あなたは今自分の人生を謳歌していると言えますか?
一度しかない自分の人生を心から生き抜くこと。
それは簡単なようで、とても難しいことだ。
仕事に追われ日常の波に呑まれている間にどんどん時間は経っていく。
ふと気づけばあっという間に時間ばかりが過ぎていく。
「僕はいったいなんのために生まれてきたのか」
「私はこのままでいいのだろうか」
そんな不安や不満に襲われることもあるだろう。
人生とは「無限の選択の連続」である。
僕たちは今日のお昼ごはんのメニューのような些細なことから、自分の転職や起業・独立といった人生を左右するような大きな決断まで、日々数え切れないほどの選択を繰り返している。
選択をするとき、行き当たりばったりの人もいれば、綿密に計画を立てる人もいる。
計画がなくても人生を進めていくことはできる。
しかし、そういう生き方をすると、人は自分が進む方向性を見失いがちだ。
自分が進む人生の行路は「人生という海図」にあらかじめ記しておく。
もちろん予定通りにいかないことも多い。
嵐がきてまったく身動きできないこともあるだろうし、エンジンが故障して修理する必要に迫られることもあるだろう。
しかし、それでも、航路が決まっていることが大切なのだ。
予定より遅れれば、目標を変更することもできるし、コースを外れていることが分かれば、軌道修正して正しい方向に向かうこともできる。
目標を持つことで、僕たちは些細なことに振り回されることがなくなるのだ。
しかし実際に「目標」とはどうやって立てて、どうやって達成すればいいのだろうか。
目の前の小さな目標達成ならまだイメージが掴める。
しかし「いかに生きるか」という大きすぎる目標に向かって、僕たちは何をすればいいのだろうか。
そんな僕たちに最適な本がある。
青木仁志さんが書かれた「目標達成の技術」という本だ。
目標達成の技術
青木仁志 アチーブメント出版 2012-10-01
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目標をどう立てるのか、そして立てた目標をいかにして達成できるようになるのか、そして、僕たちはどのように生きるのかを示してくれる素晴らしい本だ。
本書の中から、僕が特に響いた7つの鉄則を紹介したい。
目標達成の技術 by 青木仁志 — 必ずできる!! 目標達成の技術 7つの鉄則
1. 人生の目的とは何かを考える
生きるための目的と目標は違う。
人生の目的とはなにか。著者の青木さんは以下のように定義している。
「人生の目的とは、「わたしは、なんのために生きるのか」という自己の存在理由であり、生きる意味です。目的が土台にあって、それを実現するために目標を設定するのです」。
人生の目的とは、つまりは人生の「理念」であり、「価値観」であり、「信条」であり、「哲学」である。「ミッション」とも言うことができるだろう。
つまり、人生の目的というのは、生き方を示すものである。
ある特定の日にゴールとして達成されるようなものではなく、日々生きていくプロセス自体が「目的」なのである。
そして、その生きる目的に叶うようなビジョンを描き、そしてビジョンを実現するために達成すべき目標を設定していくのだ。
生きる目的とビジョンを描くことなく目標だけを設定してしまうと、その目標は近視眼的になり、土台がなくブレやすい。
土台があってはじめて「通過点」としての目標が正しく、首尾一貫したかたちで設定できるようになる。
まずは土台となる「生きる目的」についてしっかりと固めていこう。
この本には、「生きる目的」を設定するためのサポートとなるワークが盛り込まれている。
漠然と「私の生きる目的ってなんだ?」と悩むのに比べればずっと効果的に考えることができる。
興味がある方は是非ワークに取り組んでみて欲しい。
2. グランドルールを知ろう
具体的な目標を設定する前に、「グランドルール」を知っておこう。
目標達成に必要な原則のルール、という意味だ。
本書では2つのグランドルールが示されているが、ここではそのうちの1つ、「能力開発の5段階」を紹介しよう。
自分自身を高め目標を達成していくためには、必要なステップを踏む必要がある。
以下に説明しよう。
レベル1. 知識 — 知っただけで知ったつもりになって満足しない
まずは知識を得ることからすべての行動は始まる。
しかし、知識を得ただけではあなたの人生には何も変化は起きない。
本を読んだだけ、セミナーを受講しただけという状態だ。
本を読んだりセミナーを受講することは自分を高めるために必要なことだが、それだけで終わってはいけない。
