大平信孝さん著、「やる気に頼らず「すぐやる人」になる 37 のコツ」という本を読んだのでご紹介しよう。
僕には昔から物事を先送りしてしまう癖がある。
一度エンジンが掛かれば、そこからのスピードやパワーには自信がある。
しかし、エンジンが掛からないとまったくスタートできず、しかもなかなかエンジンが掛からない。
人生最大の先送りは、2000年に「ブログを始めたい」と思ったのに、始めたのが2008年12月だったこと。
たかがブログを始めるのに、8年も先送りを続けてしまった。
結果として、こうしてプロブロガーになれたから良かったのかもしれないが、2000年に始めていたら、先駆者としてもっと早く活躍できたかもしれない。
過去は変えられないが、未来は自分の行動で変えられる。
先送りをせず、「すぐやる人」になりたいと常日頃思っている。
そんな折、先日書店でこの本を見つけ、迷わず購入した。
過去にも何冊もこの手の本を読んできたが、本書が僕にとっては過去最高、満塁ホームラン級の素晴らしさだった。
さっそく紹介しよう。
動けないのは「脳の仕組み」だった!!
本書を読み始めて冒頭で僕は驚くことになった。
僕らが物事を先送りしてしまうのは、意志の力でもなく、性格の問題でもなく、「人間の脳の仕組みがそうなっているから」なのだ。
我々の脳には「側坐核」と呼ばれる場所が存在する。
この側坐核が刺激されると、意欲を高めたり、楽しいと感じる「ドーパミン」という快楽ホルモンが分泌される。
ドーパミンが分泌されることで、我々は楽しみながら積極的に行動ができるようになる。
ところが、この側坐核というスイッチは自動的にはオンにならない。
側坐核は、我々が何らかの行動を起こすことで刺激を受けドーパミンを放出する。
つまり、「行動に着手」することで、初めてスイッチがオンになるのだ。
側坐核のスイッチを入れるために必要な行動は「ほんの少し」だけで良いという。
大きな物事を始める時も、いきなり大規模に始めようとするとハードルが上がってしまう。
とりあえず何でもいいので少しだけやってみることが大切だ。
著者の大平さんは以下のように書いている。
「 物事を先延ばしせず、「すぐやる人」になるためには、「とっかかり」、つまり行動に初速をつけることがポイントになります」。
本書のこの部分を読んで、僕はずっと先延ばししてきていた、「不要な書類を整理して処分する」を、試しに30秒だけやると決めた。
結果、何ヶ月も手をつけられず放置してきた書類を「30秒だけ」仕分けすると決めたら、そのまま一気に全部の書類の整理と処分が終わってしまった。
かかった時間はわずか10分ほど。
側坐核を刺激し、ドーパミンを放出させることで、すぐやる人になれる。
僕はそう確信した。
翌日の質を決めるのは前日の夕方の過ごし方
本書を読んでもう一つ行動を変えたことがある。
それは、翌日のために前日の夕方にすることを増やしたのだ。
どちらも本書で推奨している行動だ。
1つ目は、「面倒な事は前日の夕方にちょこっとだけ手をつけておく」こと。
前の項目で書いた通り、側坐核を刺激するためちょっとだけ手をつけておくことが「すぐやる人」になるために非常に有効だ。
その効果を増幅させるため、翌日やるべきことに、前日夕方にちょっとだけ手をつけておく。
何事もそうだが、0から1にするのが一番パワーが必要だ。
難易度が高かったり、面倒くさかったりする仕事は、とっかかりが掴みにくい。
前日夕方に、とにかくほんの少しでも始めておくと、初速が出た状態で翌日を迎えることができる。
さらに、 本格的に取り掛かる前に睡眠を挟むことで、脳が情報整理をし、潜在意識が活躍してくれ、翌日より効率的に取り組むことができる。
実際僕は、本書を読んでから、確定申告のためのレシート整理のやり方を変えた。
毎日一か月分のレシートをクラウドサービスに入力するのだが、前日夕方に翌日分のレシートをクリアフォルダに入れて所定の場所に置くことだけを済ませるようにした。
その際にレシートの枚数をカウントしておくと、翌日の作業に要する時間もざっくり把握でき、先送りしなくなったのだ。
