口拓朗さん著、「ファンが増える!文章術 〜「らしさ」を発信して人生を動かす」という本を読んだのでご紹介しよう。
山口さんは「文章の専門家」として、数々の文章に関する本を出されている。
本書は、SNSでの発信をより魅力的にするための本である。
スキルやテクニックはもちろんだが、前半は「自分らしさを出すことを自分に許可する」ことにページを割いている。
情報発信には情報価値ももちろん大切だが、「誰が発信しているか」がもっとも大事。
SNSはもちろん、ブログにもそのまま応用可能な素敵な一冊だった。
早速紹介しよう。
「らしさ」を取り戻す旅に出よう
本書の前半は、文章力のスキルやテクニックではなく、「らしさ」をいかに取り戻すかにページを割いている。
「らしさ」とは、「あなたらしさ」、「自分らしさ」の「らしさ」のこと。
SNSやブログに自分らしい投稿をしたいと願いつつも、「どうしていいかわからない」「何を書けばいいのかわからない」という人が多い。
その結果、自分はほとんど投稿せず、流れてくる他人の投稿をダラダラと見るばかりとなってしまう。
何を書けばいいかわからないという人の深層心理には、さまざまな「恐れ」や「不安」が根ざしている。
「恥ずかしい」「自信がない」「批判が怖い」「人の目が気になる」「文章が下手で笑われる」など。
日常的にそのようなことを考えて生きている人はいないだろう。
しかし、我々の意識は大半が「潜在意識」であり、自分が考えていることを自覚することができない。
表面的には「なんとなく億劫」や「めんどくさい」と思ってためらっていても、深層心理では自分を露出させることに対する「禁止令」が出ている人が多い。
禁止令は、情報発信だけにではなく、「自分らしく生きること」に対しても出ている人が多い。
「他人と違うことをしてはいけない」「他人より目立ってはいけない」「自分の意見を主張してはいけない」などの禁止令だ。
世界の中でも日本は「同調圧力」が強く、「他人と違うこと」をタブー視する傾向が強い。
しかし、他人の視線を気にしすぎて、自分がやりたいことを我慢する人生は味気ないし、苦しい。
自分の欲求に素直になり自分が好きなことを「好き」と言い、行動を起こす。
山口さんはこう書いている。
「ポイントは、「やりたい」と思った瞬間に「やる」という選択ができるかどうか。
これまで自分の気持ちを置き去りにしてきた人ほど、「小さなやりたい」を実際に「やる」ことに抵抗感を抱くでしょう。
まずは、軽く飛び越えられるハードルからでOK。
「小さなやりたい」を「やった」へと変えていきましょう」。
自分らしさを表現するためには、まず自分らしく「生きる」ことが大前提だ。
「らしさ」を発信すると人生が動き出す
インターネットが世界を繋いだことで、我々はそれまで絶対できなかったことが、誰にでも出来るようになっている。
それが、個人による情報発信だ。
パソコンやスマホから、誰でも全世界に向けて発信をすることができるようになった。
個人が発信することで、読む人に向け影響力を行使することが出来るようになっているのだ。
影響力が増幅すると、多くの人に影響を与える立場となり、人生が大きく変わるキッカケにもなる。
僕自身まったく無名のサラリーマンから、ブログとSNSでの発信をきっかけに独立し、7冊の本を出版、人生は劇的に変わった。
個人の情報発信が持つ力は、今やマスメディアをも超える状態になっている。
ところが、多くの人がそれだけ強い影響力を持つ個人メディアを使いこなせていない。
多くの人が、「私よりすごい人がいる」「私なんて大したことない」と尻込みする。
しかし、大切なのは「誰よりもすごい知識」や「圧倒的情報量」ではなく、発信する人の個性である。
個性こそ、「あなたらしさ」に他ならない。
専門家、著名人、インフルエンサーのようなすごい情報を発信する必要はない。
山口さんは以下のように書いている。
「「あなたの両手が届く世界」を大事にすること。
これが、SNS発信をするときに最も大事なことです。
背伸びする必要も、よそゆきの自分を演じる必要もありません。
「 I Think(私はこう思う)」がSNS発信の基本なのです」。
一番大切な事は、他人の言葉を借りてくるのではなく、自分の言葉で伝えることだ。
自分らしさを発揮し、自らの失敗談やエピソードを交え、自分だけの価値を発信する。
それによって少しずつ周囲の人があなたの言葉に共感し、あなたの影響力が高まっていく。
それが、人生を動かす原動力になっていくのだ。
「自己開示」が持つ力
「らしさ」とは「個性」である。
個性豊かな文章は、多くの人を惹きつける。
個性豊かな文章を書く人は、自己開示力が高く備わっていることが多い。
SNSで自分を隠そうとしたり、偽ったり、盛って発信する人は、すぐに周囲から「なんかウソくさい」「取り繕っている」「盛っている」と見透かされる。
一方、自分を素直に語るほど発信のエネルギーが高まり、あなたに興味を持つ人が増えていく。
自分の気持ちに素直に書いた文章は、読む人に共感されやすい。
自分から弱みや失敗談などを語ると、相手も同じように弱みや失敗談を語り始め、打ち解ける「自己開示の返報性」が働くのだ。
自分の言葉で語る、自分の内面を吐露する、失敗談や弱み、上手くできないことなども正直に書く。
自己開示により多くの人があなたに共感し、あなたの影響力が強まっていくのだ。
「SNSにはカッコつけて盛った投稿をするもの」という誤った認識を持っている人もいるようだが、正反対である。
素直な自分を飾らずに出すことでこそ、多くの共感を集めることができるのだ。
まとめ
本書の後半では、魅力的な文章を書くためのスキルやメソッドが満載である。
「さすが文章の専門家」だと感激するほどバラエティー豊かなテクニックが紹介されている。
豊富なメソッドはぜひ本書を手に取って実践してみて欲しい。
前半があなたらしさの「あり方」、後半があなたらしさの「やり方」という素晴らしい構成の本だった。
僕自身がSNSやブログに対して考えているスタンスと非常に近く、共感しまくりだった。
最初は恐る恐る発信していた人が、少しずつ自分らしさを発揮できるようになり、やがて多くの人を惹きつける文章が書けるようになっていく。
個人の情報発信は、発信しながら成長できる素晴らしいメディアだ。
出版やテレビ出演のように「完成された人しかできない」ではない、まったくの初心者もプロと同じ土俵に上がることができるのがSNSの素晴らしい点だ。
この本を読んで、是非あなたらしさ全開の投稿ができるようになって欲しい。
素晴らしい一冊でした。
超オススメです!!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。