レベル2. 理解 — わからないことをわからないままにしない
「知っていることと」と「理解していること」は同じではない。
たとえば僕は「相対性理論」という言葉は知っているし、ごくごく初歩的な説明ぐらいはできる。
しかし、その内容をきちんと第三者に分かりやすく説明できるかというと、そこまでの理解はない。
理解しているというのは、レベル1で知った内容について、わからない点をしっかり把握し不明点を潰し、自分の言葉にできている状態を指す。
なんでもかんでも深く理解することはできないので、自分の人生の目的に沿う知識については、きちんと理解を深める姿勢が大切だ。
レベル3 & 4. 実践・習得 — できないことをできないままにしないで、できるようになるまでおこなう
たとえランニングの本をどんなに深く読んでランニングメソッドを理解したとしても、実際に走り出さなければあなたに変化は訪れない。
一番大切なことは、きちんとした知識を学び自分のものにしたならば、それを実践して習得することだ。
フルマラソンの教本を読んだところで、いきなり初日から42kmなど走れるはずがないだろう。
だからこそ、コツコツと実践を積み重ねることで、最終的に42.195kmを走り切れる体力と技術を習得するのだ。
このステップなしに目標達成はあり得ない。
3日坊主になってしまい放り出してしまう人が多いのが現実だ。
習得するまで徹底的に実践することが、目標達成のための必須条件だ。
レベル5. 貢献 — 自分ができるようになったら、自分だけのものにせず周りの人に分かち合う
自分ができるようになったことを自分だけの成功として隠してしまっては、真の成功者にはなれない。
青木さんは以下のように書いている。
「技術も知識も、人と分かち合うことによって磨かれ、洗練され、普遍の技術として使いこなせるようになっていくものです。レベル4までは自己を愛すること。自己完成論理で行き着くことができます。しかし、ここからは「For You」の精神で、自分が体験し、知り、学び、いいと思ったことをできかぎり多くの人に伝えましょう」
僕がブログに書評を書くのもこの「貢献」を目指しているからだ。
仕事が忙しくて本をじっくり読む時間が取れない多くの方も、10分程度で読めるブログなら読むことができる。
そして僕が読んだ多くの本の中から、1年に1冊でも、「これは是非読みたい」と思える本を読者の方が手に取り、その本によって人生や生活が良い方向に変化したら、それ以上の喜びはない。
また、書評を通じて多くの方が本を買ってくれれば、それは著者の方や出版社に対する貢献にもなる。
僕が読んで「この本は良かった!」という点を伝えることは、著者の方や出版社、書店、取次など関係者の皆さんへの感謝を形にすることだと思っている。
この5つのレベルには、2つの壁がある。
1つは、「分かる」と「やれる」の間にある壁。そしてもう一つは「できる」と「分かち合う」の間の壁だ。
どんなに頭で分かっていても、行動に移せない。これが1つめの壁。
そして自分では出来るようになっていても、それを他人には説明できない。これが2つめの壁だ。
この壁の突破についても、後の項目で説明していく。
3. 時間軸と分野で目標を細分化する
漠然と「生きる目標を決めろ」と言われても、とっかかりがなくて思いつけないという人も多いだろう。
この本では、目標を「時間軸」と「分野」で細分化することで、設定をしやすくしている。
時間軸でいえば、「長期」「中期」「短期」、そして「分野」は「仕事・職業経験」「能力・知識」「技術・技能・資格」「財産・資産」「人的ネットワーク」「その他」である。
将来的な成功・達成のイメージから逆算して計画を立てていく方法と、現在地から将来のビジョン・目標に向かって計画を立てる方法の二つがある。
いずれの方法を採っても構わないが、目標と現実の間にズレが生じ達成不可能と思われた場合には、現実的う達成可能なところに調整する。
また、必ず達成の期限、デッドラインを設定しよう。
目標設定の詳細については、とてもこのブログでは書き切れない。
本書には具体的なワークシートがあり、書き込みながら目標設定できるようになっている。
是非実践してみて欲しい。
4. セルフコントロール能力の習得
設定した目標を達成できる人とそうでない人の違い。
その最大の違いは、「セルフコントロール能力」があるかどうかだ。
そしてセルフコントロール能力というのは、「習慣力」でもある。
達成が可能な簡単なレベルからスタートさせ、きちんと1つ1つを達成していく。