もう一つ、夕方にやることにしたのは、翌日の過ごし方をイメージすること。
夕方に、翌日の対外的スケジュール、執筆や企画など取り組みたいこと、さらに運動や読書などのルーチンをどのように行うかをイメージするようにした。
僕は毎朝行っている「一人合宿」でその日の予定を詳細に決めてから活動を開始する。
それに加え、前日夕方に1週間のタスクリストやブログネタなどから、何をするかをざっくりイメージだけしておくのだ。
当日の朝になってから「今日は何をしよう」と考え始めるのではなく、前日夕方に翌日のイメージを固めておくことで、睡眠中に脳が起動準備を行ってくれる。
これら二つの前日の下準備によって、当日朝はスムーズにタスクに入れるし、前日ちょっとだけ手をつけた案件はなおさら初速を出して取り組むことができる。
人生を変えるには「ぶっとんだ目標」が必要
夢や目標を掲げても、行動を開始しなければ現実は変わらない。
大平さんは以下のように書いている。
「 行動力は人生を変えるベースになる。大切なのは「それを使って何をするか」を考えること」。
我々の行動は2つの種類に大別される。
一つはマイナス状態をゼロベースに戻す行動(ゼロベース行動)。
そしてもう一つはプラスの価値を乱す行動だ(プラス行動)。
物事を先送りしない、すぐタスクに手をつけるなどは、物事をマイナス状態にしないための「ゼロベース行動」と言える。
ゼロベース行動がスムーズにできれば、仕事が効率化され、良い習慣が身に付くだろう。
しかし、ゼロベース行動だけでは我々の夢や目標を実現することはできない。
だからこそ、ゼロベース行動とセットで、「本当はどうしたいか」、つまりプラス行動についても考えていく必要がある。
本当になりたい自分、やりたいことなどを描き、その夢を目標に変換し、行動レベルに落とし込み、その上で「すぐやる」ことが大事。
その際に必要になるのが「ぶっとんだ目標」だ。
われわれはつい、夢や目標を開く時、過去の延長線上で「今の自分ができる範囲」の夢や目標を立ててしまいがち。
しかし、それは過去を見ているだけで、未来の「本当のやりたいこと」「本当になりたい自分」とは無関係だ。
過去からの延長線ではなく、本当の自分の欲望に従い、ぶっとんだ目標を立てよう。
ぶっとんだ目標を立てる際の最大のコツは、「実現できるかどうか」より、「実現したいかどうか」を重視することだ。
ぶっとんだ目標を立てたら、その目標に向かい行動でできるレベルまで活動を「チャンクダウン」する。
ひとことで言えば、「ぶっとんだ目標に向けた最初の行動を「すぐやることができるレベルまで小さくする」ことだ。
行動開始し、自分の活動を見直しつつ、目標を定期的にブラッシュアップしていこう。
定期的な振り返りなくして目標は実現できない。
本書の内容を引用しよう。
「振り返りをしない人は、一度うまくいかないと、「失敗した」と判断して、あきらめてしまいます。これに対して、振り返りをする人は、軌道修正ができるので、やり方を変えて再チャレンジするなど、次の行動につなげることができます。」
本当の自分の欲望に従いぶっとんだ目標を立て、その目標に向かい行動し、定期的に振り返り、軌道修正する。
これを繰り返すことにより、夢は実現に向かい確実に進んでいくのだ。
まとめ
今まで読んできた先送り防止の本は、多くが「ゼロベース行動」の範囲だけを扱うものだった。
もちろん先送りをしなくなり、すぐやる人になれば、日々の生活は快適になり、仕事は効率化されるだろう。
しかし本書の真骨頂は、ゼロベース行動を身に付けた先に、プラス行動までカバーしている点だ。
ゼロベース行動をしっかり身に付け効率化した結果生まれた自由時間で、ぶっとんだ目標を叶える行動を、すぐやろう。
これこそ先延ばしをなくす本当の目的だろう。
先延ばしをなくし、時間を作り出し、夢を実現しよう。
本当に素晴らしい一冊でした。
超オススメです!!!
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。