そして、達成できることで自己イメージが上がったなら、次のレベルへと達成目標を上げていく。
この「習慣力」と「目標設定の上昇カーブの設定」が、セルフコントロール能力なのだ。
真面目な人ほど最初から難しすぎる目標を設定して挫折してしまう。
また、楽な目標を設定しすぎると、張り合いがなくなり詰まらなくなり、忘れてしまったりする。
青木さんは適切な目標の上昇カーブのことを、「アチーブメントゾーン」と定義している。
簡単すぎず、しかし難しすぎもしない上昇カーブで目標を再設定し続ける力。
これが「セルフコントロール能力」となるのだ。
5. 成功者としての自己概念を形成する
小さな成功体験を積み重ねること。
つまり、自分が決めた自分との約束を果たし続けることで、自分の自己概念が上がっていく。
自己肯定感とも言う。
自己概念の形成方法が分かっている人は、簡単にはあきらめない。自分ができることを証明するために、とことん努力をする。
ところが「できない」と思っている人は、さまざまな方法を使って、「自分にはできない」ことを証明しようと躍起になってしまう。
成功者としての自己概念を形成するための20のアイデアが本書で提示されている。
「外見を整える」「つき合う相手を慎重に選ぶ」「自分の長所を書き出したカードをつくる」「良い仲間をつくり、貢献の人生を生きる」などだ。
日々の実践から成功者の自己概念は生まれ、育っていくのだ。
6. パワーパートナーと供に生きる
「パワーパートナー」とは、あなたが成功させたい人で、その人の成功があなたの成功となる人のことだ。
部下を持つ人なら部下はパワーパートナーとなるだろう。
部下の一人ひとりが成功すれば、あなたのチーム全体も成功を掴み、結果としてあなたも成功への道を歩むことができるからだ。
組織に所属している人はもちろん、僕のようにフリーで働く人間にとっても、パワーパートナーの存在は欠かせない。
お互いがお互いを応援しあい、お互いの成功や達成を心から祝福し、辛いときや苦しいときにはサポートし合う仲間だ。
パワーパートナーの存在を常に意識して、あなたの周囲をパワーパートナーで固めていこう。
成功にレバレッジをかけるには、パートナーの存在は必須のものである。
7. やり遂げるという信念を持つ
どんなに知識を持っていても、どんなに経験を積んでいても、最終的に「やる気」がなければ目標を達成することは困難になる。
自分には出来る。自分には力がある。自分は必ず成功する。自分は達成する。
これらの信念が、最終的には成功へとあなたを導くのだ。
本書の巻末には、「自分自身との契約書」が添付されていて、署名欄も設けられている。
自分で決めた目標を「絶対達成するぞ」と誓い、自分に対して契約をするのだ。
「何となく決めた」目標は、「何となく」な結果に終わることが多い。
絶対達成したい目標は、「絶対達成する」という信念を持って取り組もう。
そうすれば、必ず結果が出るだろう。
まとめ
この本は、著者の青木仁志さん自らが講師を勤める、アチーブメント株式会社の「頂点への道講座」スタンダードコースという3日間のセミナーを一冊の本に凝縮したものだ。
僕も1月にこの講座を受講したのだが、非常に濃密かつ洗練された講座で、従来の僕の目標管理の手法に改善点を多くもたらしてくれた。
本書の内容はまさに「人生」全体を扱うもので、とてもブログですべてを網羅することはできない。
ごくごく一部を紹介することしかできないので、興味がある方はぜひ本書を手に取ってみるか、または「頂点への道」講座を受講していただきたい。
目標達成は「技術」である。正しい目標設定がされて、その目標に向かって正しく進むこと。
それさえできれば目標はことごとく達成できるようになる。
そのための心構えとノウハウが本書には満載である。
是非、手に取ってみて欲しい。
超濃密な一冊!何度も読み返したい一冊!オススメです!
目標達成の技術青木仁志 アチーブメント出版 2012-10-01 売り上げランキング : 10978
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著者/出版プロデューサー/起業支援コンサルタント/ブロガー/心理カウンセラー。
あまてらす株式会社 代表取締役。
著書に「やってみたらわかった!40代からの「身体」と「心」に本当に良い習慣」「起業メンタル大全」「「好き」と「ネット」を接続すると、あなたに「お金」が降ってくる」「ノマドワーカーという生き方」など全9冊。
神奈川県鎌倉市の海街在住。